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CBDについて、ひと通り語ってみた。

こんにちは。

アロマセラピストという肩書もあり、香り、特にエッセンシャルオイルについての話をいろいろな媒体で語っているんですが、昨年あたりからSNSに「CBD」という単語を目にすることが増えました。

あと、CBDを激プッシュする外国人から、フォロー申請が来ます(笑)。

家事の合間にYouTubeで拝見する、「マナブログ」のマナブさん(@manabubannai)も、CBDについてツイッターでお話していますね。

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アロマ界隈でも、CBDオイルやCBD製品については近年話題にあがっており、使用の有無についてもさまざまな意見を聞きます。

今回はCBDについて、ちょっと(ちょっと?)専門的なお話をすることにしました。

さまざまな価値観があり、どのような考えをお持ちの方でも、その考えは尊重したい、と私は考えているので、なるべく中立の立場でこの記事を書くよう心がけましたが、もしこのnoteを読んだときにそう感じることができなかったとしても、あなたを非難する気持ちはないことを、ご理解いただければ幸いです。


CBDとは?

CBDとは、カンナビジオール(Cannabidiol)の略称で、カンナビノイドの一種です。

カンナビノイドには、体内で自然に生成される「内在性カンナビノイド」と、CBDのように植物に由来する「植物性カンナビノイド」があります。

カンナビノイドの働き

カンナビノイドは、内在性カンナビノイドシステム(以下ECS)を誘発します。

ECSは、すべての哺乳類の体内に存在する先天性システムであり、睡眠、食事、思考、記憶、忘却、移動、痛みの反応など、多くの身体機能を調節および調節するのに役立ち、また、神経系、内分泌系、消化器系、免疫系など、さまざまなシステム内のすべての生理学的機能をサポートします。
(みんなついてきてー)

体は、このECSというシステムを助けるために、必要に応じて内在性カンナビノイドをせっせと作ります。

これらの内在性カンナビノイドは、カンナビノイド受容体(CB1受容体とCB2受容体)を活性化します。

CB1受容体は、主に脳と中枢神経系全体に見られます。
それらは主に痛み、食欲、認知など多くの生理学的機能に関与しています。
CB1受容体が活性化すると、人間の向精神反応(喜びや報酬など)を誘発します。

CB2受容体は、脳の一部と、心臓血管系、肝臓、脂肪組織、骨などの末梢組織に見られます。それは特に免疫系に存在します。
それらは炎症系の調節に関連しています。

どういうことかという例として。

あなたは「ランナーズハイ」を経験したことがありますか?

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ランナーズハイを例にあげてみます。

激しい運動の後、体はアナンダミドという内在性カンナビノイドを生成し始めます。

アナンダミドはCB1受容体とCB2受容体の両方を活性化します。

活性化したCB1受容体は陶酔感を生み出し、活性化したCB2受容体は筋肉や関節の不快感を和らげます。


CBDが問題視される理由

カンナビノイドが肉体的、精神的不快感の緩和を助ける、ということが、なんとなくでもご理解いただけたでしょうか?

体内で生成される内在性カンナビノイドと同様、植物性カンナビノイドも、体に取り入れることで、CB1およびCB2受容体の活性化を促すわけですが、問題なのは、その種類です。

大麻に含まれる植物性カンナビノイドには、カンナビジオール(CBD)の他に、Delta-9テトラヒドロカンナビノール(THC)があります。

どちらもカンナビノイドですが、働き方が違います。

CBDは、先ほどランナーズハイの例で挙げたアナンダミドの上昇に関連します。

CBDは、アナンダミドを分解するFAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)という酵素の活動を遅くします。
そうすることで体内のアナンダミドレベルが上昇し、アナンダミドがCB1とCB2受容体を活性化することで、多幸感(CB1)の増加と、組織の炎症(CB2)の鎮静をもたらします。

つまりCBDは、カンナビノイド受容体に「間接的に」働きかけます。


CBDと比べて、THCCB1及びCB2双方の受容体に「直接」働きかける、向神経性カンナビノイドです。

良いように聞こえるかもしれませんが、THCはマリファナの有効成分です。

マリファナを使うと、気分が高揚し、不安な気持ちがなくなったり、幻覚を見たり、痛みを感じづらくなる、などの体験をしますが、それはTHC特有の薬理作用です。

THCに関する京都大学のレポートがあったので、リンク貼っておきます。

「大麻の危険性」京都大学大学院薬学研究科


CBD賛成派の方の声を聞くと、「CBDは大麻(が原料の)製品ということで反対されているが、CBDは麻薬じゃないから合法だ」などという意見が多いですね。

しかし、国内外の関連文献を読むと、以下の問題があるようです。
(英語できないけどGoogle先生が翻訳してくれるおかげで助かってます)

・ 大麻からカンナビノイドを取り出すことはできても、純粋にCBDだけを抽出するのは難しい。できたとしても、現時点では市場に流通させ続けるためにはコスパが悪い。

・ 分析テストなどで調査してみると、市場に出回っているCBDオイルには、さまざまなレベルのTHCが含まれているものが多くあるため、向精神薬反応や薬物陽性反応を引き起こす可能性が非常に高い。

・ FDA(アメリカ版厚生労働省)の報告によれば、一部の製品に含まれるカンナビノイド化合物の化学成分をテストしたところ、多くの製品には、含まれていると主張するレベルのCBDが含まれていないことがわかっている。

・ 日本では、大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたCBDを含有する製品については、大麻取締法上の「大麻」に該当しないが、当該製品を輸入する前に、厚生労働省麻薬取締部でその該否を確認する必要がある。(厚生労働省HPより)

ちなみに、市場に出回っている「CBDオイル」は、CBDだけを集めたエッセンシャルオイルのようなものではなく、CBDをキャリアオイルなどで希釈したものです。

そうすることで、リーズナブルに入手しやすくなってるんですね。
(含まれるものがそれ「だけ」ならいいんでしょうけど…)


CBDという成分自体は合法かもしれませんが、国が合法と認めたとしても、CBDをうたった製品が本当に安全なのか、素人判断が難しい今の状況で利用するのは、まだリスクが高く時期尚早、と私は見ています。


CBDの代替案として

それでもCBD製品を使いたい、という方もいれば、現時点でCBDを選択肢から外そう、と考えている方もいると思います。

CBDとは作用が違いますが、CBDのように内在性カンナビノイドシステムの健康を高める他の方法があります。

芳香成分のひとつに、ベータカリオフィレン(BCP)というものがあります。

BCPはセスキテルペンの一種です

BCPを体内に取り入れると、BCPはカンナビノイドとしてCB2受容体に直接働きかけ、組織を落ち着かせ、健康的な炎症反応の管理を助けます。

向精神作用(CB1)には影響を与えません。

「ちぇっ」と思うかもしれませんが、体の炎症反応が静まれば、気分も上向きになるので、結果としては良いのではないでしょうか?

BCPを含むエッセンシャルオイルとして、代表的なのはコパイバです。

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コパイバは南米の熱帯雨林に生息する樹木で、エッセンシャルオイルは樹脂から抽出します。

市販のCBDオイルは値段がピンキリですが、大体8000~17000円程度に対して、コパイバオイルは大体5000円程度。


私は以上の観点から、諸々検討したうえで、自分の選択肢からCBDを省くことにしました。
今はコパイバを愛用しています。


今、抱えている肉体的、精神的問題や、使うことで体に与える影響、お財布事情などもひっくるめて、今回お話した内容があなたのお役にたてればいいなぁ、と願っています。

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