【報告書】東映株式会社よりセクハラの認定と謝罪を受けました

東映株式会社元AP(以下、私)がセクハラ・パワハラ・未払い賃金・過重労働を受けていた件について、第三者によるセクハラ調査の結果が出ました。
2022年12月26日、調査報告の連絡書が届き、概ね事実が認められ、文面上で謝罪を頂きました。

約1年半続いた労働争議において、はじめて文面で謝罪の言葉が出たことにホッとしております。しかし、謝罪・補償・再発防止に関しては不十分なため、引き続き対話を重ねていきます。

ヒアリングにて問題があると話した人物たち


※詳しくは以下のnoteにて

フリーランスのスタッフA(録音担当)…手を握る、LINE
フリーランスのスタッフB(助監督)…指導に見せかけた密着
東映社員C(テレビ企画制作部)…セクハラを相談したときに「モテてよかったね」などと発言
東映社員D・E(監査部)…セクハラ相談第三者窓口のはずが、なぜか担当。「業界は変わらない」など発言
東映社員F(人事部)…セクハラ防止の貼り紙を作る際、加害者側に立った文章を作成

調査により問題があると認めてもらったこと

・フリーランスのスタッフA(録音担当)がLINEやショートメッセージを送付し、飲食に誘い、「会いたい」と告げるなどした
・フリーランスのスタッフA(録音担当)が撮影中、私が手袋をつけているのを見て「寒いね。こんなぶかぶかの手袋だと温まらないでしょ」と言いながら、私の手袋の上から指先の布の部分をちょいちょいと触り、その後に手袋の上から、私の手の甲を手の平で上から包み込むように、指と指の間に指をかけて、ぎゅっと手を握った
・フリーランスのスタッフB(助監督)が、ロケバスを待ってる私に対して「彼氏はいるか」と聞くなどした
・フリーランスのスタッフB(助監督)が、私の肩をポンと触った
・東映社員C(テレビ企画制作部)が、私からハラスメントを受けたとの相談を受けた際の対応が不適切または不十分であった
・東映社員D・E(監査部)が、セクハラに対するヒアリングをする際に、刑事事件になるかどうかを問題視し、又はフリーランスの対応が難しいなどの理由を述べて、我慢するべきという趣旨の発言をした
・東映社員D・E(監査部)が、セクハラに対するヒアリングをする際に、私の意向を真摯に確認せず、調査を開始することもなく、適切な措置を講じなかった
・東映社員F(人事労政部)が、注意喚起書の掲示を行うにあたり、私の同意を得ずに掲示しなかった
 
それ以外の事項は、事実自体の認定ができないか、または事実として認定できても、性的な意図に基づくものと評価できず、もしくは業務上必要かつ相当範囲を超えたものと評価できないため、ハラスメントに該当しないと判断されました。

調査結果を受けて東映が約束した対応

・フリーランスのスタッフA・Bに厳重抗議した
・フリーランスのスタッフA・Bとの契約関係は現時点にないが、今後業務委託契約する場合はハラスメント防止の教育プログラムを受けさせる予定
・フリーランスのスタッフA(録音担当)に私の連絡先やこれまでのやり取りの削除、他の女性従業員への携帯電話・メール・SNSアカウントの削除を命じた
・東映社員C(テレビ企画制作部)にハラスメントの相談を受けた際の対応が不十分であったことへの厳重注意した
・東映社員C(テレビ企画制作部)に近日中にハラスメント防止の教育プログラムを受けさせる予定

なお、セクハラの再犯防止に関しては、2022年2月1日付でハラスメントの防止規定を見直し、「リスペクトトレーニング」を導入しているため、すでにハラスメント防止として十分であるという見解を示しました。

東映の対応が不十分だと思うこと

・フリーランスのスタッフA・Bに対して契約関係を「今後3年禁止」など期間を設けてほしい
・東映社員C(テレビ企画制作部)に対する制裁が「厳重注意」であるが、就業規則に則った懲戒を希望する
・東映社員D・E・F(監査部&人事部)への処分がないことが不十分に思う
また、ハラスメント防止規定改善案では不十分であり、見直しを求めます。

現在の東映の規定は、ハラスメントを受けた社員は東映社員に相談しなければならず、事実確認・協議に渡っても社員が行うというものです。
本件は東映社員D・E(監査部)がセクハラ対応をしたことにより杜撰な対応となったのであるから、ハラスメント対策には第三者に委託してほしいと考えます。

調査を通して

セクハラについて最初に東映の相談窓口に相談したのは、2020年1月のことでした。そして、ユニオンを通じてセクハラの問題について会社に伝えたのは2021年9月のことでした。最初の相談から約3年、ユニオンでの申し入れから約1年半が経ちました。
そのため、セクハラ認定に対しては、やっと、認めてもらえたという気持ちがあります。
 
事実認定はある程度満足がいく内容でしたが、謝罪・補償・再発防止については不十分でした。
私はこの結果を見て、東映の「第三者に言われた事実認定は言い逃れができないから謝罪するけど、処分・謝罪・金銭補償・再発防止はなあなあにしたい」という態度が透けて見えると思っています。名実ともに、心からの謝罪と、変化を求めます。

また、加害者の一人は、note告発以後も、多くの人が見られる媒体において働き方改革の自論を述べ、「APは休みがないのが当然」などのカウンターとも思える趣旨の発言をしていました。反省の色があるのかも甚だ疑問に感じます。

東映は心からの謝罪をし、再発防止に向けて対応してほしいです。

(総合サポートユニオンからお知らせ)マスコミ・映画・映像制作業界で働く労働者向けのセクハラ対策セミナー開催

東映に限らず、映画・映像制作業界では、セクハラ・パワハラや長時間労働等の労働問題が後を絶ちません。
そこで、総合サポートユニオンは、3月18日(日)14時〜、「マスコミ・映画・映像制作業界で働く労働者向けのセクハラ対策セミナー」を開催することにしました。

日時:3月18日(日)14時〜16時
講師:伊藤安奈弁護士(旬報法律事務所)、青木耕太郎(総合サポートユニオン共同代表)
開催方法:ZOOM開催(URLは申し込みいただいた方にお知らせします)
内容・プログラム:
14時~ 開会の挨拶
14時5分~14時50分 職場のセクハラに関する法的解説、権利行使の方法(伊藤安奈弁護士)
14時50分~15時10分 労組で解決した事例紹介と闘い方(青木耕太郎)
15時10分~15時15分 休憩
15時15分~16時 質疑応答・ワークショップ

申し込みは以下のGoogleフォームからお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScFNs6l1aTGLie2kgvQFCicFPUPtzd9qOVz9bvX14fEhE15Cg/viewform?usp=sf_link

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