エ・コ・ラボのメッセージ
今年開催したエ・コ・ラボシアター第一弾「森のトコトコ」。
なんやろ。
ゴミ捨てひとつ、自慢するほどてきていない自分。
(もちろん収集日は間違わないけど笑、そんな程度)
環境保全を叫ぶ人々を、尊敬はするけど、共感はするけど、そんなにできてない自分。
そんなでも、環境を考えるべきだと、考えたっていいじゃないかと思ったのが、コロナ下の1年でした。
気付きのポイントも、行動のしかたも、皆違っていいはず。
毎朝5時にゴミ拾いをしてないけど、
毎週日曜日に、海岸の清掃活動に参加してないけど、
ゴミの分別すら、完璧ではないけど、
行動しちゃいけないわけじゃない、はず。
自分の場合は、舞台の人間だから、
舞台という、結構な電気エネルギーを使う場面に、新しい提案をしていきたいと思っただけ。
シンプルで、できることを、実践したいと思っただけ。
結構、本気です。
今年、「森のトコトコ」というサーカス創作公演を、国立公園である屋島山上で行いました。
自分は「コンセプター」という新しい役割名を決めて、演出はプロのアーティストに任せています。これが今、ベストなスタイルと感じている。
コンセプターは、公演の中身だけじゃなく、もっと大きな「行動指針」やメッセージを舞台作品の中に落とし込む役。
こういうコンセプトで、骨子はこれで、場所はここ、アーティストはこんな感じで考えています、
これくらいのところまで、コンセプターが考えます。
中身の詳細、演者の動きなどに落とし込んでいってもらうのが、演出や振付です。
コンセプトは、「環境を守る」というお題で最大限、楽しんで発想すること。
今回、わりと直前に、
「2000W(ワット)」という具体的な数値目標を打ち出しました。
最初から、一般的な舞台照明は最小限で、これまでと違う「灯り」の概念をつくりたいと提案してきました。
しかし直前までみていて感じたのは、具体的な数値目標がないと、メッセージもぼんやりしてしまう、という危惧。
照明会社、音響会社のみなさんは、2000Wって、家電か?!と、さぞ叫びたくなったことでしょう。
けど、2000Wは理由なきわがままじゃない。
来年以降に、太陽光発電+アルファだけで、島も、山間部も、現地で電気を用立てしてもらわなくてもいいシステムをつくるため、
持ち歩けて、充電しておけるW(ワット)数の上限って、こんなもんだという仮の結論に達したため、
まずは2000Wのコンテンツを作る必要があったのです。
2000Wで、何を見せられる?聞かせられる?
公演をみに来て下さった方はおわかりのように、音は、半分アンプラグド。
照明は、いわゆる舞台照明はかなり少なく、衣装に仕込まれた、有機的にふんわり光る灯りや、太陽光で充電され、太陽が沈む速度で、1つ、また1つと灯り始めるライトなどー。
せっかちならば、みていられない。
けど、塩飽諸島の島からきた若い夫婦が
「僕ら、普段は夜、真っ暗で、お日様の動きに近い生活をしてるから、ふつうの舞台とか、照明が目に刺さってくらくらしちゃうんですけど、「森のトコトコ」では、いつも通りの感覚のまま、心地よく見られたんです」
と言ってくれました。
それ以上の正解があるかな?
ほんとうに、それを目指したのであって、目新しい企画や、流行りの企画のつもりでもない。
舞台と、夜空と、夜景を、同じ目のままで違和感なくみられて
風の音、鳥の声と同じ感覚で音楽が耳に入る。
「森のトコトコ」で目指したのは、そういうことでした。
真価はこれから。
挑戦は、この取り組みをきちんとやり通すこと。
何もない場所にいって、電源を探さなくていい。ガソリンくさい発電機を持ち込まなくてもいい、
ただ、ゆったりと何日か前に入り、太陽光で発電し、蓄電していれば舞台ができる。
どんな場所でも、同じように見せられる。
そして、それは限りなく心地よいものであるー。
それを目指していて、それが唯一のメッセージです。
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