見出し画像

「虐待の連鎖」という言葉は非科学的な迷信に過ぎない

私は母親から虐待を受けて育っており、恐らく反応性愛着障害があります。

愛着障害というのは主に幼児期に診断されるものであり、大人になって診断されるような類のものではなく、特に診断を仰いでいる訳では無いのであくまでも自己判断ではありますが。

具体的には「人間社会や集団に対して帰属意識が持てない」「他者との距離が遠く、人に依存しない」「他人といることにストレスを感じやすく、1人を好む」「目を見て話すことが苦手」「他者にあまり興味を示さない」などです。その他にストレスなどにより自律神経失調症や目眩、胃痛、嘔吐、頭痛、頻脈、過呼吸等、体調面での不調が伴います。

有名どころでは夏目漱石などは生い立ちや神経症や不調に苦しんでいた様子などから反応性愛着障害があったのではないかと思うのですが、糖尿病の体質だったり食いしん坊だったり、考え方や性格的なもの、ジョーダンや、物理が好きなところまで個人的に共通点が多く非常に親しみを感じていたりします。


ところでこの世には、虐待事件が起きる度に「虐待の連鎖」という言葉の武器で人をぶん殴ってボコボコにして踏みにじってご満悦の人間が存在します。

ものすごくムカつくので、私も「虐待育ち」であることを免罪符にそいつらをぶっ殺してやりたいなと常々思っています。きっと虐待育ちだから仕方がないと無罪放免にしてくれることでしょうね。

そういう連中は、何故虐待育ちが「虐待の連鎖」と言われるとムカつくのかも理解できないほど頭が悪いのでしょう。

「子供の頃レイプされた人間は大人になるとレイプ犯になる」とか「泥棒された人間は泥棒になる」「殺された人間は大人になったら殺人犯になるから死んだ方が良い」と言っているのと同じです。はっきり言ってキチガイです。

彼らの「虐待の連鎖」の根拠は、1980年代に米国の心理学者が行った研究で、虐待が連鎖する割合は33%になるという結論によるものです。

しかしご存知でしょうか。

IQは50~60%、外向性などのパーソナリティは30~50%の遺伝の影響があることがわかっています。
親からの遺伝は子供に影響を与えますが、神経質、外向性、勤勉性など一部の性格は30%、運動神経は40%の遺伝率だそうです。それに対して知性の遺伝率は50%以上で、他の要素に比べかなり高くなっています。

ここにある通り「虐待の連鎖の確率33%」は、まんま「親からのパーソナリティが遺伝する確率30%」そのものなのです。

個人的な話をすると、私は搾取子で母親から教育ネグレクトや家事労働の強要、暴力や人格の否定などをされて育っていますが、兄は愛玩子で家の手伝いは全く求められず、母は兄の部屋だけは掃除機をかけたり(もちろん私の世話は一切しません)、塾や習い事、進学も至れり尽くせりでした。頭が悪いのでそこまでしてもらっても落第し、結局大工になっていましたが。

父と母は不仲で、兄は母親に似ていて寵愛され、父親似の私は「父親に似て可愛くない」と何かにつけて殴られました。私は高IQな事もあり、母や兄とは話が合わなかったことも原因の一つかもしれません。

私は虐待を受けて育っているが、兄は溺愛されて育っている。その兄は非常に暴力的で薄気味の悪い人間性で、妹の私の腕を後ろに捻じあげて「肩を脱臼させてみたい」とニヤついたり、蹴飛ばしたり殴られたりしたし、友人が泊まりに来ると一緒に私のふろ場を覗いたり、洗濯物を探ったり、性的な嫌がらせをしたり、また恋人が出来るとその恋人を山道に置いてけぼりにして帰ったとドヤ顔したりしている性格破綻者で、母親にそっくりでした。

要は気質や暴力性などのパーソナリティなものが親から遺伝する確率は30%程度あり、それは育て方ではなく単なる遺伝であるということです。

虐待育ちでも、虐待親から気質の遺伝を受けていなければ親には似ていませんし、血縁関係の無い人間からの虐待であれば尚更似る要素はひとつも無い。

関連性の無いことを有ると思い込み、本人には選べない生い立ちを根拠に、被害者を加害者と混同する人間の頭の悪さをどのように表現すればいいのでしょうか。

猫が家具で爪を研ぐのを止めさせたい時に、見えない位置から霧吹きで水をかけると、猫は「ここで爪を研ぐと嫌なことが起こる」と学習し、爪をとがなくなるそうですが、殊更に「虐待の連鎖」と言いたがる連中もその猫と同じくらいの知能なのかも知れませんね。


ちなみに「同じ遺伝子の3人の他人」というドキュメンタリー映画があり「同じ遺伝子を持っている双子をそれぞれ別の環境で育てたら、人の運命に大きく作用するのが遺伝子なのか環境なのかがわかるはず」という目的の為、複数の双子や3つ子などを別々の環境で育てて記録したものが残されています。

人道的にはかなり大きな問題がありそうですが。


彼らは意図的に下層、中流、上流などに分けられ、親の育てかたもそれぞれ異なる。

しかし同じ遺伝子をもつ者たちは、顔、髪、表情、仕草だけでなく、趣味や嗜好、好きなスポーツやタバコの銘柄まで同じ。そして双極性障害などの精神疾患も共通して見られ、また、専攻する研究分野などまで一致したそうです。

人間には遺伝子があり、それによって一人一人個性があります。気質や知能指数、認知能力、脳の状態などは、育てられ方で変わるのではなく、初めに遺伝子によって定められています。もちろん怪我や病気、薬物の影響などで脳を損傷することはあるでしょうが、虐待を受けるとなるのは「愛着障害」であって、「虐待行為を行なう異常者の脳みそ」になるという事実はありません。そんなふうに育てかた一つで人格をコントロール出来るとしたら、この世の教育者や親はこんなに教育に苦労するでしょうか?

教育や社会が出来ることは「ケーキの切れない非行少年たち」にもある通り、脳の機能にハンデを持つ子供たちを掬いあげ、適切なサポートを与えることくらいです。

元々暴力的な素養のない高IQの人間は、愛着障害で人間嫌いにはなっても、虐待はしません。子供はとても可愛いし楽しく暮らしているのに、虐待する意味もないし、暴力をふるいたいとも思わない。血なまぐさい残虐なことには嫌悪感があるし、気持ち悪いです。

脳や遺伝子についての研究も進んだこの21世紀に、未だに1980年代の知識からアップデート出来ないような恥ずかしい頭の悪い人達に、「虐待育ちだから」などと偏見を持たれるような覚えはありません。むしろそんなこと未だに言っている人達こそ、まともな教育受けてきたのか疑問に感じます。薄気味が悪いですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?