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【ウルトラマンZ放送開始記念】ウルトラマンに纏わる思い出と疑問の考察第1回「ウルトラマンってなぜ3分だけしか戦えないんだろうか?(※一部例外あり)」

1.はじめに

皆さん、こんにちは。特撮最前線です。

皆さんはご存じでしょうか?

6月20日土曜日テレビ東京系列でウルトラシリーズの最新作「ウルトラマンZ」の放送が開始されます。

今作ではウルトラセブンの息子であるウルトラマンゼロの弟子のウルトラマンZが地球人のロボット防衛隊の隊員ハルキと一体化して地球を狙う怪獣たちから地球の平和を守る物語が展開されるようです。

ここで土曜日まで残り数日間、私が今までウルトラシリーズを見ていて感じたこと、疑問に思ったこと、そして、ウルトラシリーズを見て解けたシリーズの謎に関しての考察をしていきたいと思います。

今回はウルトラ戦士たちの地球での活動制限時間の謎に迫っていきたいと思います。

2.なぜ3分間なのか?

ウルトラマンは地球上では3分間しか活動することができません。中には最大活動時間2分40秒のウルトラマンレオ、更には地球の最大活動時間が細かく設定されていないウルトラセブンなどといった一部例外がありますが今回は一番多い3分間設定の理由について迫っていきたいと思います。

ウルトラマングレート本編では大気汚染の激しい地球上では3分間しか活動できないことなどが本編で説明されています。

無限にずっと戦えれば怪獣や宇宙人にも負けることがなく、スムーズに地球を守ることができるはずです。しかし、製作した円谷プロのスタッフさんたちはあえてそれをしなかったんです。

それには理由がありました。

3.ピンチから逆転するからロマンがある

ウルトラマンは制限時間の3分が近づき始めると胸につけたカラータイマーの点滅が開始されます。

それは制限時間を知らせるアラームの役目をしていてウルトラマンはそれを合図にここら辺で勝負を決めなければまずいと自己判断を下すのです。

そのカラータイマーの点滅音を人間の心臓の動悸音と同義に位置付けた作品が近年に存在します。

ウルトラマンR/B本編でカラータイマーの点滅がまるで疲れた人間の心臓の素早い鼓動音同様に例えるシーンがあり、このシーンでウルトラマンもまた我々と同じ生命体であることを強く印象付いた記憶があります。

カラータイマーの点滅音はウルトラマンが地球で一生懸命戦って頑張った証でもあり、その音が戦いに緊張感とピンチ演出を印象付け、逆転展開に大きなカタルシスを与えるのです。

一生懸命、仕事や勉強や作業を頑張った後の食事はうまい、ジェットコースターのアップタウン、お化け屋敷に出た後の何とも言えない状況などと似た心理状況と言えるのです。

私がよくTwitterなどでも例えるのですが特撮ヒーロー作品を「遊園地」や「大型アトラクション」と例えています。ジェットコースターや観覧車、お化け屋敷やフードコートなどをそれぞれのシリーズ分けや作品展開に例えることができるのです。

4.ウルトラマンが無敵ではないから人間も頑張ろうとする

ウルトラマンが万能の巨人ではないからこそ地球人たちが一生懸命、頑張るエピソードがウルトラシリーズでは多数存在します。

特に私が好きなエピソードはウルトラマン第37話「小さな英雄」です。

科学特捜隊のイデ隊員は発明家でもありますがウルトラマンの大活躍さえあれば科学特捜隊は必要ないのではと疑問を抱き始めるお話ですがその公式のアンサーがあまりにもうますぎて初見時唸ったエピソードでもあります。

この展開はウルトラマンの前シリーズであった空想科学特撮シリーズのウルトラQのメインライターを務め、ウルトラマンや後のシリーズのウルトラセブンもメインライターを務めた金城哲夫先生ならではの人間ドラマの巧さが成せる業だと思います。

セブンの最終2部作でも地球上での活動の疲れが蓄積したウルトラセブンを援護するため、人類が奮闘する展開が色濃く描かれています。

ウルトラマンの力ばかりに頼りすぎてはいけない。我々が今いる場所で最善を尽くすからこそ物事がいい結果につながるということを再確認したお話でした。

5.特撮作品は我々の想像以上に予算がかかるため

皆さんはご存じでしょうか?

特撮ヒーロー作品や特撮映画の予算は我々、ファンが想像する以上に多く予算がかかります。ここからは現実的なお話をしていこうと思います。

平成ウルトラ三部作(ティガ、ダイナ、ガイアが放送された90年代中盤ぐらい)の頃まで莫大な予算がかかったと言われ、商品展開や作品評価的に大成功を収めても製作側の赤字が続いていたと言われています。

その状況が続き、円谷プロは現在、同族経営から撤退し、ほかの企業(フィールズやバンダイ)が経営権を握っています。近年は予算調整のためシリーズ総集編や劇場版のテレビシリーズ再編集版の放送を増やして休眠期間を設けたり、新作は2クール製作にしてみたり、商品展開(主にYouTubeの動画配信)を日本だけではなく海外展開を視野に入れてみたりと予算面と経営面での工夫が更に行われ、改善されつつあるようです。

経済的なお話はここまでにしまして過去のシリーズから特撮パートの予算の削減のため、ウルトラマンと怪獣や宇宙人とのバトルは極力短時間で行う展開を多く取るための制限時間設定ともいわれています。

6.最後に

夢溢れるお話から現実的な製作側の予算事情からの理由でウルトラマンの制限時間のお話をしましたがいつの世も新しいヒーローの誕生はワクワクするものです。

ヒーローたちが活躍をしてくれるのか、どのようなキャラクターたちが登場するのか、どんな怪獣や宇宙人、怪人がこれから登場するのか考えるだけでも胸が躍ります。

特撮ヒーロー作品の好きな最大の理由はそこにあります。