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LGBTの人権の持続可能性

こんばんは。
男子大学生22歳、ゲイです。

最近骨折してリハビリ中の左足の調子が良くなってきたのでやっと外出できるようになり、陽の光を浴び始めて気分が明るくなってきました。やはり太陽の光にあたるのは生きていく上で必須ですね。

さて、僕は大学生なわけでゼミに所属しており、研究テーマは「LGBTの人権の持続可能性」です。なんだか難しそうな単語が並んでいますよね。
ものすごく簡単に噛み砕くと「性的マイノリティの人権について今議論することで将来の性的マイノリティたちが生きやすい世の中にするためにはどうするべきか」という意味です。
まだ難しい気もしますが、人権寄越せ!というより今後どう扱っていくのが正しいのかという感じです。

今日は僕がなぜこのテーマにしたのかについて書きたいと思います。

本題に入る前にもう一度言いますが、僕はゲイです。
でもゲイやその他性的マイノリティ全員がこういったテーマに関心があるわけでもないですし、僕自身本当は全く別のテーマを扱おうと思っていました。僕が当事者だからこういったテーマにしようと思ったわけではありません。それだけは頭に入れてから読んでくださると嬉しいです。


僕は大学に入学した当初、漠然と東欧や中東の地域研究をしてみたいなと思っていました。世界史が好きで特に好きだった分野が東欧や中東だったからです。それに大学生ともなれば一人旅や友人との旅行でも海外という選択肢が出てくるようになりますし、旅行がてら現地の歴史も知れてもっと見聞が広がるかもと思っていました。

いざ2年生になり来年からのゼミを選ぶ時期になったとき、僕はもう一度自分の興味があることを考え直してみました。
その時ふと昔(おそらく高1くらいに)あるTwitterでの投稿を見たことを思い出しました。はっきりとは覚えていませんが、衝撃を受けた内容だったのは覚えています。
その投稿というのは以下のようなものです。

ある10数年連れ添った同性カップルの話です。彼らは結婚式もあげ事実上結婚していたと言っても過言ではないほどの生活を送っていたそうです。ひとつ屋根の下に住み、時にはぶつかりつつも幸せな時を過ごしたのだろうと思います。しかしここに大きな悲劇が訪れます。なんとカップルの一方が交通事故にあい、今すぐ輸血が必要なレベルの重症を負ってしまったのです。もちろん彼氏さんは病院に駆けつけますが、ここで同性婚が認められていない法律の壁にぶち当たってしまいます。
日本では輸血を必要とする際に本人の同意が必要です。本人がサインできる状態でない場合は家族がサインできます。この場合の家族は日本の法律で認められた家族であり、結婚していない付き合っている状態ではサインできません。
彼ら同性カップルの間にどんな思い出や愛があろうとも法律はそれを認めません。つまり彼氏さんは同意書にサインすることができないのです。目の前の手術室にいるのは間違いなく愛し合っている彼氏ですが、彼を救うことは出来ないのです。
その後、この事故にあった彼氏さんは亡くなってしまいます。

この話を初めて読んだ時、彼らの悲しみと無力感を推し量るとともに同性愛者が置かれている状況について当事者として初めて理解することができました。それまでは自分がゲイであることを悲観的に捉えることはありませんでしたし、なぜそんなに同性婚を認めて欲しいのかもわかりませんでした。しかし今となってはそこに人権という大きな問題があり、lgbtだからといって排斥せずただ他の人と同じように生きたいだけという思いがあることに気づくことが出来ました。


そして僕にはもうひとつこのテーマを選んだ理由があります。それは宗教的理由で自由恋愛が許されない人々の存在です。

僕の通う学部は国際系なので日々世界のニュースを読んでおくことが学びに直結します。そんななかで偶然見かけたイランの記事を読んで僕は心臓を直接掴まれるような大きなショックを受けました。

イランは中東におけるイスラム教国。特に厳格なシーア派の信徒が90%以上を占めていると言われています。そんな国でLGBTはどのような扱いを受けるのか。答えは死刑です。

僕が呼んだ記事では、おそらく同世代と思われる青年2人が顔に袋を被せられ今にも処刑されようとする写真が載っていました。
イランでは同性愛行為を発見次第、ほぼ100%死刑に処されます。また死刑を免れようと国外に亡命しようとする人々もいますが、失敗した場合は本国に連れ戻されて死刑になります。この一連の動きは世界から非難されるものの、彼らはシャリーアに則って行っているだけだと主張しています。

僕はこの記事を読んで自分が本当に迫害される立場にあるのだと自覚しました。国が違えば同性愛は罪になり、宗教的な理由によって生きる権利を奪われることもある。生きているだけで犯罪となる国がある。
しかしこの事実を知れたことは大きな収穫でした。私は今までLGBTの綺麗な面ばかりを見てきました。少しずつ社会に認められる未来、若者層を中心に理解が深まること、自分の性を隠さずに生きれる社会になることばかり気にしていました。しかしそれは日本や他の先進国のこと。世界にはまだまだ理解される以前の問題を抱えている国や地域があるのです。

同性婚を認めている国がある一方で同性愛者だと死刑にされる国がある現実を知ってからますますLGBTの人権というものに興味が湧きました。そして同性婚という制度によって救われる人々がいることも僕は確信しています。
以上のことから僕はテーマを「LGBTの人権の持続可能性」に決定するに至りました。研究はこれからまず参考書を読むところから始めますが、このテーマをつきつめた論文を書き上げたいと思います。少しでも未来のLGBTたちが過ごしやすい社会を作るために。

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