見出し画像

【BiSH解散しちゃったね】僕が見た彼女らは、ずっと2017年12月2日のまま。

 あー、BiSH解散しちゃったね

 尊敬する人生の大先輩、元アイドルの夢眠ねむさんはいつも「アイドルは本当に儚い」「だから今の活動を当たり前と思わないで」と言っていた。

 僕はその言葉通り、推し活に関しては「絶対に後悔しない」ということを胸に誓い、どれだけ忙しい時でも地元に好きなアイドルやバンドが来たら足を運ぶようにしていた。一つ一つの機会を大切にしていた。

 今思えばその心がけは大正解だった。本当にアイドルは儚い。今思えば、清竜人25やMaison Book Girlのライブに行っておいて本当によかった。彼女らは今後99%再結成することがないし、その時期の"鮮度"はこの先二度とない。反対に6人時代のでんぱ組.incやBiS、そして衝撃のLADYBABYは見られなかった。今後絶対にありえない再結成と絶対に見られないその瞬間の彼女らの青春と輝き。僕は一生後悔するんだ。

 ただ、僕はBiSHは見られた。しかもすごくいい環境で。

 今回はBiSHの解散を心から惜しみつつ、僕が今でも夢のような時間だったと思う、あの日。2017年12月2日について書こうと思う。


 今から6年前(嘘でしょ)。僕は札幌市の高校2年生だった。あの「THE17」だ。青春真っただ中。誰しもある「あの頃」に僕はBiSHを見た。

 さっきカレンダーのアプリで2017年12月2日を調べると曜日は土曜日。その日は学校だった(はず)。うちの高校は土曜が4時間授業で、12時50分に授業が終わり、本来は13時ごろに生徒は解放されていた。だけど当日のライブは12時半開場で、13時半スタート。高校からライブ会場まで絶対に1時間はかかるし、12月の札幌なんて一面雪なので交通も信用ならない。当然、「ズル逃げ」である。

 一応先生には「家の用事でぇ…」などと抜かしたが、勘のいいガキ(友人です)には「今日なんかあるの~?^^」とニタニタ質問された。「普通のデリカシーを持ってたら人の家の用事が何かは尋ねないよ~^^」などと嫌味を返し、学校を抜け出し、スキップでライブハウスに向かった。


 当日の会場は札幌市でも比較的マイナーなライブハウスの『KLUB COUNTER ACTION』。なんとキャパは150人。当時のBiSHの人気からしてこれは異常である。なぜこんなミニサイズの場所でライブがあったか。それはこのライブが学生限定だったからである。しかもチケット代は1500円+ワンドリンク。これまた異常。WACKは金勘定ができたんだろうか…(?)

 当然こんなミニキャパのライブハウスには僕のような学生は縁がないのでなんとか道に迷わずに向かったことを覚えている。いざ到着するとなんと会場は、あの札幌が誇るこってり系ラーメンの殿堂「山岡家」の真横だった。めちゃくちゃとんこつが香り、空腹感と圧迫感に襲われた。時刻は昼時。「腹減った~~~」と苦しみつつ、会場の方に向かった。


 するとライブハウス付近がざわついている。耳をすますと、とある男子学生が友達とこんなことを言っていた。

「さっきそこのココカラファインでチッチと渡辺さんとすれ違った…」

 ・・・

 当然、チッチとはBiSHのメンバーのセントチヒロ・チッチさん。そして渡辺さんとはBiSHの所属する事務所WACKの取締役の渡辺淳之介さんだ。

 彼らのつぶやきにようやく僕は現実感を抱き始めた。

 すると間もなく「きゃあああああああああ」と叫ぶ声が聞こえた。

 その方を見ると、チッチと渡辺さんがこっちに歩いてきているのが見えた。二人はライブハウスの方に向かい、渡辺さんが先に入り、チッチは入り口で自撮りをしてから後に続いた。その時の自撮りがこちら。

 場は騒然としていた。僕も目の前で起きた一連の出来事が信じられず、ただただ茫然としていた。山岡家の香りに包まれ、腹を空かしながら…


 ようやく入場時間が近づき、人もかなり集まってきた。整理番号順に入ることができるシステムだったので、どこでライブが見られるかは完全に運しだい。自分はたしか50番台とかだった気がする。つまり最前列はおそらく無理。いけて4-5列目かな~という期待を抱きながら入場。

 ここでライフハックだが「ワンドリンク制」のライブハウスでは、入り口で500円を払ってタグみたいなものを貰う。そして中にあるバーカウンターでそれを水とかビールとかと交換するわけだ。ただ、これは別に帰りにもらったっていいわけだ。ライブを前で見たい人が水なんかもらっている場合か?否、前進あるのみなのだ。

 僕はこれを心得ていたのでタグを貰ってからはとにかく一目散に前進した。ライブ会場に入ると、なんと信じられない光景が。みんなコーラを頼んで飲んでいたのだ。みんなワンドリンク制を鵜呑みにしていたわけだ。知らないと仕方ないよね。まぁとにかく僕にとっては幸運すぎるわけで、4-5列目の予想だったはずが、なんと2列目の中央付近に滑り込むことができた。

 もうここまでくれば一安心。喉からっからで始まるのを待つだけだ。


 2列目は修羅の国だった。ライブ慣れしたキッズしかおらず、「え?お前何回目?俺?まぁ4かなw」などと抜かしておる。こちとら最初で最後じゃボケ、と念じつつ、とにかく待機待機待機。

 僕の前にいたのは男子高校生コンビ。おそらく僕と同じでライブハウスに委縮していた感じ。ただめちゃくちゃ右の方の男がイキっていて「俺たぶんダイブするw」などと抜かしておる。できるわけもないのに。そもそも禁止じゃボケ、と念じつつ、とにかく待機待機待機。

 そこから1時間近く経過し、ついにライブが始まる時間に。

 会場が暗転し、みんな慣れないだろうに「HOOOOOOOOOO」とか叫びだす。僕も「H、HOO」とか、Oが3つぐらいは言っといた(気がする)。

 しかしBiSHは出てこない。おかしいな~と思っていると、後ろの方から歓声が。BiSHはなんと我々の後ろから入場してきたのだ。

 それには会場のキッズも大熱狂。特に前のコンビの右側の男はすごかった。ありえないことにBiSHがいる後列の方に向かってタックル。そして消えていった。「会場の前列が変わったのか…?」(ぺこぱ風)と思っていると、変に冷静になっていた僕はふと気づいた。友人が突然いなくなってあたふたしている男の子と、その右の"空いた空間"に

 僕は、スッと入った。

 図らずも最前列になった僕は、突然隣が他人になっていてあたふたしている男子高校生を横目にBiSHの到着を待った。

 しばらくするとステージにBiSHが到達。ネット上にセットリストが残っていないし、記憶がかなり曖昧なんだけど確か1曲目は『SCHOOL GIRLS,BANG BANG』だった気がする。

 きたーーーはじまったーーーーーー!!!
 知らん曲やーーーーー!!!(汗)

 言い訳したくはないけど、マイナーな曲だったんです…


 その後も最前列だしあまりに近いしめちゃくちゃなことになるし、もう散々だったがとんでもなく楽しかった。BiSHのメンバーは後ろのお客さんにもファンサするためにステージの目の前の台に乗るんだけど、その台に乗るために最前列のお客さんの手首をつかむ。読んでるそこのアンタ、聞いてる?つかむんだよ?手首を。

 そりゃあ17歳の僕の心は大荒れの嵐だ。推しが誰?とかじゃなくて心からみんな好きになってしまう。あぁ、アイドルよ。

 その中でも僕の心を強く惹いたのはやはりセントチヒロ・チッチだ。彼女は最高だ。歌もうまいし、カリスマ性もあるし、なによりかっわいい。

 

 そしてライブが終わり、チェキタイムが始まった。買う気なんて最初はなかったけど、もうテンションぶち上げだし買わない理由がないだろう。英語で言うならば"Hey, Why Not?"だ。僕はチッチとリンリンと撮影したんだけど、その肝心なチェキを紛失してしまったので、後日捜索願を警視庁に提出する心意気である。本当に自分の整理できなさには呆れる。

 それでは気を取り直して、ライブ直後の当日の僕の一連のツイートをご覧いただこう。

 誰がどう考えても何かに目覚めた直後であることが伝わるはずだ。この興奮はもちろん尾を引き、僕のイヤホンからはBiSHしか流れない日々が続いた。そして心も完全に持っていかれてしまっていた。誰にって?もちろんセントチヒロ・チッチにだ。ではライブから2週間以内の僕のツイートを二つご覧いただこう。


 完全に病気である。恋という名の。


 普通、高校のころのツイートを読んだり日記を読んだりっていうのは苦しくてできたもんじゃない。ただ、BiSHを愛した時期は僕にとって宝物だ。

 また別の記事で書こうかと思っているが、当時(2015~2017)はテレビで見るようなアイドルではないグループが覇権を握りだしていた面白い時期で、いわゆるアングラアイドルシーンもすごく楽しかった。BiSHはそのブームをけん引していた存在だった。BiSHを愛し、アイドルシーンを追いかけたあの青春は何にも代えがたいし、そんな時期はもう二度と来ない。

 そんな楽しい時期をくれたBiSHには一生頭が上がらない。青春の貴重な時期をささげたメンバーもいた。一生リスペクトです。ありがとう!!


 僕なりのBiSHへのフェアウェルでした。

この記事が参加している募集

沼落ちnote

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!