世界の命運は健康診断から【 007 サンダーボール作戦 】(1965)
運がないぜスペクター
ゆすりたかりの名手である犯罪組織スペクターの今回のお題目は核爆弾。爆撃機のパイロットと同じ顔の奴まで用意して準備万全、これでNATOを強請って大金ゲットだぜ!
だけど同じ病院にたまたま健診に来ていたボンドがいて、手がかりを残してしまったのが運の尽き。本当にたまたまなんだよなぁ…。
そして今回のアバンタイトルのアクションは女装男との激しいバトルに有名なジェットパックに用意周到なボンドカーと少年心をくすぐるガジェット盛りだくさん。もう大満足。
そしてこれでもかとねっとり盛り立てるトム・ジョーンズの主題歌もたまりません。何回やんねんと言いたくなるデレッテレ〜♪が最高。
そんなことで最高の手がかりを元にボンドが訪れた舞台はバハマのお隣、南国ナッソー。
今回のヴィランは眼帯が目印スペクターのNo.2ラルゴ。サメを飼ってる豪邸と超クルーザーディスコ・ヴォランテ号の持ち主で今回のボンドガールであるドミノの後見人だ。(ここでも爆撃機パイロットを脅迫する材料を用意しているところが抜かり無い)
そんな訳で、急いで核爆弾を見つけなきゃいけない今回の任務は非常に忙しく、流石にボンドも常にCIAとの共同作業だ。ラルゴに接近する傍ら、行方不明の爆撃機を探して、クルーザーを調査して、ドミノとデートもして、消えた仲間も助けに行って、悪のボンドガールであるフィオナともイチャイチャして、さらに逃げてと狭いナッソーを目まぐるしく行ったり来たりの忙しい。しかも盛り上がるまでが結構長く、同じホテルや豪邸を行き来するので絵面もあまり変わらず若干退屈気味なのはご愛嬌。その代わりラルゴとボンドの緊張感あるやりとりがなかなか楽しいです。
水中バトルはめちゃくちゃ
見どころは終盤敵の御一行に紛れ込んだけれど、途中でラルゴにバレるシーン。水中なのでセリフが無く身振り手振りと音楽だけで「あっ!お前はボンドやんけ!」と見せているのが面白すぎます。
まぁ本来の見どころは大規模な水中戦で、撮影的にもとんでもなく凄い大変な事をしているのはわかるのですが、表情も見えずゆったりした絵が続くのでなんとも言えないめちゃくちゃな戦いが結構長く見せられるのでなんとも言えない感じです。うん、微妙なんだ。でもやっぱり水中バイクはイカしてますね。
それよりもハラハラするのはやっぱり最終盤、クルーザーが分離して高速艇になる驚きと、いつ吹っ飛んでもおかしくないスピード感ある演出にドキドキしますね。本当にハラハラしました。
最後はなんとフルトン回収で締めるというマニアックな終わり方で、若干間延び感はありますが、全体的に見どころたっぷりの素晴らしいボンド映画でした。
DATA
007 サンダーボール作戦
公開年:1965年
製作国:イギリス、アメリカ
上映時間:130分
監督:テレンス・ヤング
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