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○○バイアスに気をつける

私は弁護士として10年以上活動をしていますが、詐欺の相談を受けることもあります。

もちろん、詐欺をする側が一方的に悪いのですが、善い悪いとは別の問題として、騙される側の特徴というものは確実にあります。

例えば投資詐欺の場合、実際にその投資で成功をしていると自称する人が勧誘行為に及んでくることが多いのですが、嘘ではなく本当に(違法だとしても)利益を出している勧誘者もいます。

周りに本当に成功している人が多いのだから大丈夫だろう、という思い込みをすると詐欺に遭いやすくなります。では、なぜ本当に成功している人が目立つのでしょうか?

それが「生存バイアス」ですよね。

特にSNSの発達していなかった時代だと「失敗者」の声は世に出回りにくかった、なぜなら「失敗しました」とオフラインの世界で言うのは恥ずかしいから

SNSのおかげで比較的そのような声も出回るようにはなりましたが、それでもまだまだ「成功した」という「生存者」の声のほうが遥かに出回りやすい

なので、私の周りでその方法で失敗した人はいない、といった話もまともに聞いてはなりません、成功した人だけが大声で偉そうに喋っているだけです

アンケート、統計だって「そもそも回答に応じない」という人の存在を無視してはなりません、世論調査の場合には逆に「成功している人は忙しくて調査などに応じる動機が湧かない」ということすらあり得ます、なので左寄りの結果が出ることもある

社会の声は、本当の社会全体の声ではないのです

そのことを、本当に意識できていますか?

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