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【林業日記5】夫婦で林業ってどうなの?メリット、デメリット。

こんにちは。「ヤドリギ」という屋号で夫婦で林業を営む、嫁のセイカです。

私たち夫婦はどこか事業体に所属などはせず、夫婦だけで林業を営んでいます。

そう話すと、たいていの方は「女性も林業なんてすごい!」と驚かれるのですが、ひと昔前ではこのことは当たり前のことでした。

私の暮らす高知の山奥では、昔から林業が盛んで、夫婦で山に入って、女も苗木を背負い子に詰めて、山まで歩き、そして植え続けたという話はご近所さんからよく聞く話です。

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とはいえ、チェーンソーをぶんぶんいわせながら、木の伐倒をしたり、造材したりする女性は当時は多くはなかったはず。

最近では女性でもチェーンソーはもちろん、ショベルカーやグラップル(木を掴むことができる機械)など比較的大きな林業機械を女性でも乗りこなして、男性と同等に働く人も増えています。

かつては男性社会であった林業界にも、女性が入ることで、新たな視点も生まれるだろうし、私個人としては女性も林業に参入することはとてもいいことだと感じます。

だけれども、やはり林業は力仕事が多い部分もあり、適材適所で林業現場で働くことも大事で、私も夫に比べるとどうしても力が足りない部分があるので、そういった場合は無理せずに夫と共同で行うか、夫におまかせするなどして、働いています。

こんな働き方ができるようになったのは、まちがいなく機械化が進んできたおかげで、斧や手斧などで木を伐倒する時代に生まれていたら、女性である私は絶対に林業なんて体力的にできなかったはずです。

林業は決して憧れだけでできる仕事ではないなと、林業をはじめてから痛感する日々ですが、『夫婦で林業』という働き方はこれから地方移住する人が増えるにつれて、その人口も増えていくのではと思っています。

そもそも林業は1人親方として働く方もいらっしゃいますが、どう考えても複数人で働いた方が効率がいいのです。例えば、伐倒、造材、搬出…どれをとっても、パートナーをつくって一緒に働いた方が作業がスムーズです。

なにより安全面でも、なにか危険なことが起きた時に誰かがいた方が救急車を呼んだりすることもできるし、状況によっては時間が命取りになるケースもあるので、そこは林業を行う上では理解しておきたいところ。

そういう観点でも、夫婦で林業を行うことは、お互い性格などもわかっているし、信頼関係もすでに築けているので、林業現場でもその関係性をうまく活かせば、作業効率もあがるという説も。これは夫婦で林業のなによりのメリットです。

そのほかのメリットをあげるとすれば、夫の仕事ぶりを100パーセント間近で見ているわけなので、尊敬の念もますます沸いてきました。夫からみた私はど素人なので、出来があまり良くない生徒みたいな視点でみているかもしれませんが…(ネガティブ)

あとは同じ仕事をしているので、家事育児の分担も平等になりました。

どうしても仕事場が違うと、先にお迎えにいく側に家事育児の負担が大きくなり、それがストレスにつながることがありますが、我が家の場合は同じ時間に仕事を終わらせるので、基本的には家事も育児もすべて夫婦それぞれができることをやるというスタンスで、優劣なく行なっています。

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(写真上:薪割りをする父ちゃんを見る息子)

逆にデメリットを挙げるとすれば、我が家の場合もそうなのですが、夫婦で林業をすると、子どもがいる家庭だと子どもが病気などで休むことになると、親であるどちらか一方も休む必要が出てきます。

そうなると結局、山へ1人で出向き仕事をしないといけなくなるので、これもまた不安。だからと言って、山へ行かないと収入を生めないので、2人同時に子どもの熱が出るたびに休んでいては、家計がまわりません。

それ以外のデメリットとすれば、夫婦いつでも24時間ずっと一緒なので、一緒にいる時間が長くなればなるだけ、喧嘩が増える夫婦も多いようです。

我が家の場合は、夫の経験値が私よりはるかに上回っており、林業という仕事柄、一歩間違えると死に直結するので、私が自分の少ない経験値で判断をして施業をすると、大ケガをしたり、下手したら死んでしまうことだって十分にありえます。なので、基本的に反論はせず、正論を言う夫の意見には素直に従っているので、現段階では喧嘩は勃発していません。

ですが、この先私が経験値をつみ、万が一、夫の技術を上回ることがあろうものなら、そういう喧嘩が起きる日もあるでしょう。

いずれにせよ、好きで結婚した者同士。

私は夫がどっぷりハマっている「林業」という世界を観てみたかったし、夫が林業従事者を増やしたいと願い、行動している姿をみて、林業をはじめました。

なので、好きなことをやっている夫はやはりいつも楽しそうだし、そういう夫を身近に感じながら仕事ができる環境というのは悪くないなと感じます。

あとは私が技術を身につけ、林業を楽しめるようになるのみです。

ということで、最後はノロケまじりになりましたが、夫婦で林業やりたいと思う人はお気軽に相談にも乗りますので、ぜひ連絡お待ちしています。

日本の国土の7割は森林だと言われているにも関わらず、そんな林業に関わる仕事に就く人の人数はなんと5万人…。

日本の山をもっと活かせたらなと思うので、これからもこの林業日記をどうぞよろしくお願いいたします。

サポートありがとうございます!私たち夫婦は山を買うのが夢なので、その資金に充てさせていただきます!