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「生きねば」、そして「いつか心の底から笑わねば」と思わせてくれる仕上がり。コロナ禍の観客の心に染みる…★劇評★【ミュージカル=屋根の上のヴァイオリン弾き(2021)】

 かつて行く先々で迫害され、流浪の旅を続けてきたユダヤ民族の姿を通して人類の負の側面を描くとともに、その何倍もの輝きを持って、「どんなに辛いことがあっても生き抜いていく」ことの大切さを伝えてきた不朽の名作ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」。森繁久彌、上條恒彦、西田敏行と引き継がれてきた主人公のテヴィエは現在は21世紀版の中心となる市村正親が盤石の扇の要を務めている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で不自由な生活や観劇を強いられている観客には、テヴィエ一家、そしてユダヤの民が暮らすロシア帝政化にあったウクライナの寒村アナテフカの人々の心細く不安な気持ちの中での毎日には胸が締め付けられるはず。寂寞の思いと郷愁が私たちの心を震わせた例年の公演以上に、あやふやながらも暗いトンネルの先に見える「希望」と人々の生きる「力」の確かさが、今年は何とも頼もしく見えた。「生きねば」、そして「いつか心の底から笑わねば」と思わせてくれる仕上がりだった。(画像はミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」とは関係ありません。イメージです)
 ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」は、2月6日~3月1日に東京・日比谷の日生劇場で、3月5~7日に名古屋市の愛知県芸術劇場大ホールで、3月12~14日に埼玉県川越市のウェスタ川越大ホールで上演される。

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★「SEVEN HEARTS」のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」劇評ページ

★ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はこのサイト「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。市村正親さんや鳳蘭さん、凰稀かなめさん、唯月ふうかさん、屋比久知奈さんら俳優陣の演技などに対する評価が掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

★ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」公演情報

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