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アトリエを設計する #6 施工へ向けて

お久しぶりです、杉山です。

忙しさにかまけて前回からひと月も間が空いてしまいました。
自分たちのことなので後回しにしてしまいましたが、少しずつ検討は進めています。
前回のスタディである程度納得できる形状は見出せました。
今回は素材や細かい寸法調整を検討した見積もり前のほぼほぼ最終スタディモデルをご紹介します。
一度見積もりをしてみて予算をオーバーしている場合は設計を見直さなければいけないので、見積もり前に最終案となることはめったにありません。
今回予算はMAX1000万円のつもりです。
もちろん必要十分な仕様にしてもっと下げられればそれに越したことはありません。

北国の田園風景に佇む小さなアトリエ

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外観は素材感のあるマテリアル低くコンパクトなプロポーション風景に沈み込むように。内部では田園や遠方の山景に向けた大きな窓が景色と陰影をインテリアに生み出すように。広さは60㎡程度です。どうせつくるならと思い、当初より面積設定は少し広めにしています。

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そして今回は自分たちのアトリエということもあり、形状だけでなく以下のような実験的なアイディアも盛り込みたいと考えています。
・床はつくらない。基礎と土がむき出し。最初は砂利をひいて過ごしてみようと思っています。土間たたきという床のあり方がありますが、”たたく”ことすらしないという、コストダウンと実験のため。
・天井に照明はつけない。均一に室内を照明するのが実は好みじゃありません。デスクライトやフロアスタンド等、点光源をいくつか置いて陰影を積極的につくる室内照明にしようと考えています。なので、コンセントは通常より多めに設置することになりますが、照明以外にもいろいろ使えるので室内の利便性は向上するのではと考えています。これは建築と設備計画の関係を簡素化する実験です。
・日本の窓さんの木製建具。十和田に工場がある木製建具のメーカーです。木製建具はコストの問題で樹脂建具になることが多いのですが、今回はがんばって使ってみようと考えています。県産材を使用した品質の良い建具工場が地元にあるなら試してみたいと思っていました。すでに一度工場長とは打ち合わせ済みです。

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見積もり依頼のために

ちゃんとした図面はまだまだこれからですが、今回施工を依頼する予定の松田工務店の松田さんに敷地を見ていただきました。松田さんは少し変わった設計などにも真摯に取り組んでいただけ、気軽に相談できる素敵な方です。

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といった流れで少しずつ机上の夢想だったものをリアルな物にしていく作業をし始めています。

が、見積もり準備と同時に確認申請の準備をする中で、決定的な見落としがあることが発覚しました・・・。

なんと、建設予定地の地目が「農地」であることに今更気付いたのです。
「宅地」でなければ建物は建てられませんので、農地転用の手続きを行って「農地→宅地」に変更しなければいけませんが、その手続きが申請から2ヶ月はかかるとのことなのです。(十和田市農業委員会に確認済み)
建築確認申請は「宅地」への変更許可が下りた後でなければ申請できませんので、確認通知は早くても11月初旬頃になるのではという見込みです・・・。
春の時点で気づいていれば問題なかったのですが、工務店さんのスケジュールもありますので、これでは年内に完成というのは難しそうな気がしています・・・。

くよくよしていても仕方がないのでとにかく今月の受付に間に合うように農地転用の書類作成に動きます。

次回はそうした建物建設前の書類のことなどもご紹介できればと思います。
暑い日が続いていますが、この辺りでは盆を過ぎれば涼しくなってくるのが例年の気候なので、もう少しの我慢ですね。

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