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だいじょうぶ、眠れている

突然入り込んだ訃報。情報がなさすぎて嘘のような気もする。話したことはあまりなかった、挨拶とコーヒーいれるくらい。でもたしかにそこにいた。facebookには祈りの声、その後に何も知らない人が誕生日おめでとうと書いている。ほんとうは生きているんじゃないか、そう思うけどきっともういない。会わないのといないのはほんとうにわずかな差なのかなと思う。時間は止まらない。

3年前にわたしと同じタイミングで会社を辞めた上司がいた。定年より早かったけど、病気がよくならないからねと給湯室でこっそり言われた。
その数ヶ月後に亡くなったときいた。彼のお願いはだいたいいつも突拍子もなく、そして無茶なことが多かった。普段は穏やかな人だけど、なにか少しのきっかけでその笑顔が消えるというのを聞いて、いつもすこし怯えていた気がする。辞める時に荷物整理をしていて、もううちにも置き場がないからと色んなものをもらった。ハーフサイズのカメラ。電源が入るのを確かめてから、まだフィルムを装填していない。コロナを理由に辞めた職場の人に会うのがいやで、お花だけ送った。

火曜日、人身事故。大寒波とは関係ない遅延。雪は朝降ってた。会社に電話して、どうにかしたら行けるけど、もうどうしたくもなくて駅前のカフェでコーヒー飲んでた。40分くらいで店内の混み方が変わったから駅に行ったらちょうどきてた電車に乗れて、1時間遅刻した。冷静に1時間の遅延ってなんだよ、と思ったけど会社の人は誰も何も言わなかった。帰りも人身事故だった。

先週末にご飯食べた友達が体調くずしたって電話してきて、この人いつも電話で言ってくるけど文字に残すと誰かに追われちゃうのかなーって思いながらお大事にね、と返した。体調崩すと肝が冷える。わたしはこの3年ほんとうにとても元気で、熱も出てないし、咳も出ない。あれほどすぐに出なくなっていた声はよく眠っているからか調子がいい。

木曜日、好きな友達と大喧嘩して、もう終わりだから会うのはやめようと言われた夢を見た。今思い出しても悲しくて、あんなに冷たい声は聞いたことがなかった。そのあとに仕事で請求書を作っている途中、急に刺すような腹痛で目が覚めた。生理前だからと食べすぎたからか、コーヒーを5杯飲んだからか、それとも別の何かなのかわからないけど、時間は5時で、まだ寝る前にかけた電話がつながっていた。

このひとは、わたしがすきなてかてかのドーナツを一緒に食べてくれる、1つを半分にして違う味を食べさせてくれる。それだけで木曜日の夜はしあわせになるね。もしかしてそれがあなたのわたしへの愛なのかな。ありがとう。

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