AdobeStock_10669740_Previewロミオとジュリエット

人間本来のエネルギーが喜怒哀楽という感情を明滅させながらはてしなく増幅されていく醍醐味に満ちた作品…★劇評★【舞台=泣くロミオと怒るジュリエット(2020)】

 町はいつも煤けてて、だめな大人がたくさんいた。人一倍優しいくせにすぐに怒るし、すぐに泣く。そんな愛すべき人間たちのたまり場だった町、大阪が大好きだった。私自身、ディープOSAKA生まれなので当然と言えば当然なのだが、なんだかみんな本気で一生懸命生きていたような気がする。そんなアツい、とある関西の港町を舞台に「ロミオとジュリエット」の世界を下敷きにした波乱万丈の物語が連日、東京のちょっと澄ました町、渋谷で上演されている。当然、大阪でも上演されるが、このギャップがなかなかに良い。「焼肉ドラゴン」などで知られる劇作家・演出家の鄭義信(チョンウィシン)がジャニーズWESTの桐山照史を主役に全編バリバリの関西弁とオールメール(女性役も男性が演じる)で繰り広げる舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」は、人間本来のエネルギーが喜怒哀楽という感情を明滅させながらはてしなく増幅されていく醍醐味に満ちていて、近年稀に見る快作となっている。(画像は舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」とは関係ありません。イメージです)
 舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」は、2020年2月8日~3月4日に東京・渋谷のシアターコクーンで、3月8~15日に大阪市の森ノ宮ピロティホールで上演される。

★「SEVEN HEARTS」の舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」劇評ページ

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★舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」公演情報

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