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人生で初めて感じるような感情と出会わせてくれる稀有な作品…★劇評★【ミュージカル=ラブ・レター(2022)】

 言葉とは不思議なもので、「言霊(ことだま)」という深遠な考え方を持ち出さなくても、言葉そのもの自体に強い力を宿している。複数の意味を持って誰かに伝わることもあるし、時を経て意味が変化することもある。その言葉を受け取る人の数だけ意味があると言っても過言ではない。それが手紙なら、言葉の集合体だから、なおさらだ。浅田次郎の小説「ラブ・レター」を原作に音楽座ミュージカルが舞台化した音楽座ミュージカル「ラブ・レター」は、そんな言葉の力をまざまざと私たちに見せつけてくれる。一つの言葉は、その人の今日を、明日を、そして時には過去までも変えてしまう力を持っているのだ。浅田のストーリーテリングの素晴らしさに加え、音楽座ミュージカルが磨き上げた個々人の心理を繊細に映し出す演出術が、複雑にデザインされた歌やダンスと相まって、人生で初めて感じるような感情と出会わせてくれる稀有な作品となった。(写真はミュージカル「ラブ・レター」の一場面。((c)ヒューマンデザイン、撮影:二階堂健)

 音楽座ミュージカル「ラブ・レター」は2022年8月24日に名古屋市の名古屋市公会堂大ホールで、9月3日に広島市のJMSアステールプラザ大ホールで、11月3~6日に東京・赤坂の草月ホールで上演される。これに先立ち、6月22日に神戸市の神戸文化ホール中ホールで開かれた神戸公演と、7月1~3日に東京・赤坂の草月ホールで開かれた東京(夏)公演は既に終了している。

★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。ブログではここに挙げた2枚を含み計6枚の舞台写真をご覧いただけます。

★通常、ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。今回は特別に掲載から1カ月間に限り、全文無料で公開していましたが、お約束通り、2022年8月27日からは有料(300円)での公開に変更いたしました。
★なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。小林啓也さん、森彩香さん、安中淳也さん、岡崎かのんさん、井田安寿さんら俳優陣の演技に対する批評、ワームホールプロジェクトの演出に対する評価などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

★音楽座ミュージカル「ラブ・レター」公演情報

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