西国街道13 本郷宿→西条四日市宿
本格的に街道を歩きはじめて3年目、夏は歩く時間がまとまって取れるので、ぐいぐいと街道を進む事が出来ます。1年目は中山道、2年目は北国街道・三国街道、3年目に選んだ道は西国街道。
真夏の京都から下関まで約570km、猛暑との共存も年々コツを得てきましたが、身体と会話しながら西を目指します。
2023.08.26
1.本郷宿
鯛が登場。
昨夜食事をしたお好み焼屋さんに、大きな赤い鯛の張りぼてが置いてありました。聴いたところ、広島の胡子神社のお祭りで縁起物として売られているそうで、広島宿に着いたら行ってみようと思います。
本郷宿、お好み焼き屋さんが多いですね。昨夜食べたお店の常連さんが5件はあると言ってました、隠れた激戦区です。
2.梅木古墳
大渡の大師堂は、街道を行き来する旅人たちに接待をしてきた、大切なお堂だったそうです。
遠くからふり返ると、沼田川の畔で圧倒的な存在感を放っていました。
コカコーラの小瓶がたくさん。
飲食店で提供する店はまだありますので、業務用として使用していると思われます。小瓶の形は芸術的な美しさがあり大好きです。
食べる場所が無いのでコンビニの駐車場の片隅の地面での朝食・・・・。
このおにぎりセットの、広島菜ちりめん昆布は美味しかったです。358円でこのクオリティは素晴らしい!
3.石垣文化
石垣が美しすぎます。
ここまで石を運び積み上げるには、一定程度の財力が無いと出来ないと思われます。往時の暮らしぶりをみてみたいですね。
サテライト山陽。
競輪とオートレース、両方の車券が買えます。公営ギャンブル同志も、
経費削減・合理化・共存の時代なのですね。
西国街道を歩いた方から、本日のルート上の河原坂峠と松子山峠が通行困難との貴重な情報を頂きました。
この交差点を右折すると河原坂峠へのアプローチなのですが、今回は直進します。
上の画像の地図は、実際に持ち歩いた地図。
緑の線が西国街道のルート。今回エスケープするルートは赤い矢印で示しています。ルート上の黒い点の間隔が100m、赤文字のメモ、Lはローソン、Sはセブンイレブン、更科10:00と書いてあるのは食事処と営業開始時刻です。
コンビニエンスストアにイートインがあると、本当に助かります。熱くなった身体を冷まして、休憩後は、エスケープルートから、西国街道のルートに戻ります。
4.新庄
上の画像、道の奥が今回歩けなかった河原崎峠。
道の狭さ、横に流れる水路、紅色の石州瓦の家々、抜群にいい雰囲気ですね。
住宅地の近くにある砂防ダム。
集中豪雨のニュースをよく見ますが、他人事とは思えなくなりました。もしこの場所に住んでいたら、自分はどんな行動をするのだろうか、恐怖を感じます。
駅や市街地から離れた街道を歩いていると、路上で人が3人以上集まっている光景は、殆ど目にしません。
珍しく人が集まっているなと近付くと、移動鮮魚販売車が来ていました。驚いたのは冷蔵車ではなく氷で食材を冷やしていた事。
たくさん売れます様に。
街道歩きで、今年初の稲刈り、早いですね。
秋の訪れを感じます。
5.田万里
田万里川の畔で小休止。
ぼ~っと川を眺めていると生き物の姿が目に飛び込んできます。
いいですね、里山で過ごすゆったりとした時間。
もう山間部に入ると思っていたら、突然桝形が表れ集落が。
田万里間の宿、素晴らしい雰囲気でした。
田万里市と表記してあります。
この地域では、”市”とは”宿”の事を表します。
ここまで、石州瓦の屋根の家々が写っている、同じ様な里山風景の画像を何枚も紹介しました。
画像以上に目に飛び込んで来る風景が美しすぎて、こんな里山風景は滅多にお目にかかれません。
田万里の里山、西国街道で最も印象深い風景のひとつです。
オニヤンマを撮影したら、広島空港に離発着する飛行機にそっくり。お互いに空を飛ぶので、似ますよね。
6.三永
街道に農作業をしている方々とは、何か違う動きをしている人と会いました。なんと猟銃を持っています。
猟ですか?と聴くと、猪の駆除中とのこと。猟犬の吠える声が聞こえてきたり、無線でどちらの方角に猪が向かっているかやり取りしたり、その渦中を歩いて良いか怯えていると、私の進行方向には猪は行きませんから大丈夫です、出くわしたら諦めてください、と言われたので、恐る恐る進みました。
日向一里塚。
復元とはいえ、西国街道を歩き始めてから初の両塚が残る一里塚。
テンションがあがった所ですが、この先の松子山峠の道は通行困難との情報を、西国街道を歩かれた知人から頂いていたので断念。
迂回して一般道を進みます。
昼食はいつもメニューを見ずに、醤油ラーメンを注文するのですが、長浜ラーメンの店でしたので諦めました。
長浜ラーメンはいろんな具が自由にトッピング出来るので、多くの野菜の補給が出来ますね。特に身体が塩分を欲してますので、高菜が身体に優しく感じます。
7.松子山
本来歩くはずの西国街道と合流。
概ね街道は最短ルートを通るので、今回の迂回路は予定の1.5倍位の距離を歩き、しかも峠道なら日陰だったところが、自動車を気にしながらの日向を歩く事に。
つくづく街道の良さを実感しました。
里山風景が好きなので、街に入ると少しテンションが下がりますが、気持ちを切り替え、どんな宿場町なのかを楽しみに歩きます。
良いか悪いかわからないのですが、いつも歩く街道の予習は、ルートの確認とコンビニと飲食店の場所くらいしかしません。
本番を迎えたら、歩きながらこの目で街道の文化を観察し発見する、その方が歩く時の感度が高まり、発見した時の感動が倍以上になります。なんて偉そうな事言ってますが、時速4kmで歩いていると、大抵のモノは目に入ってきます。
郵便ポストに張り紙といえば、年末の年賀状の時期くらいかと思ってましたので、気になって見にいくと撤去のお知らせ。
街道を歩いていると、商店の廃業のお知らせは時々目にし、常連でもないのにショックを受けますが、郵便ポストにも撤去があるとは驚きました。
8.西条四日市宿
今回は7日間の街道歩き。
他に選択肢がない様な場所ではない限り、宿泊先の予約は前日又は当日の昼に行います。
本日の宿は、以前から泊まってみたかった無人タイプのホテル。コインランドリー併設で街道に面しているので迷わず予約してみました。
予約をすると、メールで部屋の鍵の暗証番号が送られてきて、後は部屋に入るだけ。以前Airbnbで古民家に宿泊した時と同じ仕組みです。
セキュリティは監視カメラがあれば、アリかなと思う一方、フロントに人がいない寂しさも若干残りました。
宿泊施設の最上階が、コワーキングスペースになっており、街の風景を見にいくと、酒蔵の煙突が6本確認できます。
流石"酒都"と言われるだけありますね。今夜のパトロールと、明日の早朝街巡りが楽しみです。
9.夜のパトロール
ご夫婦が心温まるお食事を提供してくださる小料理屋さんで、日本酒を頂きます。愛媛ご出身の女将さんのお料理は、いつまでも食べていたくなる様な優しい味でした。
夜の酒蔵の街は、美しすぎです。
酒蔵の前から湧き出る井戸の水を汲んでいる地元の人がいたり、観光客が夜の散策をしていたり、もっと飲みたいところですが、明日もあるので我慢して部屋に戻ります。