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魅了されるシーンがつづれ織りのように重なる、忘れ難い余韻を残す作品になった…★劇評★【舞台=アユタヤ(2021)】

 演劇は関係性の芸術とも言われる。登場人物が複数いれば、そこに関係性が生まれるし、会話も生まれる。一見その例外に見える一人芝居だって仮想の相手がいる。つまり、人間のいるところ、すべてが演劇の材料なのである。日本人町があったころのアユタヤ(現在のタイ)を舞台に、日本人移民や混血の人々、現地の人間たちに巻き起こる悲喜こもごもの出来事を描いたMONOの第48回公演「アユタヤ」は、異国の地ながら日本人を中心としたひとつの集団が互いの関係性を変化させながら、ひとつの方向性へと収束していく様を彩り豊かに描いたという意味で、まさしく演劇そのものの作品。すべてのキャラクターに感情を移入してしまうような主宰の土田英生の高い作劇力もあって、魅了されるシーンがつづれ織りのように重なる、忘れ難い余韻を残す作品になった。(画像は現代のアユタヤですが、舞台「アユタヤ」とは全く関係ありません。イメージです)
 舞台「アユタヤ」は2月17~21日に大阪市のABCホールで、2月26~27日に広島市のJMSアステールプラザ多目的スタジオで、3月2~7日に東京・東池袋のあうるすぽっとで上演された。公演はすべて終了しています。

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★舞台「アユタヤ」公演情報=公演はすべて終了しています

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