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最前線のテクニックと生身の人間にできることを徹底追究して舞台空間に鮮やかに描き出した魔法世界、その秀逸さは断トツの出来…★劇評★【舞台=ハリー・ポッターと呪いの子(藤原竜也・早霧せいな・竪山隼太・宮尾俊太郎・馬渕英里何・福山康平・斉藤莉生・美山加恋・橋本菜摘・岩田華怜・木場允視・福井貴一・榊原郁恵出演回)(2022)】

 昨年のミュージカル「アナと雪の女王」、今年の舞台「千と千尋の神隠し」に続いて、舞台上の超常的で魔術的な表現について楽しみにしていたのが、TBSやホリプロなどが共催してロングランがスタートした舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」だ。三者三様の良さはもちろんあるのだが、「ハリー・ポッターと呪いの子」はマジックやイリュージョンの最前線のテクニックも駆使しながら、一方で生身の人間に表現できることも徹底追究し、双方を絡み合わせることで魔法世界の数々の超人的技術を舞台という謎と幻惑に満ちた空間に鮮やかに描き出した点で秀逸さは断トツ。作者のJ.K.ローリング自身が「映画の舞台化でもなく、原作のミュージカル化でもなく、全く新しいオリジナルの演劇を目指した」(ウェルカムメッセージから引用)と言っていることからも分かるように、原作の小説群とは違うオリジナルの物語を創り出してこの舞台作品の独創性を生み出すことを第一目標に置き、さらには原作の知識を知っていれば知っているほど面白さが増すマニアにとっても嬉しい作用も利用しているところが、思わずうなるほど巧い。英雄となった魔法使いの子どもに生まれてしまった苦悩と、ハリーの運命を今もかき乱す宿命のおどろおどろしさという演劇と相性の良いテーマを組み合わせる複数世代の物語設定が幅広い世代の観客を惹きつける原動力にもなっている。藤原竜也、石丸幹二、向井理という俳優としてのキャラクターが全く違うハリー役のトリプルキャストシステムの採用と合わせ、日本人キャスト版はオリジナル版にも負けない高い戦略性と究極のエンターテインメントが両輪となって、果敢に挑戦するロングランの道を駆け抜けていきそうだ。(写真は舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」とは関係ありません。単なるイメージです。実際の舞台写真はブログ「SEVEN HEARTS」でご覧になれます)

 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」は2022年7月8日から東京・赤坂のTBS赤坂ACTシアターで本公演の上演がスタート。8月11日現在、来年2023年1~5月のチケットを発売中。
 なお、公演関係者の中に新型コロナウイルスの陽性者が出たため、本公演日程のうち、7月26日昼の部、7月27日夜の部が中止。7月28日昼の部から上演を再開したものの、再び7月31日昼・夜の部、8月2日昼の部が中止。さらに8月3日夜の部~8月10日夜の部の9公演が中止された。その後、8月11日昼の部~8月13日昼の部までの3公演も追加で中止が決まった。公演は8月13日夜の部から再開されている。
 一部の公演はキャストスケジュールにも変更が出ているため、公式サイト内の下記のページで最新情報を確認してください。

★最新の上演状況が知らされる舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」公式サイトの「NEWS」ページ

★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログでのみ公開しております。

★通常、ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。ただし、今回は、公演の中止で鑑賞の機会が何カ月も後ろ倒しになった方もいらっしゃることに配慮して、特別に掲載から1カ月間は100円で公開いたします。2022年9月15日からは通常の300円に変更しますのでお気を付けください。
★なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。藤原竜也さんや、早霧せいなさん、竪山隼太さん、宮尾俊太郎さん、馬渕英里何さん、福山康平さん、斉藤莉生さん、美山加恋さん、橋本菜摘さんら俳優陣の演技に対する批評、演出や舞台表現に対する評価などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは原則として2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

 なお、今回の公演では、主役のハリー・ポッターはトリプルキャストで、ハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリー、ドラコ・マルフォイ、ジニー・ポッター、アルバス・ポッター、スコーピウス・マルフォイ、アルフィーがダブルキャストであるため、数えきれないほどの組み合わせが組まれていますが、取材機会の関係で劇評を掲載するのは、「ハリー・ポッターと呪いの子(藤原竜也・早霧せいな・竪山隼太・宮尾俊太郎・馬渕英里何・福山康平・斉藤莉生・美山加恋・橋本菜摘・岩田華怜・木場允視・福井貴一・榊原郁恵出演回)」に限らせていただきます。ロングラン上演はされますが、なにしろ超人気公演ですので取材機会も限定されます。どうかご了承ください。公演が進み、別の組み合わせの公演を取材する機会があれば、その組み合わせの劇評を掲載することをお約束します。ただしその可能性があるかどうかは現時点ではまったく不明です。
 この劇評ではカバーできない中別府葵さん、エハラマサヒロさん、松田慎也さん、馬渕英里何さん、藤田悠さん、門田宗大さん、宝意紗友莉さんのファンや関係者の方には大変申し訳なく、心苦しく思っております。またの機会に採り上げさせていただければ幸いです。ご容赦ください。
 ただし、ブログでのみ掲載する舞台写真は、「ハリー・ポッターと呪いの子(藤原竜也・早霧せいな・竪山隼太・宮尾俊太郎・馬渕英里何・福山康平・斉藤莉生・美山加恋・橋本菜摘・岩田華怜・木場允視・福井貴一・榊原郁恵出演回)」に限定せず、いろんな組み合わせが出てきますので、ご覧になってください。ただし、先ほどカバーできないことをお知らせした方々の中で写真に写っていない方もいらっしゃいます。重ね重ねで申し訳ありません。ご容赦ください。

★舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」公式サイト

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