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壁を越えていけるだけの跳躍力を持った上質なエンターテインメント作品★劇評★【ミュージカル=キンキーブーツ(2016)】

 つぶれかけの靴メーカーが、大量生産や安売り合戦で競ってみても、勝てるわけはない。全体のパイは多くなくても、確実に買ってくれる層の心をがっちりとつかみたい。しかしそれにはその層にいる人たちの要望や事情をしっかりと把握し、他のどこにも作れないものを作らなくてはならない。それには互いを深く理解することが何よりも重要だ。そんなまるで経済の教科書を見ているような設定の中に、人間の感情やプライドや夢が弾け、とびっきり演劇的な空間に彩られている。だからミュージカル「キンキーブーツ」は単なる夢物語ではない経済の原理にしっかりとした基礎を置いたエンターテインメントであり、なおかつ性別や、マジョリティーとマイノリティーの壁を越えていけるだけの跳躍力を持った作品。実力派集団が結集した話題のミュージカルで鍛えてきた小池徹平と三浦春馬がダブル主演で初めて出会ったこのミュージカルはまさに2人にとっての「運命」だといって差し支えないだろう。(写真はミュージカル「キンキーブーツ」とは関係ありません。イメージです)

 ミュージカル「キンキーブーツ」日本人キャスト版は8月6日まで東京・初台の新国立劇場中劇場で、8月13~22日に大阪市のオリックス劇場で、8月28日~9月4日に東急シアターオーブで上演された。

★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。

★劇評の続きを含む劇評の全体像は普段は下記のサイト(阪 清和 note)で普段は有料(100円)公開していますが、急逝した三浦春馬さんの4回忌にあたり、2023年7月23日から9月30日までの70日間に限定して全文無料公開していました。10月1日をもちまして元々の有料(100円)公開に戻しましたので、ご了承ください。下のリンクをクリックしてnoteに移動してお読みください。作品の魅力や前提となる設定の説明。三浦春馬さん、小池徹平さんらの演技に対する批評、演出や振付に対する評価などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

★ミュージカル「キンキーブーツ」日本人キャスト版公式サイト

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