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#13 調査PRのパターン(機会+脅威訴求①|定義、あるある)

こんにちは。
シグナルリサーチの木須です。

今回も覗いていただき、ありがとうございます。

前回の記事では、「調査PRのパターン(機会+脅威訴求①|後悔と提唱、相関関係)」ということで、インターネット調査以外の調査手法を整理しました。

今回は、調査PRのパターンに戻って「調査PRのパターン(機会+脅威訴求②|定義、あるある)」ということで、事例をもとに書きたいと思います。


定義


1つ目は「定義」です。
定義とは、抽象的・曖昧な物事や言葉を生活者の総意から定義することで、意外性や納得感を持たせて自分ゴト化させる手法
です。

例えば、「『ドタキャン』は何日前のキャンセルがドタキャンだと思われるのか」を調べて興味関心を惹くようなことができます。
(ちなみに、Jタウン研究所の調査によると、ドタキャンとは「1日前」のキャンセルを指すと思う人が最も多いそうです。)

#4で紹介した「境界線」と近しい調査パターンで、生活者・メディアの関心を惹きやすい情報にすることができるのが特徴です。

「単一定義」「複数定義」の2パターンがあります。

▼単一定義|男性たちのバレンタイン心理調査(セブン&アイ・ホールディングス)

一つの物事について定義する「単一定義」の事例です。

バレンタインの時期に合わせて、チョコを貰いたい時間や貰ったことのある時間などのバレンタインの男性心理を調査した事例です。

チョコを貰いたい時間帯を細かい分数(ふんすう)まで算出すると、平均で「12時08分」ということが分かりました。

チョコをもらいたい時間

「なぜこの時間なのか」という理由をフリーアンサーで聴取し、インフォグラフィックスの中に反映しているところもポイントで、それにより、このインフォグラフィック1枚で情報を完結させ、理解しやすくしています。

▼複数定義|マイナンバーカードに関する調査(DNPフォトイメージングジャパン)

2つ以上の物事について定義する「複数定義」の事例です。

マイナンバーカードを発行することによって国から付与されるマイナポイントのキャンペーンが行われていたことを背景に、「ポイント」に関する調査を行なった事例です。

ポイントを賢く貯めている"ポイント賢者"と、賢く貯められていない"ポイント凡人"の定義を調査したところ、月に貯めているポイントが2,000ポイント以上の人が"ポイント賢者"で、月に貯めるポイントが100ポイント未満の人が"ポイント凡人"ということが判明しました。

ポイント賢者とポイント凡人の定義

"ポイント賢者""ポイント凡人"という新しいワードを作り、その定義を調査で明らかにすることにより、読み手に「自分は賢者なのだろうか?」「普段ポイントは意識していないから凡人だろうな」などのように自分ゴト化させる情報にすることができます。

あるある


2つ目は「あるある」です。
あるあるとは、傾向やタイプを明らかにすることで、共感性を持たせて自分ゴト化を促す手法です。

「あるある」は、共感性の高さからSNSでのバズを狙いやすいのが特徴です。調査設計時に念入りに生活者のインサイトを下調べしてから臨むことが共感性を高めるために重要になります。

「タイプ別あるある」「共感あるある」の2パターンがあります。

▼タイプ別あるある|睡眠に関する調査(錦之堂インターナショナル)

「タイプ別あるある」の事例です。

寝具の会社で、パートナーの有無によって睡眠事情にどのような差があるのかを調査しています。

カップル・夫婦の寝姿勢について調査したところ、最も多いのが「互いに反対になって寝る」(下記図の⑥)、次いで「背中を触れ合いながら寝る」
(下記図の⑦)のような結果になりました。

寝姿勢のタイプ

「自分はどのタイプだろう?」と思わせることで自分ゴト化を生み、その情報が共感性の高いものであればあるほど、話題化にも繋がりやすくなります。

▼共感あるある|ふしぎなナース文化に関する調査(クラシコ)

「共感あるある」の事例です。

看護師に対して「働く病院で、疑問や不満に思っているルール・慣習」について聞き、「ふしぎなナース文化」を抽出しています。

抽出した結果、下記の図のようなルール・慣習があることがわかりました。

ナース文化

看護師業界という枠の中ではありますが、「確かにこれあるよね!」と共感を生むことで業界内で話題化させることができ、さらにそれを見た生活者も「何でそんなルールがあるの?」と興味を持ち、社会全体で話題化させることができます。

最後に


以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回は「調査PRのパターン(機会+脅威訴求②|定義、あるある)」というテーマで整理しました。

今回の記事を以って、全ての調査PRのパターンを整理できました。
まだ発見できていないパターンもあるとは思いますが、ベクトルで数々のPR案件に関わる中で見つけたものがこのnoteに詰まっています。

調査PRの利用価値を認識していただき、調査PRで世の中を動かす人が増えることを願って更新してきたので、その願いが叶うことを期待しています。


最終回のような書きぶりになってしまいましたが、
次回は上記の想いをもとに「調査PRを売れるシチュエーション①」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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