見出し画像

特撮最前線の特撮エッセイ第2回「特撮とはなにか?なぜ特撮に惹かれるのか?」その2 昭和仮面ライダーシリーズ1

皆さん、こんにちは。特撮最前線です。

前回は円谷特撮に関する記事を更新しましたが今度は東映特撮から仮面ライダーシリーズを重点的にスポットライトを当て、特撮ヒーローの面白さがどこにあるのか分析していきたいと思います。特撮ヒーロー、好きなシリーズは多いですが私個人、特に思い入れが深いのがこの仮面ライダーシリーズです。今回はまず、昭和ライダーシリーズ序盤から振り返ってみましょう。

1.技と力の大自然の使者~1号と2号~

石ノ森章太郎先生の代表作といえば私が一番最初に挙げる作品は仮面ライダーです。1971年放送が開始され、藤岡弘、さん、佐々木剛さんW主演で2年間にわたり、放送され、ライダーチップスやベルトを使った変身ブームなど今の特撮ヒーローの販促展開の基礎を築き上げた伝説の作品です。

悪の組織ショッカーに改造手術を施された本郷猛はその力を自分の欲望のためではなく、人々の自由と平和のために使い、ベルトの風車に風を取り入れることで変身します。バイクに乗り、颯爽と人々を救うため疾走するその姿はまさにヒーローの王道と言えましょう。この考え方こそが仮面ライダーシリーズの最大の醍醐味です。もしも、私がライダーの力を得たら自分のために使ってしまいそうになりますが本郷猛や一文字隼人はそれをしなかった。そこに彼らのカッコよさがあると思います。

しかし、放送開始当初、今は王道路線と思われていた路線は実は当時のヒーローの王道ではなく、画期的なものだったのです。

しかし、放送回数を重ね、2号ライダー登場や新幹部ゾル大佐登場などイベントを経てその人気は加速度的に広がり、1972年1月1日に放送された

第40話「死斗! 怪人スノーマン対二人のライダー」(脚本:伊上勝 監督:山田稔)

で仮面ライダー1号と仮面ライダー2号がそろい踏みするという伝説的なイベントで更に人気に火が付くことになります。

更に展開は進み、第79話「地獄大使!! 恐怖の正体?」(脚本:伊上勝 監督:塚田正煕)で悪の組織ショッカーが壊滅し、最高幹部地獄大使が劇的な最期を遂げ、第80話「ゲルショッカー出現!仮面ライダー最後の日!!」(脚本:伊上勝 監督:山田稔)でゲルショッカーが登場し、更に熱い展開が続いていくのです。

悪の組織が変更になることで物語の熱さもし烈さを極めていく展開は仮面ライダー以前の過去の東映特撮ですと横山光輝先生原作の忍者特撮活劇「仮面の忍者赤影」などでも用いられていますし、現在放送中の「仮面ライダーゼロワン」でも滅率いる滅亡迅雷.netから天津劾率いるZAIAエンタープライズ、更には先日情報解禁になった滅亡迅雷.netの黒幕である仮面ライダーアークゼロ(2020年6月9日現在)に敵組織や悪のボスが変更になる手法がとられています。

ここも特撮ヒーロー作品の面白さの一つです。敵組織が一つだけだと思っていましたが実は倒すべき本当の敵は別にいたこの意表を突く展開も面白さの一つではないかと思います。

2.復讐鬼から仮面ライダーに~V3とライダーマン~

初代仮面ライダーは好調のまま、終了し、1973年2月17日にシリーズ第2作「仮面ライダーV3」がスタートしました。

仮面ライダー1号の技、仮面ライダー2号の力を受け継いで戦うスタイルは私個人もとてもお気に入りでV3に変身する風見志郎を演じた宮内洋さんも大好きな俳優さんのお一人です。

風見は愛する父と母と妹を悪の組織デストロンによって生命を奪われ、当初はその復讐のために戦っていましたが1号と2号の生き様を目の当たりにして平和を守る戦士へと生まれ変わりました。

第43話「敵か味方か? 謎のライダーマン」(脚本:伊上勝 監督:内田一作)で4番目の仮面ライダー「ライダーマン」が登場しました。

ライダーマンに変身するのは将来を有望視されたデストロンの若き天才科学者である結城丈二。彼はライバルであり、デストロンの大幹部であるヨロイ元帥の策略で夢を奪われ、更には信頼する仲間たちまで奪われるという悲惨な状況に追い込まれます。

しかし、看護師を務める仲間の妹の協力で一命を取り留め、彼はライダーマンとなり、自分を貶めたヨロイ元帥への復讐を決意します。

仮面ライダーV3の作品のテーマの一つに「復讐」があります。

オープニング(正木本部長)

これは後の宮内洋さん主演作の石ノ森先生原作の特撮ヒーロー作品の「快傑ズバット」や八手三郎原作のメタルヒーローシリーズで宮内洋さんが正木俊介本部長役を熱演した「特救指令ソルブレイン」でも中盤から後半のメインテーマとして取り上げられていくことになります。

誰しも嫌なことをされたら仕返しをしたい、そう思う心はあるでしょう。

しかし、仮面ライダーV3という作品の中で「復讐」は新たな悲劇や憎しみの連鎖を生む火種であることを描いています。結城は風見との出会いで復讐ではなく、新たに出来た友の風見のため、そして、人々のために平和を守る決意を固めるのです。

ここが仮面ライダーV3の最大の魅力と言えましょう。後半の展開がV3は特に好きです。風見と結城のバディ劇がとてもお気に入りです。

あまりにも長くなりそうなので今回はここら辺で一旦、終わりにしまして続きは後日とさせていただきます。

読んでいただき、ありがとうございます。


つづく