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映画好きの為のご褒美【 十三機兵防衛圏 】(PS4)

発売から三ヶ月が過ぎてもジワジワと口コミで人気が広がり、今になって宇多丸のラジオやファミ通で特集が組まれるほどの話題になっている十三機兵防衛圏
僕も発売当時はノーチェックだったが、話題が話題を呼び僕の耳にも入ってきた。
これはもうやるっきゃない!…と、思い友人から借りてプレイ。

ドラゴンズクラウンや朧村正など2Dゲームを作らせたら右に出るものがいない開発会社バニラウェアの新作はなんと巨大ロボットで戦うSFアドベンチャー&タクティカルシミュレーションゲームだ。
プレイヤーは機兵(巨大ロボット)パイロットである13人の高校生達のそれぞれの青春と事件と追っていき、なおかつロボットを操作して迫りくる怪獣達を倒していく。

アドベンチャーパートである追想編は往年のアドベンチャー「トワイライトシンドローム」などを彷彿とさせる横画面方式。
途中選択肢やゲームオーバーなどは無く、どれも真実に行き着く方式という読ませていく。
13人の主人公それぞれの過去現在未来を描いており、複雑に絡み合う断片的なストーリーの一つ一つは小さな点だが、それが進むにつれてパズルのように組み合わさって大きな線になっていくのはかなり気持ちが良い。

お話も大筋は硬派なSFだが、ボーイミーツガールな青春ジュブナイルでもあり、恋あり、ギャグあり、謎が謎を呼ぶものありと主人公によって同じ舞台なのに雰囲気が異なるストーリーが楽しめる。
それに舞台となる時代は今流行の1980年代だ。各所各所に昭和な台詞がまじるのもたまんないね!

そして13人の主人公はどれも魅力的なのだが、特に薬師寺恵というキャラクターは最of高なヒロインだ。別の記憶を埋め込まれ別人になってしまった主人公を、それでも愛し抜くために自ら手を汚していく健気で愛が重くてヤバめな具合で、しかもメガネだ。
もう他のキャラクターが霞むくらい彼女の行動と行末が最後まで気になってしょうがなかった。マジ最高。

もちろんグラフィックはバニラウェアのゲームなのでこれでもかと風景もキャラクターの仕草も食べ物も1つの絵のように綺麗だ。特に名物の食べ物はどれもテロレベルでクリアした後は絶対に焼きそばパンを食べたくなるぞ!

そしてバトルパートである崩壊編は往年のタクティカルシミュレーションを踏襲しながらも、無数の敵を機兵の強力な兵器でドカドカ倒していく爽快感に溢れた作りだ。
特に効果音に凝っており怪獣を倒した時の爆発音はとにかく気持ちがいい。
難易度もちょうど良く、どんな人でもやりごたえを感じつつ楽しめるようになっている。

アドベンチャーとしてもシミュレーションとしても面白い本作だが、僕が心に刺さったのはそれとは違った。
僕の心を捉えたのは本作がどこまでも映画好きにとってご褒美のような内容だったからだ。

このロボット…いや、機兵は何かに似ている…そう、あれだ。映画「ロボジョックス 」に出てくるマツモト14号そっくりなのだ。
しかも話の主軸となる話は時代設定からなにから80年代の名作OVA「メガゾーン23」のオマージュだったり、ある一人のシナリオは映画「ミッション:8ミニッツ」の要素があったり、会話の節々にも「ビデオドローム」「E.T」など映画ネタがこれでもかと盛り込まれており、次はどんな映画ネタをぶち込んでくるかと遊んでいて楽しみで仕方なかった。

そして挿入歌であるアイドルソング「渚のバカンス」は80年代っぽさが引き立たせなおかつ、「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」を思わせる立ち位置にあるのがこれまた最高。 曲も歌詞も完璧だ。二番も作ってくれれ…ってサントラにはあるんか!買うぜ!

そんなこんなで34時間一気にプレイしてしまった本作。骨太なシナリオとやりごたえたっぷりのシミュレーションが同時に楽しめる気持ちが良く素晴らしいゲームでした。今ゲームをやるならコレだ!

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本作のいろんなオマージュに関して書いてます。


DATA

十三機兵防衛圏
発売:アトラス
開発:ヴァニラウェア
対応ハード:PS4、Switch
発売日:2019年11月28日(PS4版)
ジャンル:ドラマチックアドベンチャーゲーム
公式サイト:https://13sar.jp/



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