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ゲームブック ミニ㎇集

Sゲームブッカー


9パラグラフゲームブックが10あります。筆記用具、サイコロなどは必要ありません。


異世界にて


【1】

 気づくと君は異世界っぽい道の真ん中に佇んでいた。辺りは薄暗く、どこかの町らしきことはわかる。

人を探す 2へ

 帰る方法を探す 3へ

【2】

 誰でもいい。自分以外の人間がいることを確かめたかった。

 辺りを見回すと、背後に警察官らしきおっさんが立っていた。おっさんは無言で君を見つめている。

話しかけてみる 4へ

 危険を感じて逃げ出す 5へ

【3】

 ふと足元を見るとぽっかりと黒い穴が開いているのに気がついた。

入ってみる 6へ

 やはり人を探す 2へ

【4】

「元の世界に帰りたいんです」

 君はすがるように言う。

「ならば目を閉じよ」

 おっさんは表情を変えずにそう言った。

閉じる 7へ

 あんたが閉じよ 8へ

【5】

「待て!」

 背後でおっさんの声がした。だが、それでも逃げた。逃げていく君におっさんは他に何も言わなかった。

9へ

【6】

 君は黒い穴に入った。穴には底があるようでなかったようだ! 君は下へと落ちていく!

 やがてどこかへゆっくりと着地したのがわかった。

1へ

【7】

 目を閉じるとおっさんが額に触れてきた。おっさんの指はやや冷たい。

 ……君はベッドの上で目が覚めた。見慣れた天井の模様を見て、君は元の世界に戻れたことを確信した。あのおっさんは巷で話題の「時空のおっさん」だったのかもしれない、君はふとそう思うのだった。

END

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【8】

 おっさんが伏し目がちに目を閉じた瞬間、目の前ですーっと消えてしまった! 君は恐ろしくなってその場を逃げ出す。

9へ

【9】

「はぁはぁ……」

 気づくと君は異世界の無限大の道に入り込んでしまっていた! もう元の世界には戻れない……

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エレベーターの怪


【1】

 君はエレベーターで6階の職場へ向かっていた。すると、エレベーターが5階を過ぎたところで突然止まってしまった! ドアがゆっくりと開く。どこかの階に止まったようだ。

出てみる 2へ

 6階のボタンを押す 3へ

【2】

 見知らぬ階。何やら空気がねっとりしているような気がする。

「ここは6階か?」

 どうも違うようだ。6階職場の入り口はエレベーターを出て正面にある。この階にはそれがなく、廊下が左右に続いている。廊下の先は濃い霧のようなもので先の方が見えない。

右の廊下を進む 8へ

左の廊下を進む 5へ

 エレベーターに戻る 3へ

【3】

 6階のボタンを押す。

「ガガガッ」

 ドアが開いたまま少しだけ上昇してまた止まった。やはり外に出よう。

2へ

【4】

 前から君にそっくりな男が歩いてくる!

「ドッペルゲンガーか!?」

 男はやや顔がやつれており、君のと同じに見えるスーツを着ているが、ネクタイはしていない。

横をすり抜ける 7へ

 逃げる 8へ

【5】

 すぐに廊下は右に折れる。霧の向こうからひたひたと裸足で歩いてくるような足音が聞こえてくる。

先へ進む 4へ

 引き返す 8へ

【6】

「ビビビッ」

 激しく感電した! どうやらドアに電流が流れていたらしい。君はドアにもたれかかったまま絶命した……

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【7】

 その瞬間だ。

「ドアのパラグラフに1を足せ! 頼んだぞ!」

 男は強く言う。振り返ると、男は霧の中に消えていく。

8へ

【8】

 奇妙な色をしたドアに突き当たる。こんなもの6階にはない。やはりどこか違う階に止まったのだ。ドアを開けてみようと思うが、ノブがどこにも見当たらない。

体当たりする 6へ

 引き返す 5へ

【9】

 よく見ると引き戸だ。開けるとそこは職場だった! 振り返ると、そこにはいつも見慣れた廊下が続いていた……。

 その日一日、君は不思議な感覚に包まれていて、仕事が手につかなかった。

END

寒い


【1】

 寒い、何でこんなに寒いんだ! 俺は少し怒っている。

お湯を飲む 2へ

 風呂に入る 3へ

【2】

 体の内側からポカポカと温まってきた。だが、両手の指先がまだ冷たい。

またお湯を飲む 4へ

 妹のお腹で温める 5へ

【3】

 風呂から上がってしばらくすると、また寒くなってきた。

1へ

【4】

 飲み過ぎてお腹がたぷんたぷんだ。

さらにお湯を飲む 7へ

 やはり妹のお腹で温める 5へ

【5】

 君は何も言わずに妹の服の中に両手を入れようとする。

「変態お兄ちゃん!」

 頬を引っ叩かれたが、頬がだんだん温かくなってきた君は微笑む。

さらに妹のお腹で温める 9へ

 一緒に風呂入ろうぜ 9へ

【6】

 この寒さ、どうにかしたい。

お湯を飲む 2へ

 風呂に入る 3へ

【7】

 寒さで尿意を感じ、トイレに駆け込む。

寒いのを諦める 8へ

 諦めない 6へ

【8】

 そう、地球の寒さは一人の人間がどう足掻いてもどうにもならないのだ。君は諦めが肝心という言葉を脳裏に浮かばせていた。

END

【9】

 妹に警察を呼ばれ、俺はさらに寒さの厳しい独房に入れられたのだった。

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13日のジェイソン


【1】

 君の名はジェイソン。そして今日はよく晴れた13日の金曜日。

惨殺する 4へ

 しない 6へ

【2】

 近くの家の庭で洗濯物を物干し竿に干す若い女が一人。

惨殺する 7へ

 様子を見る 5へ

【3】

 君は薄汚れたホッケーマスクを脱ぎ捨て、女に求婚した。女は意外にも承諾した。

 君は妻と2人で後世幸せに暮らした。かつて人々に恐れられた悪魔のような殺人鬼ジェイソンはもういない。

END

【4】

 君は今、自分の隠れ家にいる。他には誰もいない。

自分を惨殺する 8へ

 獲物を求め、外に出る 2へ

【5】

 女はお尻をふりながら楽しそうに洗濯物を干している。

やはり惨殺する 7へ

 惨殺するには惜しい 3へ

【6】

 今日は普通の13日の金曜日になった。

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【7】

 君は凶器を何も持ってきていないことに気がついた。隠れ家へ走って戻る。

9へ

【8】

「ウワー!」

 君は自分で自分を惨殺してしまった。この世に悪魔のような殺人鬼ジェイソンはもういない……

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【9】

 どこを捜しても愛用の鉈がない。どうやら前回の13日の金曜日にクリスタル湖キャンプ場に置き忘れてきたようだ。今日は平和な13日の金曜日だった。

END


【1】

 朝起きて顔を洗っていると、首にハートのネックレスがかかっているのに気がついた。こんなネックレス、家にあっただろうか?

すぐに外す 5へ

 気にせず朝食を食べる 4へ

【2】

 コンビニで何か買えばいい。母親に皿ごとハンバーグを差し出す。

「嬉しいわ。2つ買ったつもりだったのよね」

 母親が半分にしてくれて2人で食べた。母親は終始笑顔だった。そろそろバイトに出かけよう。

 道を歩いていると、信号機の前で老婆が困っている様子だ。

ボタンを押す 9へ

 一緒に渡る 6へ

【3】

 ハンバーグをあげようか。だが、空腹は困る。

食べる 5へ

 あげる 2へ

【4】

 今日はハンバーグか。なぜか母親がおかずなしでご飯だけを食べている。

3へ

【5】

 ふとネックレスが消えていることに気がついた。何だったのだろう。今日もまたありふれた一日が始まる……。

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【6】

 老婆の背中を押しながら横断歩道を渡ろうとしたそのとき、車が右側から突っ込んできて、二人は轢かれてしまった……

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【7】

 女の子は泣いてしまった。

5へ

【8】

 ネックレスを外して女の子の首にかけてあげると、突然ハートが光り出した!

「君は愛のある人間だ」

 そのハートから声が聞こえた! そのとき、もう自分にはあのネックレスは必要なくなったのだと確信した。次はこの女の子が周りに愛を与える番になるだろう。

END

【9】

 車が止まり、老婆も渡れた。

 道を歩いている途中、小学生の女の子が駆け寄ってきて、首にかけたネックレスを欲しがる。

あげない 7へ

 あげる 8へ

花屋の帰り道


【1】

 夜道を歩いていると、右手の墓地から自分を呼ぶ声がしたような気がした。

行ってみる 5へ

 怖いので早歩きで歩き去る 3へ

【2】

 女性は何も言わず、墓地の方を指差し続けている。

行ってみる 5へ

 怖くなり逃げ出す 6へ

【3】

「ちょっと、待て」

 背後で女性の声がした!

4へ

【4】

振り向く 8へ

 構わず逃げる 6へ

【5】

 不思議と1か所だけ月明かりに照らされた墓があった。見ると、その墓の花は枯れてしまっており、どうやら枯れて久しいようだ。君は何とも言えない気持ちになった。

花瓶に水を入れる 9へ

買った花をお供えする 7へ

 そろそろ家に帰る 6へ

【6】

 君は何とか家に帰り着いた。だが、それから君は何者かに見られているような気がした……。

1へ戻るなら

【7】

「ありがとう」

 どこかで女性の声がした! その墓の墓石には女性の名前が彫られていた。

END

【8】

 半透明の白いワンピース姿の女性が立っていて、墓地の方を指差している。

行ってみる 5へ

何かと尋ねる 2へ

 やはり逃げる 6へ

【9】

「それでもいい」

 どこかで女性の声がした!

 その後、君は何事もなく家に帰り着いた。

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マラソン


【1】

 目の前を1位の選手が走っている。

追い抜く 5へ

 キープする 3へ

【2】

 2位の足音が徐々に遠ざかる。

水を受け取っていない 6へ

キープする 8へ

 さらに差を開く 9へ

【3】

 1位との距離は縮まらない。

追い抜く 5へ

 キープする 1へ

【4】

 走り続ける君の左手に給水所が見えてくる。

水を受け取る 7へ

2位との差を開く 2へ

 キープする 6へ

【5】

 君は懸命に走り、そして追い抜いた。今は君が1位だ!

 走り続ける君の左手に給水所が見えてくる。

水を受け取る 7へ

2位との差を開く 2へ

 キープする 4へ

【6】

 君は調子が出ず、後続に抜かれ、結局3位に終わった。

1へ戻るなら

【7】

 乾いた喉を潤せたが、2位に追い抜かれてしまった!

水を受け取ったのが1回目 1へ

 2回目 6へ

【8】

 おめでとう! 君は見事に1位でゴールテープを切った!

END

【9】

 君は持久力を使い果たし、後続に追い抜かれ、結局2位に終わった。

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明晰夢


【1】

 僕は夢を見ていた途中で「これは夢だ!」と自覚した。これでこの夢は明晰夢に変わった。

近くの家に入る 5へ

 女の子を探す 7へ

【2】

「どこへ行くんですか?」

 僕はどうせ夢だからと適当に質問した。

「学校だよ」

 女の子は普通にそう答えてくれる。

「そうなんだ。ねぇ、僕の世界に来ない?」

「いいよ」

 僕は「おお!」と思いながら、左手で女の子の手を握る。女の子の手は温かくも冷たくもない。そして、夢から覚めようとした……。

 目が覚めると、左手の方を見た。けれど、やっぱり女の子はいなかった。

END

【3】

 スカートを勢いよくめくると、なんと女の子はパンティを履いていなかったのだ!

 僕はそれ以上いたずらをする前に興奮しすぎて目が覚めてしまった。僕の下半身がその興奮の度合いを物語っていた。

1へ戻るなら

【4】

 目の前に立つと、女の子は僕を不思議そうに見る。

スカートをめくる 3へ

 胸を触る 9へ

【5】

 家の中を徘徊していると本棚を見つけた。さまざまな本がぎっしりと並んでいる。

何か本を読んでみる 8へ

 タイトルを覚える 6へ

【6】

 僕は背表紙をじっくりと見た。

「テルサB2の巻」

「楽園2050」

「君は夢から覚める」

 どれも知らないタイトルだ。夢の世界での本なのだろうか。起きたときに覚えていられそうにない。何か適当に読んでみよう。

8へ

【7】

 こちらに向かって道を歩いてくるセーラー服姿の女子高生を見つけた。

話しかける 2へ

 いたずらする 4へ

【8】

 目についた1冊の本を引っ張り出し、適当にページを開く。

 夢では空を自由に飛べるときと、どうやっても飛べないときがある。

 女の子にいたずらをして、やり過ぎてしまうと興奮して起きてしまうことが多々ある。

 本などのタイトルを目覚めた後も記憶しているときと、夢の中でタイトルがぼやけていて記憶できないときが……。

 どうやら夢について書かれた本らしいが、読んでいる途中で時間が経ちすぎたのか、僕は目が覚めてしまった。そして、読んだ本の内容もしばらくしたら忘れてしまっていた。

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【9】

 女の子の胸に手を伸ばそうとしたそのときだ。

「そこで何をしている!」

 背後で男の声がした。振り向くと、そこには警察官らしきおっさんが立っていた。僕はたまに現われる「邪魔をする者」だと思った。

 構わず女の子の方に向き直ると、女の子の姿が消えてしまっていた! それとともに視界が徐々に明るくなり始め、真っ白になったとたんに目が覚めた。

 僕は振り向かずに触れば良かったとその日一日後悔したのだった。

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小さな小さな島


【1】

 君がイカダで流れ着いたのは、学校の校庭ほどの面積の小さな小さな島だった。見渡す限り砂浜が広がり、島の中央付近が小高い丘になっている。周囲に人工物らしきものは見当たらず、人影さえもない。

 君はひとまずイカダが流されないように数メートル上がった坂になった砂浜まで引き上げる。これでひとまず安心だ。

 上げ終えたところで喉が渇いてきて、君は焦り始める。島のどこかに飲めそうな水はないだろうか。

波打ち際を一周する 4へ

 丘を登る 6へ

【2】

 その後は何事もなく、イカダを引き上げた場所に戻ってきた。元に戻っていないのは、時間と喉の渇きだけだ。君はさらに焦り始める。

戻ってきたのが2度目 9へ

もう一度波打ち際を一周する 4へ

 今度は丘を登ってみる 6へ

【3】

 君はラベルの貼られた方が毒だと思い、ラベルのない方を拾い上げた。君は喉の渇きには勝てず、一気に中の液体を飲み干す。液体は生温く、少しだけ海水のような味がしたが、喉の渇きは潤せた。

 しばらくは何事もなく、これからどうするか辺りをうろついていると、上空をセスナ機が飛んでいる! 君は着ていた赤いTシャツを脱ぐと、思い切り左右に振って自分がここにいることを知らせる。

 だが、セスナ機は何事もなかったかのように飛び去っていった。そう思われたが、君の方へと旋回して徐々に高度を下げ、君の近くの砂浜に着陸した! セスナ機から一人の老人が降りてくる。

「さあ、乗りなさい」

 そう言って君をセスナ機に乗せてくれる。君はこれで助かったと思った。

 老人の話によると、君があの島に上陸したのを見かけたが、どういう経緯かわからなかったので助けるべきか迷っていた、目立つ服を着ていたのは賢明だったということだった。

「水も持たずに海に出てはいけない」

 君はその老人の言葉を心に深く刻みつけた。

END

【4】

 半周ほどした、ちょうど上陸した辺りの反対側付近で、液体が半分ほど入ったラベルのないペットボトルが波に打ち上げられて前後に転がっているのを発見した。

液体を飲んでみる 7へ

 さらに半周する 2へ

【5】

 君はラベルのない方が毒だと思い、ラベルの貼られた方を拾い上げた。

7へ

【6】

 丘を登っている途中、丘の頂に木の板がまっすぐに突き刺さっているのを見つけた! 自然にあの様に突き刺さるわけがなく、以前人がこの島にたどり着いた可能性が高い。君は喉の渇きを忘れて丘を頂まで駆け上がった。

 頂まで登ると木の板に何か文字があるのに気がつく。そこには、「最後の水、ここにあり」と書かれていた。

 君は喉が渇いていることを思い出し、抜いた木の板でその下を無我夢中で掘った。

 すると、間もなく2本のペットボトルが砂の中から出てきた。その片方には「どちらかは毒! 注意されたし」と書かれたラベルが貼られている!

ラベルのある方を飲む 5へ

ない方を飲む 3へ

 波打ち際を一周する 8へ

【7】

 君は喉の渇きには勝てず、一気に中の液体を飲み干す。

 しばらくは何事もなく、これからどうするか辺りをうろついていると、突然腹に激痛が走る! 君は砂浜に倒れ込んでのたうち回る。

 口の中に指を突っ込んで飲んだものを吐き出そうとしたが、すでに遅かった。君の体は次第に力を失い、うつ伏せに突っ伏して、そのまま二度と起き上がらなかった。ペットボトルの中の液体は毒だったのだ……

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【8】

 砂浜を一周してみたが、喉の渇きを潤せるものを見つけることはできなかった。

9へ

【9】

 君はいよいよ喉の渇きが限界に達し、打ち寄せる波を見て海へ駆け出した。

「水だ! いくらでもあるぞ!」

 君は狂ったように雄叫びを上げ、海水を両手ですくって一気に飲み干してしまった! その後のことは言うまでもない……

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メル友


【1】

 やったぜ! 今日の合コンでタイプの女の子とメルアドを交換できたんだ! さっそくメールしよう。明日は日曜日で、あの子も仕事が休みだと言っていたからデートに誘ってみるか。確か名前は明美ちゃんだったな。

 新規メッセージから宛先はもちろん明美ちゃんのメルアド、件名は「今日は楽しかったね!」にしよう。本文は何にしようか。

明日デートしない? 3へ

 あれから無事帰り着いた? 6へ

【2】

 3分後に返信が来たぞ!

 趣味はお料理です! たまにお母さんの代わりに夕食を作ることがあるんですよ。

 そうなんだ。じゃあ、料理を作ってもらうのもいいな。明美ちゃんが作ったのなら何でも美味そうだ。

家に遊びに行ってもいい? 8へ

 料理は何が得意なの? 5へ

【3】

 1時間後に返信が来たぞ! もう寝たのかと思った。

 え? いきなりですか? 私、明日おばあちゃん家に行くことになっているので……。

 その後、何度メールをしても返信が来ることはなかった。いきなりデートに誘ったから嫌われてしまったらしい。

 次の日、明美ちゃんはメルアドを変えていた。

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【4】

 30分後に返信が来たぞ! お風呂にでも入っていたのだろうか。

 デートですか? 私たち、あまりお互いのこと知らないですし。ごめんなさい! 明日はお母さんとお買い物に行くので……。

 その後、何度もメールでデートに誘っても、何かと理由をつけて断られた。お互いのことをあまり知らないままデートに誘ったから嫌われてしまったらしい。

 数日後、明美ちゃんはメルアドを変えていた。

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【5】

 2分後に返信が来たぞ! だんだん返信が早くなってきている気がする。

 オムライスかな。卵料理は何でも得意。それと、映画鑑賞も好きだよ。

 オムライス食べたいよ。そうか、映画に誘うのもいいな。

映画を観に行かない? 7へ

 どんな映画が好きなの? 9へ

【6】

 5分後に返信が来たぞ!

 はい! 本当に楽しかったですね! 無事に帰り着きましたよ、タクシーだったので。

 あれからタクシーで帰ったんだ。

明日デートしない? 4へ

 趣味は何なの? 2へ

【7】

 ついに1分後に返信が来たぞ!

 行きたい! 私、ホラー映画が大好きなんだ!

 ということで、放映中のホラー映画「13日のジェイソン ~意外な結末~」を明美ちゃんと2人で観に行くことになった。

 お互いホラー映画好きということもあって話が合い、3回目の映画館デートの後に告白して、付き合うことになったのだった。ホラー映画のお陰だな。

END

【8】

 15分後に返信が来たぞ! コンビニでも行っていたんだろうか。

 家にですか? それはちょっと困ります。明日は私一人でお留守番の予定なので。あ! もしかして、それを知っていて。すみませんが、もうメールしないでください……。

 その後、すぐにメルアドを変えたのか、次に送ったメールには、「そのメルアドは存在しない」というメールが返ってきた。知らなかったとはいえ、女の子一人の家に行こうとしたのはマズかった。

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【9】

 10分後に返信が来たぞ! だんだん返信が早くなってきている気がする。

 ホラー映画だよ! 特に好きなのは「13日のジェイソン」シリーズ! ホッケーマスクを取った顔が意外とイケメンなのよね。あなたの趣味は?

 その後、お互いにホラー映画好きということもあって話が合い、明美ちゃんとはたまにメールする仲にはなれたのだが、何だかデートには誘いづらくなってしまい、メル友以上の関係にはなれなかったのだった。

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