特別企画13 伊能忠敬の背中を追いかけて
4月の晴れた水曜日の朝、午後出勤前のひと時に、伊能忠敬の背中を追いかけて、下総國佐原宿に鉄馬車で行って来ました。鉄馬車とは鉄道の事、本日は街道歩きとは少し違う記録となります。
2024.04.10
1.何故この日か
青春18きっぷという、JR全線の普通列車乗り放題の乗車券があり、12,050円払うと1日券を5回使う権利が得られます。
5人同時に使うも1人で5日間使うかも自由。使いきれずに権利が余ったきっぷは、金券ショップで売買されてます。
長男が1回分余らせてしまった青春18きっぷが家にあり、その有効期限最終日にフル活用した記録です。
本日は出勤日。
自宅の埼玉県さいたま市から勤務先の千葉県八千代市まで片道2時間10分、今日は午後からの勤務なので、始発電車に乗り千葉県の佐原を目指します。
何故佐原を選んだか、日本中を歩き地図を作った、尊敬する伊能忠敬の故郷だからです。
成田線は複雑で、本線・我孫子支線・空港と3つ路線の総称。今回は我孫子支線と本線を乗り継いで佐原に向かいます。
2.水戸街道
一度歩いた街道は、身体が本能的に風景を覚えてます。テレビの旅番組などで、道の雰囲気なグルメレポートで入った店など、見た瞬間に「あっここ歩いた」と気付きます。
水戸街道踏切。
成田線に乗り、我孫子駅を出発し間も無く通過した踏切、2年前に夫婦で水戸街道を歩いた際の視覚が蘇りました。
車内がガラガラでしたので撮影成功。
水戸街道を歩いた日のアルバムを見返したら撮影してました↓
車内からですと0.5秒くらいで通過してしまう踏切ひとつで、こんなに楽しませてくれるので、街道歩きはやめられません。
水戸街道を歩いた際の記録はこちら↓
先程の踏切の名前、浜街道踏切と書いてあります。その時は何も考えていなかったのですが、後にその道を歩くことになります。
浜街道とは陸前浜街道の略称で、茨城県水戸市から福島県岩沼市までの、太平洋沿岸部を結ぶ、水戸街道の延長線上にある街道です。
陸前浜街道。
東京電力福島第一原子力発電所周辺では、10年間近く人が歩かなかった道があり、言葉を失う風景がありました。
9日間に分けて歩いた記録はこちら↓
3.桜と新緑と新入生
桜と電車は絵になります。
桜と街道も絵になります。
四季を通じて街道沿いの風景は、それぞれの美しさがありますが、桜が一番美しいと思います。
2022年の春に、日光例幣使街道を歩いた時が、北関東エリアの桜の満開時期と重なりましたので、その時のおすすめ画像を紹介します↓
4月の毎週土曜日に歩いていたため、週を追うごとに桜が散り始め、最後は日光杉並木の中、どこに咲いていたのか、キラキラと桜吹雪が舞ってました。
日光例幣使街道を歩いた記録はこちら↓
新学期が始まったばかりなのか、駅前で不安そうな顔して、友だちと待ち合わせしている、高校一年生と思われる生徒たちがたくさんいます。
桜に新緑に新入生、いい時期ですね。
山崎屋酒店に賀茂鶴の看板が掲げられてました。
賀茂鶴は酒処広島県東広島市の銘酒。西国街道の西条四日市宿に蔵元があります。
街道の宿場町の中心地に酒蔵はよくあるのですが、西条四日市宿の酒蔵は桁違いです。
宿場の中心地に6つの酒蔵が隣り合わせで建ち、酒蔵の中に街があり街道が通っており、まるで酒蔵テーマパークの様です。
酒蔵があるという事は水が美味しい訳で、街中では各蔵元が汲み上げている、酒の仕込み水の試飲用の井戸を開放してます。
早朝に歩いた際には、地元の方が汲みに来ている光景を見る事ができました↓
西条四日市を歩いた記録はこちら↓
4.街道と柳
柳のある風景は絵になります。
街道を歩いていても、時々柳がある風景に出会うと、ついつい見惚れている時があります。
何故柳に見惚れるのでしょう。
ゆったりと枝垂れる柳が、
「風まかせでいいのです、リラックスしてくださいね」
と言ってる気がして、心を落ち着くのかもしれません。
街道で見かけた柳を紹介します↓
こうして見ると、柳は水辺に生えてますね。
5.佐原
見事な恵比寿様です。
なんでここに居るのでしょう?
佐原街道。
成田と佐原を結ぶ道、この様にして出会うのは、何かのご縁に違いないと思い込み、経験上いつの日か歩くことになると思います。
佐原の山車行事。
ユネスコ無形文化遺産に登録されてあます。大きな山車が24基並んでいる写真は壮観、見てみたいですね。
昔の鳥瞰図。
川が中心に描かれていえ、下の海の様な場所が利根川です。こうしてみると、鉄道が開通する前は、舟運が輸送の中心であった事がよくわかります。
千葉商船。
街道と川の交差点角の一等地に、舟運の名残が今も現在です。
小江戸さわら舟めぐり。
船頭さんが、9時の初便のスタンバイ中。
舟に乗りたい所ですが、お昼から仕事なので次回のお楽しみに残しておきます。
6.伊能忠敬博物館
伊能忠敬博物館。
本日の目的地、オープンの9時前から並んで一番乗り。館内は一部と特別展示以外は撮影禁止なので、マニアックな画像を紹介します。
伊能忠敬は佐原の商家で50歳過ぎまで経営をした後に、天文学などを学び測量の知識を得た後に、生涯を日本地図を作りに捧げます。
御用旗。
測量の時に使用した御用旗。
これがないと怪しまれて斬られない様に、この旗を使用していたそうです。
命懸けの仕事ですね。
伊能忠敬を満喫した後は、散りゆく桜を見ながら、鉄馬車の佐原駅に向かいます。
伊能忠敬の背中を追いかけます。
ありがとうございました!
7.成田街道
成田駅につきました。
この後に乗る京成電鉄の時間まで、少し乗換時間があるので、成田街道をブラブラ。
只今の時刻は10:46。
成田山新勝寺参道は、思っているほど混んでません。時間帯なのかもしれませんね。
成田街道の終点が成田山新勝寺。
佐倉宿から成田までを2回、全区間は1回歩いてますのでホームグランドの様な街道、新勝寺参道の坂の上からの風景は何度見ても飽きません↓
真夏に熱中症にならない様に、夫婦で工夫しながら歩いた日の記録はこちら↓
さて、お楽しみはここまで。
職場がある八千代市に向かいます。
8.富士山に沈む夕陽
午後の仕事を終えそのまま帰宅しても良かったのですが、最終18きっぷがあるので再び小旅行をする事に。
内房線・東京湾フェリー・横須賀線を乗り継いで、東京湾一周の旅をする事にします。
安房湊駅。
駅の佇まいや景色が、まるで絵本の中に迷い込んだ様でした。
乗り換えで20分くらいあったので、駅の周りを散策します。
このあてもなくブラブラする時間が大好きです。
近くに房総往還が通っているので、見に行く事に。
歩道橋があったので上から眺めて、駅に戻ろうと振り返った瞬間、あまりの絶景に立ち尽くしました。
生きてきた中で、一番綺麗な夕陽でした。房総往還を見に行こうとしなかったら出会えなかった光景、街道の神様に感謝です。
9.東京湾フェリー
最終便の船、客はまばらで50人もいなかったと思います。
船は40分で久里浜港に。
ぼ〜っとしていたら、あっという間に到着しちゃいました。
10.帰路
東京の夜景を見ていたら、現実に引き戻されました。
青春18きっぷのおかげで、長い長い1日を楽しめました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?