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舞台と客席の関係がある一線を越えた時、演劇という世界に何が起こるのか…★劇評★【舞台=ほんとうのハウンド警部(2021)】

 劇評家は常に客観的な視点で舞台を観ているものではあるが、時折、そうした頭の中の世界に自分の生活におけるさまざまなものが溶け出すことがある。舞台上で展開している物語と自分が経験したことの共通点や、登場人物からインスパイアされたことなど、多くは自分自身の核の部分には影響を与えないものだが、中には劇評家自身の心の中に侵入して、2つの世界を分かちがたく混ぜ合わせてしまうことがある。それが昂じてほとんど見分けがつかなくなると、劇評家はもう舞台に立つ役者になり、さらには、舞台で演じられている物語の世界の住人になる。そんなことを彷彿とさせてしまうのが、今、東京・渋谷のシアターコクーンで上演されているシス・カンパニー公演「ほんとうのハウンド警部」。舞台と客席の関係がある一線を越えた時、演劇という世界に何が起こるのか。世界の鬼才トム・ストッパードが仕掛ける、恐ろしくも興味深い物語が展開する。演出は小川絵梨子。(画像は舞台「ほんとうのハウンド警部」とは関係ありません。イメージです)
 舞台「ほんとうのハウンド警部」は3月5~31日に東京・渋谷のシアターコクーンで上演される。

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★「SEVEN HEARTS」の舞台「ほんとうのハウンド警部」劇評ページ

★ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はこのサイト「阪 清和note」で有料(100円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。生田斗真さんや吉原光夫さん、趣里さん、池谷のぶえさん、鈴木浩介さん、峯村リエさん、山崎一さんといった俳優陣の演技や、小川絵梨子さんの演出や舞台表現などに対する評価が掲載されています。

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★舞台「ほんとうのハウンド警部」公演情報

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