恐怖や好奇心との再会 【 ゼルダの伝説 時のオカリナ 】(N64 forNSO)
注意:本文章はネタバレが含まれます
出会いは恐怖
小学生の頃。ニンテンドウ64のゲームはソフトの少なさもあって、任天堂ゲームが一本出るだけでもクラスでは話題に上がる存在であった。
そして64から発売から2年後の98年に満を辞して発売されたのが「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は、友人に借りて遊んでいたが他の任天堂ゲームとは全く違った…なんせめちゃくちゃ怖いのだ。(このCMの藤原竜也若いな!)
当時小学生の僕はとにかくホラー描写が苦手で、本作は怖がりながらも遊んでいた気がするが、そこまで気乗りはしなかった。なんせ薄暗い世界で、怖いモンスターが次々とやってくるわ、それを恐ろしいBGMと怖いSEで掻き立て、ダメージを喰らうたびにリンクが「ウワアアアアアアッ!!」と絶叫するゲームなんだ。怖いに決まってる。
なので当時はデクババに怯え、デクの木さますら攻略出来ず友人に頼り、ジャブジャブ様のおなかで恐怖し、森の神殿で挫折したんだ。おかげでカカリコ村あたりをウロウロするだけのゲームになっていた。
あと本作のテキストは当たり前のようにテキストに漢字が使われているので小五には若干辛く、結構雰囲気でストーリーを眺めていたことを覚えている。そんなわけで友人宅でプレイを見るのが大体であったが(エンディングまで見ていた)、改めてリベンジしたい一本になっていた。
あと僕のゼルダ経験は色々触ってはいるけれど、最後までクリアしたのはSwitchの「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」だけです。
最上級の冒険体験
そして時は経ち、リンク以上に大人になってしまった今になってようやく本作をプレイし始めた。本作はもう言わずもがな魅力的すぎるキャラクター、一生忘れることがないであろう音楽。そして本作は改めて遊んでも普通に面白い。いや、ブレスオブザワイルドと遜色なく楽しい。古臭さなんて一切感じない完成度に満ちている。
謎解きを考えて達成する楽しさに満ちたダンジョン攻略に、人々との多様なサイドクエスト、時間経過で変化する様々なイベントなど、そして至る所にある探索要素など、主目的以外に出来ることが多すぎて目的を忘れて、黄金のスタルチュラやハートのかけらを探したり、豆を埋めたり、魚を釣ったりとウロウロするだけでも本当に楽しい。小さな目標を達成したらまた次の目標へ、一度始めたらなかなかやめ時を失う。
ストーリーもさまざまな人々との出会いと別れ、そして再会を経ていく過程が短いテキストながらも3Dによる映画的カメラワークによってドラマチックに描かれており、非常に印象に残るものになっていました。
同年発売ののメタルギアソリッドといい、本作といい、映画を凌ぐゲームがどんどん出てくるな…。
そして当時のゲームとしても抜群のボリュームである。おかげでクリアまでの30時間かかった。とにかくダンジョンを若干食傷気味になるくらいたくさん遊ばせてくれるし、そこにいろんなサイドクエストも大量にあるんだから当時としては異次元のボリュームだったに違いない。時間が溶ける溶ける。やはり紛う事なき名作だ。
ゼルダの過ち
そしてこの物語は意外な着地をする。
力のトライフォースがガノンドロフの手に渡ってしまったのも、ハイラルが崩壊したのも全て子供のゼルダとリンクが余計なことをしてしまったのが原因なのだ。精霊石も時のオカリナもマスターソードも手に入れなければ、ガノンドロフの野望は簡単には達成されなかったであろう。
本作はリンクとゼルダがガノンドロフの野望を打ち砕き平和を取り戻す物語でもあるが、自分達の行いで滅んだ世界に責任を果たす物語でもだったのだ。プレイヤーが良かれと思いやってきたことが全部裏目になる展開…好きだぜ。
そして宿敵ガノンを倒した達成感以上に、エンディングでゼルダが謝ること、そしてこの7年後の世界から子供の世界へ帰される結末には頭が全然追いつかず呆気に取られてしまった。
こりゃ当時クリアしていても理解は出来なかっただろうな…。
ガノンを倒した後、リンクは元の子供の時代に戻される。きっとまだガノンドロフの迷惑行為もあり大変な世界だが、次こそゼルダとリンクが正しい選択をしてくれることを願いたい。
そんなわけで改めて名作と名高い本作に立ち向かったわけだけど、歯応えのある謎解きと、ウロウロしがいのあるボリューム、そして凄まじいストーリーをたっぷり楽しませていただきました。
小学生の頃の俺よ、リベンジは果たしたぞ。
DATA
ゼルダの伝説 時のオカリナ
発売 / 開発:任天堂
対応ハード:N64、Switch
発売年:1998年11月21日
ジャンル:アクションアドベンチャー
主な移植:NintendoSwitchOnline (Switch)
バーチャルコンソール(Wii、WiiU)配信終了