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ますますエンドレスで永遠な命の連環を創りつつある堂本光一、新しい風を吹かせた佐藤勝利…★劇評★【ミュージカル=Endless SHOCK -Eternal-(2022)】

 すべてはコロナ禍という未曽有の災厄下でできることは何かを突き詰めて生み出されたスピンオフ版のミュージカル「Endless SHOCK -Eternal-」。劇中で起きる悲劇から3年後の仲間たちを、その悲劇の主役であるコウイチが俯瞰しながら、悲劇に至る道とその瞬間の彼ら自身の思いを心の声をオープンにすることも含めて振り返る物語だ。2020年秋の大阪公演に向けて堂本光一が急遽繰り出した苦肉の策ではあるものの、2021年の東京・帝国劇場公演、そして今年の帝劇公演と回を重ねてスピンオフとしても充実の道を重ねている。さまざまな構成の工夫は物語を立体的にし、そして3年前と今という2つの時間軸を設けたことで心理描写などに厚みをもたらす効果を上げている。今年2022年の帝劇公演は製作発表の2日前まで悩んだ末、「Endless SHOCK」ではなく「Endless SHOCK -Eternal-」を上演することを決めた堂本。舞台では観られない新キャストでの本編無観客上演を撮影した映像を配信することで、観客はもう一つの視点も獲得する。スピンオフでしか知り得ない世界を知ることで本編の物語の奥行きが増し、本編を観ることでスピンオフの世界が豊かになる。堂本のどこまでも心憎い配慮は、堂本が演出家としても飛躍的な成長を遂げていることを意味する。しかも「SHOCK」の舞台に初登場のライバル役、佐藤勝利は鋭い焦燥感に煽られる人物像を造形して新しい風を吹かせることに成功している。堂本が時と空間と物語でつなぎ合わせた世界は「SHOCK」サーガとでも言うべき遠大な世界となり、ますますエンドレスで永遠な命の連環を創りつつあるように感じさせた。いつか、堂本が、そして私たちが「Endless SHOCK」に戻った時、「Endless SHOCK -Eternal-」は血となり肉となるだろう。(画像はミュージカル「Endless SHOCK -Eternal-」とは関係ありません。単なるイメージです)
 ミュージカル「Endless SHOCK -Eternal-」は2022年4月10日~5月31日に東京・丸の内の帝国劇場で、9月に福岡市の博多座で上演される。ただし、福岡公演では、劇場オーナー役の前田美波里とライバル役の佐藤勝利は出演せず、それぞれの役を島田歌穂と北山宏光が演じる。

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★ミュージカル「Endless SHOCK -Eternal-」公演情報

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