マーケティングファネル視点での訴求コンテンツチェック
制作会社時代、紙媒体やサイト制作で、一番重きをとられるのがラフデザインチェックで、「構成」と「ライティング」はデザインも含められた形の最終チェックのときで、小手先の修正で終わってしまうことがほとんどでした。
しかし、人に情報を伝える媒体である以上、一番重きを置かなくてはいけないのが、「構成」と「ライティング」を含めた「コンテンツ」です。
今回はこのコンテンツ部分のチェック項目についてご紹介します。
ユーザーは情報に触れた際、どのような行動をとるのか
訴求ということは、商品ないしサービスのプロモーションになります。
商品の購入、あるいはサービスの申込を目標としたとき、そこに至るまでにユーザーはどのような行動をとっているのでしょうか。
よくAIDMAやAISASと言った購買行動のプロセスはありますが、ここでは情報を見ている際に行うマーケティングファネルの各プロセス行動つまり、購入までの「認知→興味・関心→比較・検討」から導き出します。
すると下記のような行動が出てきます。
・ 商品・サービスについてどういうものなのかを知る
・ 商品・サービスがどういう価値があるか(何を解決するか)知る
・ 使い方を知り、できそうか検討する
・ 商品・サービスの安全性(利用者の声など)、販売元の安全性を確認する
・ 他の商品・サービスと比較・検討し、選択する
・ お得な情報がないか探す
これらの行動をスムーズに流すためにどのようなコンテンツであるべきなのか、アフォーダンスの観点でまとめると、以下のようになります。
マーケティングファネル視点でのチェック項目
上記の行動をスムーズに流すために、ユーザーにとって何を可能とするコンテンツであるべきなのかをまとめると、このようになります
・ 理解できる - understandable
・ 価値がわかる - valuable
・ 使い方がわかる - usable
・ 安心できる - credible
・ 比較できる - comparable
・ 今やる理由がある - timely
各ポイントの詳細チェック内容はこちら
【理解できる - understandable】
ターゲットのリテラシーが多様な場合、特に意識してチェックする項目。
専門用語を使っていないか、言葉の意味だけでなく文章としても理解しやすいかをチェックする。
【価値がわかる - valuable】
サービス、商品の価値が伝わるか。「背景」とそこにおける「変化」を意識的に入れ込む。効果の実績数値があれば必ず掲載する。
推しの特性などが漏れていないか。
【使い方がわかる - usable】
こちらもリテラシーに影響を受けやすい。サービスないし商品の利用方法がカンタンに説明されているかチェックする。
手順を項目分けしてわかりやすくしているか。
【安心できる - credible】
トライしてみようと思える安心感が担保できているか。レビューやユーザーの利用数が載っているか。あるいはサービス・商品や会社自体の安全性など。新規の場合は解約・キャンセル可能なども安心要素の一つ。
【比較できる - comparable】
ターゲットが、検討時に他サービスと比較できる情報があるかをチェック。
競合と比較あるいは当社比を掲載する。
【今やる理由がある - timely】
今、それを行うべき理由が明示されている。
環境の変化による時勢的な背景(例えば検索順位の基準)や、期間限定クーポンやキャンペーンなど。最初の惹き、最後の一押しに置かれることが多い。
ペルソナ視点で、チェックをする
訴求ターゲットとなるメインペルソナ複数のパターンで、上記の項目をチェックします。そうすることで、リテラシーの低いユーザー、あるいはスペックが高いユーザーには刺さる、刺さらないと言ったペルソナ毎の必要情報の漏れを抽出できます。
私の場合は、実際にペルソナに近い方に、ユーザーテストをしてもらったりもしています。
コンテンツチェックで得られるもの
思わぬ「理解できない言葉」や「比較対象で見たいステータス」「つまづきやすい手順」などが発見でき、ユーザーにとって必要なコンテンツとしてブラッシュアップすることができます。
また上記の項目によっては、訴求コンテンツのデザインテイストや、構成がかなり変更されるので、デザイン前に行うことによって、構成からのやり直しを極力少なくすることができるので、おすすめです。
まだコンテンツチェックを制作フローに入れてない方は、よかったら試してみてください。
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