【凸版印刷】株主総会での街宣後、労災の上積補償を勝ち取りました。
私は凸版印刷で働く子育て中の母親です。総合サポートユニオンに加入し、昨年12月以来、団体交渉を続けています。
主な議題は、一昨年に労基署から労災認定を受けた精神疾患について、会社でも労災として扱うことです。
労災認定についてはすでに多くのメディアが報道していますので、お読みください。
「「凸版印刷」で精神疾患の労災認定 「残業したから懲戒」という不可解な論理」(今野晴貴Yahoo個人ニュース)
フレックス制不適用で労災 凸版女性社員、差別と認定(2023年03月06日共同通信)
差別待遇「むなしさ残る」 労災認定の凸版女性社員(2023年03月07日共同通信)
■凸版印刷の株主総会で、精神疾患の労災について責任を認めるよう宣伝をしました!
6月29日(木)には、復職が後約1年間、労働災害を認めない会社に対し、凸版印刷の定期株主総会の会場の外で、街宣行動をしてまいりました。今回は、先日の行動で私たちが街宣した内容についてお伝えいたします。
【6月29日株主総会街宣スピーチ全文】
凸版印刷の株主総会にご参加の皆様、私たち総合サポートユニオンは、いろいろな会社で働く人の労働組合です。私は、現在、凸版印刷の本社人事労政本部で働いております。2人の子を育てながら働く母親で、二人目の子は小学校1年生で視覚に重い障害があり特別支援学校に通っております。私は子育てのために希望したフレックスタイム制度を希望しましたが、適用を認めてもらえず、不当な懲戒処分の対象とされたことで重度ストレス障害と適応障害で休職をしました。このことが後に労働基準監督署より、「仕事上の差別、不利益取り扱い」で労働災害と認定されました。
労働基準監督から労災認定された私の精神疾患について、凸版印刷は就業規則上の業務上の災害とは認めず、私傷病扱いとされ今も不利益を被っており、現在も凸版印刷と労働争議をしております。私たちが求めるのは、この私の精神疾患について凸版印刷が労災として扱い、その原因をつくった責任を認めさせることです。私たちの争議は、メディアでも大きく取り上げられ、広く社会の知るところになっています。ぜひ株主総会で解決するよう経営陣に求めていただきたく宣伝活動をおこなっています。
今日は株主総会に参加の皆様にお願いがあってまいりました。ご承知のとおり、SDGsやESGなど、企業は労働者の人権に配慮した持続可能な働き方を実現することが強く求められています。
今、私に起きていることは、国から認定された労災を凸版印刷としては労災として扱わないという普通では考えられない人権侵害です。これを放置するなら、凸版印刷は国際社会から取り残されてしまいます。
凸版印刷は当たり前のことを当たり前に解決して下さい。株主総会でぜひこの問題を取り上げていただき、懲罰委員会の委員でもある現役員に質問をしてすぐに解決を求めて下さい。
昨年4月、中央労働基準監督署は、私の重度ストレス反応および適応障害を労災として認定しました。労基署によれば労災が判断された理由は、厚労省が精神疾患の労災認定の基準と定めている項目のうち、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」、「2週間以上にわたって連続勤務を行った」、「仕事上の差別不利益扱いを受けた」に該当する出来事があったからといいます。これらの理由による労災認定は珍しいことです。このうち「仕事上の差別不利益扱いを受けた」にあたる出来事とされたのは、視覚障害の子を育てながら働く私にスマートワークというフレックス勤務を適用しなかったことと、私が勤怠記録をつけずに残業をしたことなどに対する懲戒処分です。労災認定の事実は、全国の様々なメディアにも取り上げられました。
労働基準監督署が私の精神疾患を労働災害と認定し、その事実や理由を凸版印刷に説明しているにもかかわらず、現在でも凸版印刷はこの疾患を業務上の疾病とは認めず、私傷病扱いの欠勤としており、評価は一番下の評価、休んでいた期間の年金は減らされ労働条件や処遇にも影響が出ています。誰一人取り残さないSDGsの精神に背き、凸版印刷で働く私はひとり取り残されております。
不可解なことに、労災認定された精神疾患を業務上の疾病として認めたケースは、凸版印刷には過去10年1人も前例がなく、認定の手続きも決まっていないというのです。凸版印刷では、精神疾患になった従業員の労災に対する明文化されたルールがなく、被害者が恣意的な対応を受けてしまうリスクがあるということです。日本を代表する大企業の労務管理がこれで良いのでしょうか。
私たち総合サポートユニオンは労働基準監督署からの指摘を受け、私に対する懲罰がどのような過程を経て行われたのか明らかにして、交渉の場で検証するよう求めていますが、凸版印刷は資料の提出をしっかり行わないまま、懲戒は正当であるという主張を続けるばかりで、凸版印刷はろくに記録していませんでした。7月3日には、第7回目の団体交渉が行われます。今後の展開についても、総合サポートユニオンのSNSで公開を予定しております。
株主総会にご参加の皆様、今回の問題は厚労省が労災認定したとおり、凸版印刷が私の精神疾患について業務を原因とする災害として受け入れ、責任を認めるという当たり前の対応をしさえすれば、解決する問題です。株主総会でこの紛争の解決を求めていただけないでしょうか。昨今、企業はESGやSDGsなど人権に配慮した経営が求められており、この問題は早期に解決すべきです。
■業務上災害時上積補償を支払うも、労災として認めない凸版印刷
計248日の休業に対して支払われた上積補償39,235円。安すぎます!!
7月25日に、団体交渉の会社側の代表の労政部より、1通の文書が私の会社のメールに送られてきました。それは、労災保険で支払われた休業補償との差額分を会社が支払うというもので、計248日休業し、合計で39,235円が支払われることとなりました。
あまりの金額の安さに、これでは全く補償になっていないと各方面からご意見をいただいております。
社内の人間からは、「うちの会社だから想定通りだよ。ホント、払わないよね」と、会社のとにかく払わない体質に啞然としてました。
私は精神疾患での休業ですが、怪我をしての労災などで休業する人もいます。凸版印刷の労災の上積み補償の計算方法では、休業の補償にはなるような金額ではありません。私傷病にすれば、会社の補償はあるのにおかしいと思います。
■計7回の団体交渉を繰り返し、会社の不誠実な対応は変わらず、労政部長は伝書鳩
7月3日に実施された第7回目の団体交渉で、私たちは常に弁護士ばかりが話している交渉の場に問題を呈し、会社の代表で参加しているメンバーが話すように強く促しました。しかしながら、会社の代表である労政部長はいつもその場では即答できるよう裁量を与えられておらず、持ち帰って次回回答というような人事労政本部の労政の責任者とは思えない対応を繰り返しております。オンラインで参加の組合員も痺れをきらし、次回の団交には判断ができる責任者を出すように強く抗議をしました。次回8月1日に開催される第8回の団体交渉で、凸版印刷という会社の姿勢が明らかになることと思います。
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