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大人の遊び、井戸掘り。重機を使って3日で井戸を掘った男の話。

当たり前の話ですが、水がなくては私たち人間は暮らせません。

しかし、私たち家族が現在、セルフビルドで家づくりを行う土地には水道設備はなく、自分たちで整備する必要がありました。


比較的平地なので、水が集まってくる場所が少なく、水の確保をどうするかというのは常々私たち夫婦の頭を悩ませる問題のひとつ。

今、賃貸を借りている、新居を建てる地域とは別の集落では、対岸から湧き水を引っ張って、それを地域の貯水槽に貯めて、地域住民で管理。基本的にはポンプなど使わずとも、傾斜地が多く、水がドバドバと常に出ている状態で、水に困ったことはほぼないので、水のことでこんなに悩むことになるとは想像もしていませんでした。

今の家のそばを流れる川

もちろん今の場所で、台風や極度の寒さによっての水道トラブルはあったものの、水源地から水がなくなり、ここで井戸を掘らなくてはいけない、なんて話も聞いたことがないほど、今暮らしている場所は水資源が豊富なのです。

今暮らしている場所とは、対照的な地域に引っ越すことになるのですが、やっぱりどんな場所もメリット、デメリットというのが存在していて。

今暮らしている場所は、それだけ水資源が豊富なものの、地層的にも崩れやすい岩質で、大雨が降ると、必ず流域沿いのどこかの土砂崩れが起きて通行止めになる…というのが、ほぼ毎年起こっています。

かくいう賃貸の我が家も2018年の西日本大豪雨のときには、裏山で地鳴りがし、大きな岩がいくつか転がってきて、緊急避難!なんて経験もしており、裏山からの恵みをたくさん得てきてはいたものの、いざとなると、自然の脅威に飲み込まれてもおかしくはないという状況で暮らしていたことにハッとしました。

これからくるであろう南海トラフ地震のことを思うと、また裏山がどうなるかわからないという心配が常につきまとっていたので、今度引っ越す場所はそういう意味では、平地で、少なくとも裏山が崩れてきて押しつぶされるというリスクはなくなるので、水資源には困っているけれど、そういうリスクがなくなるのは、精神的にはありがたいなとも感じています。

新居建設地。とにかく平らな土地!

話が脱線してしまいましたが、引っ越し先はそんな様子なので、水の確保をこれからどうしようと考えていた時に、林業の関係でお世話になっている地質の専門の先生に相談すると「井戸を掘ればいいのでは?」との話が浮上し、水脈調査も行うことに。

水脈調査の様子

水脈調査によると、水が集まっている小川付近の地温が低く、そのあたりであれば、おそらく3m~4mほど掘れば、井戸水確保ができるだろうということになり、そのやり方もサラッと聞いてみると「重機で掘り下げて、井戸側を積めばできる!」ということで、それを実行することになったのでした。

ちなみにその前だか後だかに、業者さんにここで井戸を掘った時はいくらするのかを参考程度に見積もりをしてもらったのですが、その金額はなんと100万円…!!!

家を600万円くらいの予算で建てようとしているのに、井戸の割合がデカすぎて、到底出せる金額じゃないので、やっぱり自分たちで頑張ろうとDIYを決意しました。

しかし、その後、井戸側という、コンクリでできた円形の筒を探すのに夫が大苦戦し、ネットで調べても、かなり高くつくし、それならいっそお願いした方が安く済むんじゃないのかというレベル…。

その後も夫は諦めず、なんとか人づてに、県内で販売している業者を見つけ出し、自分たちの手の届く予算内で井戸側をゲットできたのでした。

この井戸側の運搬も自力でやることにした夫、県内とはいえ、木材や瓦の運搬とはまた違うであろう、人生初の井戸側運搬にドキドキ…!

無事に下道で帰り着いたときの安堵感ったら、想像しただけでもこちらもホッとしてしまいます。

さて、その翌日。井戸掘り決行の日。

詳しくはYouTubeで動画で観てもらえるとよくよくわかりやすいですが、せっかくなので、ここでも拙い文章で工程を綴ってみます。

とはいえ、この期間中、私の体調は最悪で寝たきり。夫がメインで作業を進め、ちょうどこの町に林業がやりたくて引っ越しきたばかりの協力助っ人の方が、井戸が出来上がるまでの期間中、毎日通ってサポートしてくれていたのでした。本当に感謝以外の言葉がない…。

まずは、グラウンドレベルで、掘れるところまでユンボでひたすら掘削していくと、3mの大きな穴が完成。水はまだ出ていません。

それから、さらに掘りすすめるには、ユンボのアームの長さが足りないので、ユンボ自体が今いる地面よりも下段に降りて、そこから掘りすすめる必要があり、ちょっとした道ができていました。

林業での道作りがまさかここで生かされるなんてね、なんてことを言いながら、田舎暮らしにおいて重機を扱えるレベルがあるかないかで、本当にできることの幅が大きく異なってくるんだと、つくづく感じたことでした。

夫の地道な掘削作業により、ユンボは2mほど降りることができ、そこからまた穴の深さを掘り下げていきます。

すると、4mに達しない程度のところで、水がじわじわと湧き出てきました…!地質の先生の予言通りや、すごい…!!

とはいえ、そこが水面の上部になるので、そこから必要量をみて、さらに掘り下げる必要があります。

最終的には5mちょっと掘ったようで、調達してきた井戸側は8個中6個使用。

本当はもうちょっと掘り下げたかったようですが、固い岩盤が出てきたようで、これ以上掘り下げるのは厳しいし、水量も十分に確保できるだろうとの判断から、ここでやめて、ここからは砂利を入れながら、井戸側も積んで、積んで完成。

後半、水がじわじわ出るようになってからは、ポンプで水を排水しながら、作業をしていました。

どんどん掘ると貯水量も目に見えて増えていく

そうこうして、井戸が無事に完成し、いやー、改めて夫の行動力のすごさを思い知ったことでした。

しかし、今回掘ったのは浅井戸なので、雑菌等が繁殖している可能性は大いにあり、飲料に適しているかどうかは水質検査をする必要があります。

YouTubeを公開したところ、井戸掘り経験者の方や利用者の方が「炭を入れるといいよ!」というアドバイスをくださり、水質検査をした上で、炭をいれたり、場合によっては塩素も入れたりと、それなりの対策を考える必要性が出てきそうです。

あとは、今回掘った井戸から、自宅建設地までは100m近くの距離があるので、ここからの配管工事もなかなか大変そうだけれど、それもまた随時ご報告していきたいと思います。

さて、我が家の飲み水はどうなるのか、ドキドキです。

動画もぜひご覧ください☺️


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