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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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#井上ひさし

法律との向き合い方を強烈に描いたこの作品は、あらためて描かれた時代も書かれた時代…

 井上ひさしがそれ以前から強烈な関心をもっていたに違いない東京裁判。ミレニアムの2000…

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芝居や演技が愛すべきものであることを示すとともに、演劇がさまざまな思いの突破口、…

 いろんな災厄や災害があった時、もっとも早く再開される、あるいはその状況を受けて新たな作…

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ないがしろにされる感性や文化、庶民がユーモアや希望を忘れずに戦争という時代に立ち…

 太平洋戦争のころの日本の庶民の暮らしがどれほど悲惨で大変だったか、焼夷弾がどれほど恐ろ…

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弾けた演技力示す鈴木壮麻と八面六臂の賀来千香子、生きることと死ぬことの間にある人…

 人は意識がない時も夢を見ることがあるという説が有力だが、それが生死の境をさまよっている…

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世論が移ろいやすくなった脆弱な現代と怖いほどリンクする恐るべき作品であることが初…

 吉良上野介の視点から赤穂浪士らの吉良邸討ち入りを描く―。よくある「外伝」や「スピンオフ…

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すべてを覆いつくすのがあの人類の悲劇と分かっていても、一瞬一瞬を懸命に生きた人間…

 どんなに過酷な状況に追い込まれた登場人物たちを扱っていても、井上ひさしの作品にはその一…

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窮状の中でもしおれず立ち上がる女性たちのしなやかさが香りたち、気品のある力強さにあふれた作品に結実…★劇評★【舞台=貧乏物語(2022)】

 貧富の差が広がり続けているというのに、その解決への機運が一向に盛り上がらない、不思議の国にっぽん。政治的なエネルギーにならないばかりか、「貧困を解決してこそ本当の経済的な豊かさは得られる」という欧米や世界の経済学では常識の考え方でさえ、日本では政治家や国民の間で共有されていない。そしてその貧困問題というものは、近代社会が始まって以降、高度成長やバブリーな時代も含めて今に至るまで変わっていないのだ。世の中が多少浮かれていた大正という時代に庶民の側から貧困問題の研究と解決に立ち

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さらなる成長を誓ってどん欲に作品に立ち向かおうとする役者の業がぶつかり合う迫力を…

 偽物を偽物でなくするためには、徹底的に本物を追究しなければならない。井上ひさしの舞台「…

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女優同士のマウンティングにニヤリ、監督の思惑にヒヤリ。誰ひとり置き去りにせず混迷…

 井上ひさしの物語の中には物語がある。それは言葉通りの「劇中劇」であったり、過去の回想や…

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こんなに日常が心に染みる芝居もない。相反するものを明滅させながら深まっていく物語…

 演劇空間は観客にとっては非日常の空間である。幽霊が登場するのも、科学で証明できない以上…

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ひとつひとつの言葉を生活に密着した切実な言葉として発しつつも、永遠の地平に詩的な…

 二人芝居は当然のことながら登場する2人の人物が交わす会話からすべてが表現されるが、井上…

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暗い時代にあっても笑いと生命力が息づく時代を描く人情喜劇として成立。市井の人々の…

 水谷八重子の女優としての生きざまを描きながらも、水谷八重子は一度だって登場しない。つま…

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戦争が個人にもたらす残酷な仕打ちへの怖れと人生の哀歓がこもった得難い余韻を残して…

 戦争は恐ろしい。そう言ったとしても本当に実感としてそう感じてくれているのかどうかを推し…

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ひたひたと迫る地獄のような戦争の地響きの中で咲く「生」という花々の意味合いがより明確に浮かび上がる仕上がり…★劇評★【舞台/音楽劇=きらめく星座(2020)】

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