よちよち歩きの物書き

その時の時事ネタや、ふっと思いついた小説を気ままに書いていきます。

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最近の記事

こんな冴えない日があるからこそ、良い日がより良く思える。 「冴えない日」に感謝!!

    • TEPPANKING

      私は鉄のフライパンを育てている。 鉄のフライパンって手入れができていれば、目玉焼きはツルン!と皿に移せる。 美味そうな焦げ目が付く。 焦げても金タワシでガシガシ落とせる。 使うほどに焦げにくくなる。育てている感があるのだ。 だが、妻は頑なに使おうとしない。 何故かと理由を問うと、鉄のフライパンは手入れが難しそう。テフロン加工は手入れが分かりやすいから。 ある日、鉄のフライパンを片付け忘れた。 流し台を見ると使いっぱなしのフライパンだけがあった。 手入れの方法

      • へそ曲がり

        空を突き刺そうと言わんばかりに真っ直ぐ伸びる杉山に、一本だけ一際ひん曲がった杉があった。まるで「弓」という漢字のようだった。 「おい、杉のくせになんで曲がってんだよ。みっともないったらありゃしない。」 「そうだそうだ、お前のせいで他の山の杉から、この山の杉山は不気味な杉山って言われてるんだぞ。」 「キツツキに突かれて、熊に爪とぎされて倒れて枯れてしまえばいいのに。」 他の杉からは忌み嫌われていた。 だが、曲がった杉はツーンとした顔で曲がり続けた。 ある日、目も開け

        • こだわり

          私はこだわりが強い。 フライパンは誰がなんと言おうと鉄のフライパンが良い。 コップは誰がなんと言おうと陶芸家の作った一品物が良い。 風鈴は誰がなんと言おうと南部鉄器のものが良い。 包丁は誰がなんと言おうと片刃のものが良い。 お湯は誰がなんと言おうと電子レンジではなく火に焚べてコンロで沸かしたものが良い。 子供は誰がなんと言おうと親を敬い、親と一緒に住む方が良い。 なに?私の使っているそのフライパンがテフロン?なんだそれは。 なに?私のこのコップはIKEA?なん

        こんな冴えない日があるからこそ、良い日がより良く思える。 「冴えない日」に感謝!!

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        • まなび
          1本
        • フィクション集
          1本

        記事

          虚言癖の溜まり場

          仕事終わりに、最近お気に入りのバーでクラフトビールと煙草を燻らせながら、その場に居合わせた人と会話するのにハマっている。 実はこのバーは変わった客が集まるのだ。 この店の客は一人客がほとんどで、客の皆が虚言しか言わない。 一昨日出会った、スーツに見をまとった新卒OLと称していた20代前半の女性は、今日は30代後半の専業主婦と名乗っていた。 最近よく見る中年の男性は、印刷会社社長と言っていたが、最近は自分が勤める会社の兄弟会社の課長と名乗っている。 しかし、私を含め、

          虚言癖の溜まり場

          根性無し焼き

          「お兄さん、ここのアザ根性焼き?wヤンチャしてたんだねぇw」 「いやいや、ちゃうんすよw仕事で擦れて、アザになったんすよw」 老いを認めたくないから言わないが、それに加え、老化で傷がキレイに治らなくなったためだろう。 根性焼き と言われているが、そもそも根性あるやつに「根性焼き」はない。 根性がないから、勉強を投げ出し悪びれてタバコをぷかぷか、そして、若気の至りで根性焼き。 正しくは 根性なし焼き 本当に根性のあるやつは、今も必死に勉学に打ち込んでいる。

          (短編小説) 相棒

          バリキャリを夢見て出てきた東京。 気付けばアラフォーに突入し、後輩が続々と出世していっている。この様子だと私の出世への梯子は外されているのだろう、しかし職場では私にしかこなせない業務も多く、私に文句を言える社員はほぼ居なくなった。 あれだけ、自分はなりたくないと思っていたお局というポジションを得たのだろう。しかし、辞める勇気も秀でたスキルも持ち合わせていないので、これからも図々しくこの会社に居座るつもりだ。 あれだけ口酸っぱく結婚結婚と言っていた親も諦めたのだろうか。唐

          「時は金なり」の功罪

          「時は金なり」という諺を長年座右の銘として生きてきた。 アルバイトや仕事で自らの時間と引き換えにお金をもらって満足していた。 「時給が高いから、よい時間の使い方だった。」 「時は金なり」のこれまでの私の解釈は 「時間=金」なので時間は大切にしましょう! というなんとも頭の中お花畑な解釈だった。 しかし、「時間≠金」が現実ということに気付いた。 時間は不可逆。金は可逆である。 金は時間ほどの価値は無い。 例えば80歳の病床に伏した老人が20代のあなたに「この身

          「時は金なり」の功罪

          ゲテモノ料理をご贔屓下さい

          私は烏賊が好きだ。 煮ても焼いても揚げても生でも漬けても何をしても美味い。 そんな中で私が烏賊料理の中で群を抜いて好きなのが、烏賊ゴロと下足を醤油と味醂で炒めた「烏賊ゴロ炒め」だ。 調理方法はいたって簡単、烏賊を丸ごと買ってきて、胴体から下足とゴロ(内臓)を引っこ抜く。 胴体は刺身用に皮を引いてラップに包んでアニサキス抹殺対策として一晩冷凍庫へ。 さて、まな板に残ったのは、ゴロつきの下足と、先程の胴体についていた皮である。 食べやすくするために、下足を適当な長さに

          ゲテモノ料理をご贔屓下さい

          夏男

          夏男は思った。この会社は向かない。 あ〜あ、こんなにも身体中に纏わりつく鬱陶しい暑さと、水気を孕んだ青い高い空と、ジージージージーとまさに騒音以外の何物でもない蝉の大合唱と、圧倒されるような巨大な壮大な入道雲が憂鬱に感じるとは。 こんな日はアイスクリームが売れるのだ。次の日は納品数も増え、配送店舗も増え地獄と化す。 話を聞けば夏が好きという社員は誰ひとり居ない。 声を揃えて 「夏?ああ、マジで地獄だよ(笑)」 「夏なんて早く終わればいいのに。」 夏男にとって夏は

          迫る程に遠のく

          長年憧れを懐いていた富士山の麓に生活の拠点を移した。 「これで、毎年富士山に登ることができるぞ!キャンプだってできる!いや〜、長年の夢が叶う!なんて俺ってついてるんだ!」 と意気揚々と静岡に越してきて早くも6年、一度たりともキャンプどころか、富士山付近まで近づいたことも無い。 登山なんて夢のまた夢。 今となっては「あぁ、今日も富士山キレイだなぁ…」 とポツリと心のなかで呟くだけだ。 なぜこうなったかって? 静岡に越してきて、インドア派の妻に諭され、すぐさま勉強期

          ド派手に転けて男泣き

          ド派手に転げました。 それはそれは見事な転げっぷりでした。 周りに人がいろうものなら、心配され、駆け寄られるほどド派手に。 そして35歳!男!妻子持ち! 泣きました!しかし!特記すべきはその泣き方! 声を上げて泣くのではなく、激しい吐き気に見舞われ、何度も何度も嗚咽しがながら涙がポロポロと流れ落ちました。 そこで自分は気付きました。息子が産まれたときは、溢れるものを堪えきれず、ポロポロ泣けました。 しかし今はどうでしょう、ポロポロ泣くのではなく、けっして泣いてい

          ド派手に転けて男泣き

          電気自動車や太陽光発電等の高度なエコって、巡り巡るとエコではなく、エコ風。製造段階でもかなりの二酸化炭素を排出し、寿命が来ると、使い回せない自然界に返ることのない粗大ゴミと化す。 一番有効なエコって、ポイ捨てしない、電気をつけっぱなしにしない。 皮肉な話、最高のエコは死ぬ事。

          電気自動車や太陽光発電等の高度なエコって、巡り巡るとエコではなく、エコ風。製造段階でもかなりの二酸化炭素を排出し、寿命が来ると、使い回せない自然界に返ることのない粗大ゴミと化す。 一番有効なエコって、ポイ捨てしない、電気をつけっぱなしにしない。 皮肉な話、最高のエコは死ぬ事。

          無粋を極める

          昨年は沢山のスキを下さり誠にありがとうございました。 皆さんのスキがどれだけ自分の支えになったでしょうか。 今年もマイペースに作品の方をポツポツと上げていけたらいいなとおもっております。 今年もよろしくお願い致します。 もはや新年の挨拶がこの時期というのは、無粋を極める一環なのでしょうね。 あの人空気読めるねー! あの時のあの返し、気が利くねー!! 君がいると場が和むよー!! ……どれだけ憧れたことか。 どれだけ憧れて、粋な事を言って俺も注目のマトになってや

          太陽の太陽

          月がポロポロと星の様な涙を流して泣いていた。 太陽「どうしたんだい?身体が細くなってしまってるじゃないか。前はキレイな真ん丸だったのに!」 月の後ろでチラチラこっちを見ている地球は、どこかバツが悪そうな顔をしている。 月「いえ、なんでもありませんから、構わないでください。」 太陽「これはヒドイ!こんなに痩せてしまって、、、殴られた跡だってある!一体誰がこんなことを…」 地球「お前のせいだ!太陽のせいなんだぞ!俺が月のことをこんなにも想っているのに、太陽に照らされた時

          白昼夢

          ある日、昼寝をしてると不思議な夢を見た。 建物や車や人どころか、鳥や小さな虫などの生き物の気配すらない荒野の中の一本道のど真ん中に僕は立っていた。 ここはどこなのか、そしてどっちに進めばよいのか全く分からないが、なんとなくこっちかな?という方向に進んだ。しばらく道を歩いていると、遠くの方で人影が見えた。 段々と近付いてきて、男の子と老人の2人がいるということがわかった。 あちらも私に気づき、手を振ってくれている。 更に近づき、段々とその男の子と老人の顔がわかって来ると