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バック・キャスティングとフォア・キャスティング
目的・目標を設定するための2つの「やり方」があります。
真逆の考え方をします。
①バック・キャスティング(Back Casting)
先に「理想の未来の姿」を描き、未来の姿から「今何をすべきなのか」を構築する。
②フォア・キャスティング(Fore Casting)
過去の実績やデータを基にして現実的に実現可能なものを積み上げ、未来の目標に近づけるために「何をすべきなのか」を構築する。
どちらが優れているということではなく、組み合わせて使うことが重要です。
(どちらにも「メリット」と「デメリット」が存在します。)
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①バック・キャスティング(Back Casting)
「抜本的な改革を促す」
→新しいコンフォートゾーン(快適ゾーン・安全領域)を設定する
SDGsは「バック・キャスティング」により作成されました。
いったん、「現在の」コンフォートゾーン(快適ゾーン・安全領域)から外へ出て、新しいコンフォートゾーンを創造します。
2030年に実現したい状態を定義
「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現
↓実現不可能となってしまわないように、17個の細分化された目標を設定
バック・キャスティングの「メリット」(ストロングポイント)
壮大で明確な正解が存在しないテーマの解決について適している
過去の実績にとらわれない自由な発想が可能
長期的目標達成に対する広い視野が育つ
バック・キャスティングの「デメリット」(ウィークポイント)
短期的な課題を逆算して考えるとかえって効率が悪くなる(短期的な課題解決には不向き)
成功率の低下や失敗リスクの増加が起こりやすくなる
「理想の未来の姿」のイメージを共有・意識しないと大きく方向性がズレる
②フォア・キャスティング(Fore Casting)
「できるところから行う」
→現在のコンフォートゾーン(快適ゾーン・安全領域)を拡張する
「売上を前年比10%アップする」「顧客層に女性が多いため、女性向けの商品を開発する」など、過去や現在の実績やデータから未来を導き出す方法です。
フォア・キャスティングの「メリット」(ストロングポイント)
現状の課題に氣づきやすく、改善に取り組みやすい
実現性が高い
短期的な課題解決に向いている
フォア・キャスティングの「デメリット」(ウィークポイント)
現状で分析できる範囲の改善しか行えないため、大きな目標を設定するのには不向き
革新的なアイディアが出にくい
大きな変化には対応しづらい
それぞれ、上記の特徴を持ちますので・・・
どちらが優れているということではなく、組み合わせて使うことが重要です。
バック・キャスティングの手順
組み合わせて使うためには、手順を知る必要があります。
「バック・キャスティング」の手順(概要)は次のとおりです。
Step1:未来のあるべき姿(理想)を設定
まずは「どのような姿になっているのが理想か」を設定します。
個人では「志」、組織では「理念」です。
過去の実績や現状を一切氣にせず、できるだけ具体的な未来像を設定します。
イメージできるようになる、ということが大切であり、言葉の解釈はひとりひとり違いますので、組織で行う際には「具体的な未来像」がイメージできるかどうかが大切になります。
また、未来のあるべき姿(理想)を設定して終わりではなく「始まり」です。
常に意識できるように文言化することや組織の場合はトップダウンで決めるのではなく構成員も巻き込むことが大切になります。
Step2:課題の洗い出し
「Step1」で出てきた「未来のあるべき姿(理想)」は、ぶっちゃけ「現実離れしている」ことがあります。
次に、「課題を洗い出す」ことが必要になります。
「課題を洗い出す」ということは、「現状と未来のあるべき姿とのギャップ」を明確化することと同義です。
未来の姿になるためには何が足りないのか(何があれば未来の姿になれるのか)
できる限り多面的な視点から見られるように、多くの人の意見を取り入れることも必要になります。
Step3:目標設定
「Step2」で出てきた「課題」を解決するための、「目標(アクション)設定」を行います。
いつまでに
何をして
どのような成果を出すか
誰が行うか(役割分担→組織やチームの場合)
を行います。
Step4:確認する
「Step3」で設定した目標を、時系列にまとめます。
時系列にまとめることで、足りていないアクションを確認できます。
Step5:実践・検証・改善
「Step3」で確認したら、実践します。
定期的に検証を行うことで、改善策を見出していきます。
ここで「フォア・キャスティング」との組み合わせが可能になります。
また・・・
忘れていけないことがあります。
設定した「未来のあるべき姿(理想)」とのズレが生じていないか
ということです。
実践・検証・改善は、あくまでも「未来のあるべき姿(理想)」を実現するために行っているのであり、「目標を達成することが目的」ではありません。
理想の未来はどのようになっているのかは誰にもわかりません。
未来は創り出す
理想の未来と向き合う
=課題と向き合う
ことが大切になります。
新しいコンフォートゾーン(快適ゾーン・安全領域)を設定するのですから、当然、生じたことのない課題や問題が出てきます。
生じたことのない課題や問題が出てきた際に、どのように取り組むのかにより、可能性が拡がるのだと感じます。
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