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04 嵐の前、スイーツの花束を

思ったより楽勝じゃない?

マッチングアプリを始めたとき、しがない は単純にそう思った。
そもそも、結婚を考えているわけではないし、私は私の好きなことをしたい。ヲタク生活や一人の時間を今のまま充実させたい。そこに、たまに空いた時間に一緒に過ごせる彼氏がいれば THE 理想。

だから、結婚は考えなくてもいいし、年収や家族構成などはどうでもいい。雑多に言ってしまえば、タイプの顔で自分より身長の少し高い人とマッチすれさえすればもうお付き合いまで一直線!

彼氏を作るまでのフローを考えてみたら、
①マッチングして
②会って
③良かったら付き合う
簡単3ステップ。プロアクティブもビックリ!

「正直、1か月もあれば十分。だって、こんなにいいね来てるし。この中から好きな顔選べばいいんでしょ?すごいツールだなー。マッチングアプリって。」

しがない は世間でいうところのデブスの部類に入る。
身長160cm、体重80キロ弱。なかなかのデブである。おまけに一重のブス。もちろん二重顎。デパコスもカバーしきれないお手上げのブスである。好きなものはもちろん『食べ放題』、シュラスコでは常に緑表示でイチボを延々とむさぼり食べている。

「マッチングアプリというツールは、デブスもデブス、しかも30代半で婚期を逃しすぎているBBAにも、こんなにいいねが来るのか・・・すごい・・・!」

もちろん、写真は少し痩せてみえるものを使っていたけど、プロフィールには「ぽっちゃりです」と書いていた。自称ぽっちゃり。察してほしい気持ちでいっぱいである。

中高の同級生でアプリ婚を成し遂げた男友達に添削をしてもらったプロフィールも功を奏して、登録2週間でいいねが300を超えた。


「私、まだまだいけるじゃん♪ もうすぐ彼氏持ちだわ♪」


マッチングアプリの甘い洗礼は、この後、この有頂天のしがないOLを地の底に叩きつけることになるとは、このとき1mmも思う余地もなかった。

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