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【開かれた聖ヨハネ会を取り戻すために】第7回 ウソから出たまこと―理想の職場への助走

 私の勤めている社会福祉法人聖ヨハネ会の特別養護老人ホーム・桜町聖ヨハネホームでは2023年から24年初頭にかけて職員の大量離職が起こりましたが、法人にはその原因を認め、運営を改めていこうという姿勢が見られません。
 私たちの危機がなぜ起こり、なぜそれが放置され続けているのか、だんだん核心に近づいてきました。

 今回聖ヨハネ会が団体交渉での合意を履行しないことから、総合サポートユニオンは東京都労働委員会に不当労働行為の救済申立を行いました。
 今回はその模様の報告です。最後までお読みいただけるとありがたいです。

 これまでの経過については、以下のnoteをご覧ください。

1回 社会福祉法人聖ヨハネ会は、介護施設の利用者の命を守ってください
https://note.com/sguion/n/n9c3aa48da1e6
2回 桜町聖ヨハネホームで介護崩壊が目前に迫っています
https://note.com/sguion/n/n9242d51ab160
3回   「見せしめと隠蔽」から、「対話」に基づく開かれた聖ヨハネ会へ
https://note.com/sguion/n/n8ab8a05c10f1
4回 命と人権、民主主義を求めて市役所へ
https://note.com/sguion/n/n077b45ddc1f3
5回 どちらが本物でどちらが偽文書?ー懲戒規程と懲戒要綱―
https://note.com/sguion/n/n70675a758ad4
6回  法律や約束って守らなくていいんですか?ー対話をはばむもの
https://note.com/sguion/n/n6900112c3b3e

■約束の履行を求め、労働委員会へ

 1月の団体交渉で聖ヨハネ会は、私に対する三点の謝罪と職員への周知を約束しました。
   ところが2月の団体交渉で、竹川理事は「前回の団体交渉のときに、そういうお話だったのかもわかりませんけども、我々も戻って冷静に考えたときに、今回のこの内容というのはあくまでもSさんご自身に対する通知でありますので、それを個人的に、あくまでも個人的なこういう情報も我々の方からですね、(中略)、他の職員に伝えるということは差し控えさせていただ」くと勝手に合意を破りました。
 私には竹川さんが何を言っているのかさっぱり分かりません。約束は約束です。
    そこで私たちは合意の履行を求めて、東京都労働委員会に不当労働行為の救済申立をすることにしました。

■労働委員会と不当労働行為の救済とは

 労働委員会とは、労働組合法に基づいて国と都道府県に設置されている機関で、   公益を代表する委員(公益委員)、労働者を代表する委員(労働者委員)、使用者を代表する委員(使用者委員)の三者によって、労働者の団結を擁護し、労働関係の公正な調整を図る目的で組織されています。
    労働委員会では、法律に基づいて、労働組合と使用者との間のいざこざを簡易迅速に解決するため、労働争議の調整などを行っています。

   私たちは今回、東京都労働委員会に対して、不当労働行為の救済申立を行いました。
   不当労働行為とは、労働組合の権利を保障するために労働組合法第7条が禁止している行為で、使用者が団体交渉を拒否したり、組合活動を理由として労働者に不利益な取り扱いをすることなどのことをいいます(詳しくこちら)。
 不当労働行為救済申立で私たちは、団体交渉での合意事項を一方的に反故にしたことが不当労働行為であるとして、法人が権利回復のために施設の職員全員が見やすい場所に権利侵害への謝罪文を掲示すること、団交での約束を履行すること、労働委員会から命令するよう求めました。不当労働行為を証明するために、これまでの経緯を文書にまとめ、証拠とともに労働委員会へ提出しました。
    この文書は相手方である法人にも送られ、法人側も反論として答弁書を提出します。
   その後双方が参加する審問の場で、口頭での質疑が行われるという流れです。
   簡易な裁判みたいなものというと、イメージがつき易いでしょうか。

■いざ審問ヘ

    東京都労働委員会の審問が4月25日に行われました。
    私たちは前日までに聖ヨハネ会側の答弁書を読み込み、さらに反論の文書を作成しました。
   法人側の答弁書は弁護士が作成したようでしたが、そこには多くの誤りがありました。
   特に問題だったのが、私の出勤停止処分について掲示していないから、謝罪をわざわざ職員に周知する必要はない、という法人側の主張です。
   実は法人側は職員玄関脇の、出退勤ボードという職員すべてが目にする所に、私の出勤停止処分通知を貼り出していました。
   しかもあて名に「職員各位」とわざわざ書き出して。
    それは明らかに当時職員代表だった私の信用を貶める目的で掲示されたもので、私をひどく侮辱するものでした。
(おそらく私を退職に追い込むつもりだったのでしょうが、辞めたのは私でなく、他の職員でした。こんな物騒なところにはいられないと、この後大量離職が加速しました)

    会場である都庁のツインタワーはドラ〇エのダンジョンみたいで、町を歩く住人から情報を集めながら、委員会事務局をさがし歩きました。ついに37階まで来たと思って、そこで時間までゆっくりしていると、委員会は反対側のタワーだそうで。ルーラの呪文を唱えたい……

■待てども呼ばれない

   委員会の審問には何とか間に合い、まず申立人である私たちユニオン側が審問室に入り、労働委員会委員(公益委員・使用者委員・労働者委員)に対して、申立の内容を簡潔に伝えました。
   そのとき法人が労働委員会への申立を理由に、団体交渉を拒否していることもあわせて伝えています。

   審問では申立側と相手側は質疑が終わると退席して、別々に質疑が行われます。
   私たちに対する質疑の時間は5分程度だったので、法人側の質疑もそのくらいですぐ呼び出されるかなあと思っていたら、いくら待てども呼び出しがない。
   何が起こっているのか不審に思っていると、途中で労働者委員がやって来て、何が起こっていたか教えてくれました。
   どうやら法人の竹川業務執行理事は私の処分通知を貼り出していたことを、自分の代理人弁護士に伝えていなかったらしいのです。それで答弁書に誤った事実が書かれてしまった、と。
 さらにこの日用意してきた証拠の中には、私の処分通知が玄関脇に貼り出されているカラー写真がありました。今度はその証拠写真についての話が続いたようです。
 結局私たちの質疑は10分にも満たなかったのに、法人側の質疑に1時間くらいかかっていました。

   結局これだけ人権を侵害するような掲示を行ってしまった以上、職員への周知はやらざるを得ないだろうとの見通しになり、法人が真っ当な運営を行えるような和解案を作成してはどうかとの提案が労働委員会から出されました。
   法人運営の正常化こそが私たちの求めるものですので、和解案作成について私たちも同意しました。

 ■法人ハラスメント委員会へ竹川氏の行為を申し立てる

    どのような和解案かは労働委員会や法人側弁護士との話し合いの最中であり、信義則に則り今回は書けませんが、ホーム、そして聖ヨハネ会が今までと異なり、真っ当な運営ができるようなものになるよう、私たちからも強く働きかけていきたいと考えています。

   同日私は聖ヨハネ会のハラスメント委員会に対し、竹川氏他1名のハラスメント行為について苦情を申し立て、ハラスメント委員会の開催を求めました。
   聖ヨハネ会全体に社会福祉法人がもつべきガバナンスが失われ「やってる感」しかない現在、法人の独裁者のハラスメントを公正に審議できるか、強い疑念をもっています。
    その不安を裏打ちするように申立書、証拠を送ったにもかかわらず、事務局からは受け取ったとの返事すらありませんでした。私は改めて文書を送り、法人ハラスメント委員会に対して、ルールに則った運営が行われるよう求めています。

    聖ヨハネ会が職員の人権や労働環境を守り、社会に開かれた法人になるためには、社会のまなざしが必要です。
   どうぞこれからも聖ヨハネ会と私たちの活動にご注目ください。

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