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太陽の太陽

月がポロポロと星の様な涙を流して泣いていた。

太陽「どうしたんだい?身体が細くなってしまってるじゃないか。前はキレイな真ん丸だったのに!」

月の後ろでチラチラこっちを見ている地球は、どこかバツが悪そうな顔をしている。

月「いえ、なんでもありませんから、構わないでください。」

太陽「これはヒドイ!こんなに痩せてしまって、、、殴られた跡だってある!一体誰がこんなことを…」

地球「お前のせいだ!太陽のせいなんだぞ!俺が月のことをこんなにも想っているのに、太陽に照らされた時しか良い顔をしない!だから俺は月のことを思って…」

地球はしどろもどろに下手な言い訳を吐き出した。

実は太陽は月に惚れていた。

太陽(あのきれいな月をこんなになるまで、、、)

太陽は怒りに震え、フレアを吹き出した。

太陽「月よ、今すぐにでも僕のところにおいで、あなたの事を大切に出来ないやつのそばにいる意味なんか無いじゃないか。」

月「でも、本当はひどいことをする星ではないんですよ。たまたま虫の居所が悪かっただけなんです。わんわん泣きながらごめんごめんよと謝ってくれるんですよ。それに、私がそばにいないとあの星、ダメですから。」

太陽「でも、、、」

月「心配してくれてありがとうございます。」

月は、げっそりした身体をまたいつものように地球のそばに寄せていった。

太陽は、月に届かぬ想いを胸に、月を照らし続けることにした。

月を美しい姿に照らし続ける事ができるのは、自分しかいないと信じて。


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