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かつてのジョジョの「漫画オタクになったら真っ先に読み始めるもの」みたいなポジションにいる作品って、今はなんなのかな

かつてのジョジョは、なんというか絶妙なポジションにいたと思う。

好き嫌いを相当選ぶ絵柄や、グロテスクな展開、独特の台詞回しなどでかなりマニアックな印象を保ちながらも、
数十巻続くほどの超大作であり、しかし明確な区切りがあるので途中からも入りやすく、
それでいて子供向けのアニメ化、それに付随するメディア展開とは無縁のまま……

そして何より、天下の週刊少年ジャンプで連載されていた。

そんな特徴から、漫画オタクになって何かマニアックな作品を読み始めるぞ、という人が真っ先に読む作品といえばジョジョだった。

しかし現在、アニメ化などで起こったブームを経て、ジョジョはかなりのメジャー作品になった。

こじらせオタクだった中学生時代から愛好していた人間としては嬉しくもあり、寂しくもありだが、
一つ気になるのは「以前のジョジョのポジションに収まっている作品はなんなのか」である。

この問題(という程のことではないが)を考えるにあたって最も重要なのは「ジャンプ作品である」というポイントだ。

世の中にマニアックで面白い作品は数あれど、「真っ先に読むのはこれ!」と言えるメジャーさを持つにはジャンプ掲載であることが必須だ。
マニアックだけどメジャー、そんなバランスが大事なのだ。

となれば、現行のジャンプ作品から探すしかないわけだが、
一番相応しいのはやはり「チェンソーマン」だろう。

絵柄や雰囲気のとっつきにくさ、子供向けにはなれなさそうな作風などがバッチリだし、
今の漫画オタクは大体みんなチェンソーマンが大好きだ。

……ただ一つ、大きな難点がある。
(勝手に探しておいてこの言い種も我ながらどうかと思うが)
それは、多分もうすぐ完結するという点である。

ジョジョがかつてのポジションを維持していたのは、何年経っても現行作品だったからだ。
一緒に追いかけようぜ、という雰囲気が作れたからだ。

どんなに面白く、独特の作風で、ジャンプ連載でも、完結して「過去の名作」になったらその雰囲気は作れないのだ。

恐らくだが、チェンソーマンの作者であるタツキ先生は数十巻の超大作を描くタイプではなく、これからも10巻程度で完結する作品を何作も発表していくことだろう。
(最近のジャンプは人気があっても無理に引き伸ばさず、作者の裁量で終わっている傾向が強いが、それにしても10巻程度というのは珍しい短さだ)

そうやって何作もジャンプで発表していくなら、ざっくり「タツキ作品」がかつてのジョジョのように「漫画オタクになったら真っ先に読む作品」になるかもしれない。

……でも、ジャンプ連載に拘らなさそうな感じもするなぁ。なんとなく。
俺なんかが考えても仕方ねぇけど!!

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