見出し画像

アトリエを設計する #5 プランとボリュームスタディ

こんにちは、杉山です。

前回は「全体像のファーストイメージ」と題して、とりあえず第一案を作成してみました。
その後2週間ほどの間に何度もその案を見直しながら形が変化してきたのでその経過をご紹介します。

改善したいポイント

第一案はアイコニックな切妻屋根が特徴的な細長い平面のプランでしたが、経済性や南北の雪対策のことなど考慮し、そのアイコン性を見直したいと思うようになりました。加えて、小さな建築の中で廊下は無くしたい、締め切られた倉庫は空間利用効率が低いのでは、ということも考えました。使用人数が限られる建築であるということは、”ある場所を使っている時に、使われていない場所が多く発生する”ということが言えます。そうした余剰空間が大きくなりすぎないように調整して、使い手や風景にうまくフィットするちょうど良いサイジングとプロポーションを見つけるのが、建築のスタディのひとつ大きな目的だと考えています。

画像1

画像2

自分は結構いろんなスケールや思ったことを紙の上に重ねて描いちゃったりします。

画像3

画像4

屋根の形状をかんたんにスケッチしてみたりかんたんな模型を作って見比べてみたりします。案を進める毎に屋根の勾配が緩くなってきました。

画像5

雪国の田園風景に佇む小さなアトリエ

画像9

入り口側から、FREE SPACE、DESK WORK、MTGと三つの空間を串刺しに通過するプランに変更しました。また、倉庫はMTG室に棚を設置して収納すること、トイレは入口側に寄せることで、建物の中央が広く使えるようにしました。

当初から考えている低い軒と視野に変化を持たせる開口部は南側に残しつつ、間口4.6mほどという小スケールを活かした片流れの簡潔なボリュームにすることにしました。

画像7

画像8

画像9

今回のスタディによって”雪国の田園風景に佇む小さなアトリエ”という、使い手側と風景側のフィット感を調整した、納得のいくプランとボリューム・プロポーションになったなと感じています。
こうした基本設計段階のスタディで重要なのは、アイディアの付け足しやそぎ落としをしながら、この建築の芯になるものがどういったものか、自分でも気づかなかったことを発見し、見直しをしながらコンセプトの精度を上げていけるかどうかです。

マテリアルや躯体・設備の検討を肉付けして、次のフェーズとして一度概算の工事費を見積もりしてみたいなと考えています。ということで、次回は見積もり前の状態でイメージをご紹介できるかなと思います。

ではまた次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?