技術も思想も一生飽きなさそうな会社、Gaudiy に入社しました。
昨年の6月に Gaudiy に入社して、はや7ヶ月ほど経ちました。
Gaudiy に転職してきた理由は「ずっと退屈しなさそうだから」、もっと具体的に言うと「人文系の面でも技術的な面でも自分が好きなトピックを学び続けることが仕事での成果にも結びつく状態になれそう」と感じたからでした。
まだ半年しか働いていないといえばそうなのですが、この期待値は間違っていなかった、自分が好きな領域を学ぶことが仕事に繋がる大変嬉しい会社だと感じております。
この記事は入社エントリということで、転職活動をしていた時何を考えていたかを振り返りつつ、実際しばらく Gaudiy で働いてみての素直な感想を書いていきます。願わくば同じような趣向の方、ぜひ Gaudiy で一緒に働きましょう!!💪
転職を考え始めたきっかけ
ざっくり言うと「社会の構造を変えることを考えることがその会社のビジョンに繋がる」ところに行ってみたいと思ったことがきっかけでした。
2〜3年ほど前からコテンラジオという Podcast を聴き始めたのですが、我ながらなんとも単純ですが世の中の構造をメタに見る考え方が大変エキサイティングで感化されてしまいました。今まで目前の技術を磨くことや見えている範囲での課題を解くことしかあまり考えていなかったのですが、そもそも課題を生んでいる構造自体の変革にアプローチするという視点があまりありませんでした。
“構造” という言葉自体は大分抽象的でいろんな物事にあてはめられるのですが、ここで私が興味を持ったのは資本主義社会と労働についてでした。当時感じていたことの詳細は、話し出すと長過ぎて入社エントリという趣旨にそぐわない気がするので昔書いた記事に譲ります。
そして、資本主義という構造を変えようと思った時に、様々な観点で学びがいが発生し「これは一生飽きそうにないな」と感じたため、それを学ぶことが仕事にも繋がる環境にいけると幸せになりそうだなと思いました。
Gaudiy への入社
上記のようなことをぼんやり考え始め、ハートの赴くままに気になる会社何社かと話してみました。その内の一つが Gaudiy でした。
実は Gaudiy という会社の人々とはそれより2年ほど前からかくかくしかじかで交流があり、たまたま転職を考えていた頃に YouTube の動画を作っており、今後の動画制作の方向性を Gaudiy で HR をしている山本さんに相談した折に懇親会に誘っていただき、あれよあれよと Gaudiy の魅力に気付き始めその後の面談の時には入社の気持ちが固まってました。(ちょっと流入経路が若干謎ですが、本筋ではないので詳細は割愛します)
入社を決めるにあたって私が感じた魅力は以下の3点でした。
プロトコルチームなど組織開発専門の組織が存在すること
ビジョンであるファン国家が社会の構造を変えることに繋がると感じたこと
技術的にもチャレンジング
プロトコルチームに感じた魅力
Gaudiy にはプロトコルチームという組織課題を解く専任のチームがいますした。 (※実は昨年末に事業上の優先度変更に伴いプロトコル専任のチームは解散して、プロトコルの役割を持った人が異なるチームに点在する形に変更しました。)
詳しくは下記プロトコルチームの代表である藤原さんの記事をご参照いただきたいのですが、”プロトコル”という名前が指す通り、都度都度存在する組織課題に対応するというよりは(もちろん優先度判断や課題のディスカバリーのために向き合うことにはなりますが)、そういった課題を防いだり解決されるような仕組み = 組織の共通のプロトコルを設計・実装することが目的になっています。
私が知る限り、このような自社の組織に対してしっかり組織課題を分析して打ち手を作る専任チームを持っている会社はあまり聞いたことがなく、また、その課題への向き合い方もアカデミックなリサーチも行い、時には組織開発に関わる分野の専門家・大学教授の方々と連携しているのが非常に面白いなと思いました。
ビジョンに感じた魅力
Gaudiyは「ファンと共に、時代を進める。」をミッションとして掲げてファン国家を作ることをビジョンとしています。
ファン国家は Gaudiy の造語なので、何を意味しているのかをざっくり説明します。ファン国家とはファンの熱量に駆動される経済圏で、例えば現実の活動を例にとると BTS のファンの応援活動は凄まじく、ファンたち自身で広告を企画して実行するなどもはや仕事と呼んで良いのではレベルのことを行なっています。こういった活動に対して推し対象のコミュニティ内でトークンなどの形で還元がされ、それが更に新たな推し活動に繋がる循環を作るイメージです。
…なのですが、すごい正直に言いますと最初に聞いた時はそんなに共感していませんでした。
「まあ確かにそういう活動で活きる糧が得られたら嬉しいかもね、でも個人としてはめちゃくちゃその世界観の実現にコミットしたくなるほどワクワクはしてないなぁ」というのが第一印象です。
ただ今回の転職を考え始めた状態で改めて見てみると結構深いというか、先ほど触れた資本主義の枠組みに影響を与える要素があるのではないかと感じました。
一つは自分が熱量を持ってできる活動をしているとそれが還元される仕組みは今まであまり存在していなかったので、そこである程度お金が循環するようになると労働のあり方も変わりそうだな、と感じました。
あとこれは入社後に後付けで感じ始めたことですが、エンタメという言語・国の壁を超えて魅力を持つものを通じたコミュニティによって、ちょっと大袈裟かもしれないですが世界平和に繋がったり国を超えた相互扶助の関係が築けたら熱いなとも妄想し始めました。
というようなことをオファー面談の際に代表の石川さんにも話し、反応を見た感じは彼が見ているビジョンと私が見ているビジョンはドンピシャで重なっている訳でもなさそうでしたが「Gaudiy は色んな人が夢を乗せていい」(詳細なフレーズは忘れたがニュアンスは多分そんな間違ってないはず)と言われましたし、実際入ってみると少しずつ違ったビジョンを見ている人たちがいるように思います。
何より石川さんも含めてこう言った話を大真面目にできる人たちや雰囲気があることがとても嬉しく、Gaudiy 以外にこんな職場はあまりない!多分。と感じて入社を決めました。
技術的にもチャレンジング
既に上記の時点で入社を決めてはいますが、もう一個エンジニア目線で大事だなと思ったのが「技術的にもチャレンジング」であることです。
ビジョン的にもグローバルを見据えている(実際今年多言語対応してリリース予定)ことから純粋にアプリケーションに対する非機能の要求も高いですし、後述しますがエンタメという分野は LLM や画像生成AIなどの相性が良い・活用できるユースケースが多いことから、それらをゴリゴリに活用する機会もあります。
技術的な面でコンフォートゾーンの仕事ばかりだと、キャリア的な不安というのもありますが、何より日々の仕事がつまらなくなってしまうので、Why の面でも How の部分でも楽しさがあるのが嬉しいポイントです。
入社してから
それでは「実際入ってからどうなの?」について書いていきます。
私が入社したのは2023年の6月で、一応フロントエンドエンジニアとして入社したのですが、当時入ったチームで一番ヘビーだったポイントが LLM を使った Python アプリケーション開発でした。 そのため、必然的にそれらの技術を触ってる時間が長くなり…そして今はほぼ100% LLM 周りの開発に携わっていますし、LLM の評価やアプリ開発に対して LLM に閉じない機械学習の知見も必要になってきているので最近はそれらの領域へも Hello World しています。
「LLM を使って何を作っているか」ですが、まだオープン前なので詳しくは語れないのですがデジタルツインと呼ぶ「人のデジタル上での分身」を作れるものを開発しています。
長期的には社会シミュレーション、多数の LLM エージェントが自律的に活動し、コミュニティにおける熟議や政策のテストなどより良いコミュニティを作るための手段となることを目指しています。目下の目的としてはコミュニティ内でのコミュニケーションの活発化に対して活躍しないかの検証をしています。(より詳しいことが知りたい方はぜひカジュアル面談へ💁)
デジタルツインは題材としてとても面白く、LLM の振る舞いを人に近づけていく際に「その人らしさ」を評価し、それを表現するために必要なデータを集めていく必要があるのですが、「人はどう自分らしさを感じるのか」というなんとも深遠な問いを考えていく必要があります。
また、その「自分らしさ」とは自分にとってだけでなく他の人の視点も考慮する必要があり、また、人はコミュニティ、なんならどんな関係性の人と話すか、によっても振る舞いが変わるのでそういった変数も加味して口調や話し方が変わることをゴールとしています。
という訳でテーマとしてはとても面白いのですが、実装は鬼難しいです👹
課題を語り出すと数時間余裕で話せるのでダイジェスト的に箇条書きで書いていくと
コスト・スケーラビリティの課題
GPT-4 はとんでもなく高いので他のお安いモデルやOSSモデルでなんとかする必要がある
TPM(Token Per Minutes) の制限により同時にたくさん実行するとエラーになる
精度の課題
初期はデータがなくユーザに全然似せられないので、データを入力したくなるような楽しいユーザ体験が生まれるようにプロダクトを作り込む必要がある
その人らしさを出すためになるべく情報を詰め込みたくなるが、あまりプロンプトが長くなると中間の情報が無視され始める
「その人らしさ」をどう評価するのか…
関係性やコミュニティなどにおける役割などをデータとしてどう表現するかまだ未知
テキストチャットの会話にこなれてるモデルはあまり見当たらないし、データセットもオープンなものもあまりなさそうなので長期的には自分たちで作っていくしかないのか?
のように盛り盛りで純粋に技術的に難易度高い上にプロダクトとしてはしっかり作っていかなければいけないという…。
ただ、これらの課題に立ち向かっていく上で同じ AI チームの人たちが頼もしいのももちろんですし、千葉工業大学の人工生命を研究している方々との産学連携もあり、こういった方々と日々仕事で議論をできる環境があるのが大変恵まれてるなと感じています。
また、文脈変わりますが入ってからすごいなと思ったことは少なくとも Gaudiy という会社を中心としたコミュニティは資本主義の価値観の枠組みに囚われていないと感じたことです。
代表の石川さんも「この人マジでお金を目的にしてないんだな」というのが伝わってきますし(具体のエピソードはパッと思いつかないのですがなんというか日々の意思決定や言動からスタンスが伝わってくるという感じです)、すごい印象的だったのが Gaudiy に投資してくださってる投資家の方の一人が「金儲けには絶対走るな」と仰っていたことでした。
嫌儲的な価値観と誤解されるとよろしくないので一応補足しておきますと、お金自体は会社を持続的に成り立たせるために重要だと認識しておりますし、実際今の事業での最優先事項は持続的なビジネスモデルを作ることだったりします。
ただ、資本だけが目的にならず、マネタイズに直接的には繋がらないことでも、ビジョンに繋がることであれば取り組める雰囲気があることがとても良い文化だなと感じています。
今後について
そんなこんなであっという間に半年強が過ぎ去った訳ですが、とりあえず今社会人人生で1,2を争うレベルで楽しい時期を過ごしています。
正直実現したい要求のハードルが高過ぎて恐れ慄いたり、ハードワークで乗り切る必要がありお疲れな時期があったりもしたのですが、新しいことを学ぶ・考えることが仕事において毎日求められている今大分精神が潤っています。と同時に、今は正直環境を与えてもらってる感があるので、今年はしっかり成果を出していかないとな、という気持ちも高まっています。
また、せっかく新年なので抱負的なところを述べると、今年は「ML, LLM 関連の何かしらの職種を自信を持って名乗れるようになる」を目標にしています。 昨年は半ば事業の状況に合わせて LLM 周りでやいのやいのやっていて、MLのバックグラウンドが何もないので「MLエンジニア」だったり「LLMOpsエンジニア」を名乗ることに抵抗がありました。
ただ、もう後には引けない感じになっているので、本気で LLM、必要に応じて LLM に閉じない ML の知識も吸収していって、それ関連の職種を名乗ることに自信を持てるようになりたいなと。というかそれくらいしてないと目前の課題を解決できない気がするのでやり切っていきたいと考えています。
以上、私が入社した経緯と入社してからを語ってまいりました。 Gaudiy では様々な職種で募集中なのですが、特に私としては一緒に LLM 周りのプロダクト開発をしてくれる方が来てくださると嬉しいです!
雑談からで良いので少しでもご興味湧いたら下記よりご連絡ください。
弊 AI チームのリーダのリンクも載せておきます。
それでは、お読みいただきありがとうございました!👋
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