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木村達成・早見あかり・須賀健太の演技が激しく絡み合い、不条理な鎖にがんじがらめになった情念の恐るべき行く末を鮮やかに描き出す渾身の一作となった…★劇評★【舞台/血の婚礼(2022)】

 のどかな田園地帯であっても土地の因習は残酷な結果を連れてくることがある。何かのきっかけで、過去のマグマが噴出してくることもある。突然空いた裂け目は目を覆いたくなるような惨状を私たちに見せることだってあるのだ。スペインの劇作家、フェデリコ・ガルーシア・ロルカの舞台「血の婚礼」は人間や地域社会の美と醜、光と闇を交互にあるいは同時に明滅させながら私たち観客に原初的な愛の激しさと、後戻りできない未来への暴走のタイトロープ(綱渡り)のような危うさを突きつけてくる。女優としての圧倒的な潜在能力が早くから指摘されていた早見あかりと、スマートながら芯のある演技の進境が著しい木村達成、舞台を重ねるごとに説得力のある演技が深みを増す須賀健太の3人が激しく絡み合い、不条理な鎖にがんじがらめになった情念の恐るべき行く末を鮮やかに描き出す渾身の一作となっていた。演出は杉原邦生。(写真は舞台「血の婚礼」とは関係ありません。単なるイメージです)
 
 舞台「血の婚礼」は、2022年10月15~16日に大阪市の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。これに先立ち、9月15日~10月2日に東京・渋谷のシアターコクーンで上演された東京公演はすべて終了している。
 
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★舞台「血の婚礼」公演情報

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