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昨日のシンポジウムで伝えたかったこと

走りに出ようとした瞬間に雨粒の音がし始めたので、ジョギング用のパーカーに手をかけてひっこめた。

夕べ登壇したオンラインシンポジウムで伝えたかったことは、伝わったのかな、誰かに届いたのかな、響いた人はいたのかな?と考えていたので、簡単だけど、ここに書きとめることにしました。

昨晩のオンラインシンポジウムは→「台湾シーズン Taiwan Season」(Edinburgh Festival Fringe)

これからの国際プロジェクトに思い描くことは?ー環境、平等、深い考察

予め与えられたお題のなかで、いちばん最後が

「これからの国際プロジェクトについて」。

これに対して自分が挙げた、3つのキーワードが、

「環境、平等、深い考察。」

そして「みなさん、ここから数年は飛行機で「飛ぶ」数を減らし、コロナ禍で発達したデジタル・デバイスを活用し、わたしたちの地球に穏やかな状態に保ってあげましょう」と言って締めくくりました。

国際会議としてふさわしい(求められた)メッセージだったかどうかはわからないし、

以前の自分なら、勢いこんで色々な国際プロジェクトを「数うて!」とばかりに提案していったはずです。

これは後ろ向きなのでしょうか?

いえ、まったく後ろ向きではなくて、いまもアイディアは湧いて溢れんばかりだし、それを実行するためにどうすれば良いか、ワクワクと不安が入り混じりながら日々、脳みそフル回転で考えています。

環境について

自分は環境を語れるほど、日頃から環境保全活動に熱心とはいえなかったし、「環境」の問題を語れる人間でもありません。ただ、「私たち舞台芸術の分野で環境を考えるとどうなるだろう?」と思いはじめ、かつ、現代サーカスという表現方法のなかで何を発想できるかを、真剣に、クリエイティブにアイディアを出し、実験し、私たちなりの環境の捉え方を提案していきたいと、強く思うようになりました。それが、今年から始める「Eco-Lab-Theatre環境共生型舞台」プロジェクトです。

平等であること

以前から、世界のなか、社会のなかの平等について考えてきました。平等ではない世の中だから、(自分の仕事や活動のなかで)平等であることを目指してきたし、(人間の性だから)このテーマは実現しきらないと知りつつ、それでも自分から離れることはありませんでした。

ところがコロナ禍で、思いがけず、ある意味で、地球全体が平等にならざるを得なくなったのです。

誰も動けないし、ウィルスは人種も知名度も関係なく襲うし、モノも売れない買えない時代がやってきた。動物と人間の勢力図も変わり、あっという間に鳥たちが街にもどってきたり…

地球上のすべては同価値で、あらゆるものにちから(ポテンシャル)があるのだ、と見せつけられました。

ロックダウン状態が3年続いたらきっと、地球の時計の針は一気に世界大戦前くらいまで戻ったのではと感じるほどの勢いで、地球は息を吹き返していったように感じました。


深い考察

これもコロナ禍によって可能になったことです。

時間ができ、ひと息つき、家にとじこもったり散歩を繰り返すしかなければ、人間の思考は深くなる。

いままで、動きすぎていたのだ。もっと深く思考し、深い考察を求めるべきだし、その方法もわかったじゃないかー

と、コロナ禍のあいだ、多くのひとが思っていたはず。けど、また元にもどってしまうの?

***

自分についていえば、

以前なら、誰よりも先に飛び、誰よりも先に動き始めていたはずだけど、それでは以前の延長線上に戻ってしまう。

それは悔しいし、人間の頭脳と精神は、こういう時こそ役立てるべきだ、

いま必要なのは「正しい方向への進化」「軌道修正」なのだ、と思います。

軌道修正のチャンスをもらったのだから、修正した線上で努力したら、もっと良いものが作れるし、もっともっと、深く広く届くはず。


べつにカッコつけようとか思っていなくて、本当に心から、そう思うから。

届いたのかな、

違ったのかな、

わからないけど、これがいま、伝えたかったことだから。

まずは自分自身、実行しなきゃ。

と、思った、シンポジウム明けの朝でした。

瀬戸内サーカスファクトリーは現代サーカスという文化を育て日本から発信するため、アーティストをサポートし、スタッフを育てています。まだまだ若いジャンルなので、多くの方に知っていただくことが必要です。もし自分のnote記事を気に入っていただけたら、ぜひサポートをお願い申し上げます!