ひきこもり、不登校、障がい者に寄り添う大人たちがいることを知ってほしい。
学校に行きたくてもいけない、働きたくても働けなくて苦しい思いを持ってませんか?
そんなキミに届けばと思って、ひきこもり、不登校、障がい者のサポート事業を香川県で展開しているヒトトコのスタッフのみなさんにインタビュー。どんなところでどんな思いで働いているのか。ぜひ、最後まで読んでみてね!
※前回のヒトトコ代表宮武くんのインタビュー記事はこちら
皆さんがヒトトコで働き始めたきっかけは。
宮宇地:もともと病院のソーシャルワーカーをやっていました。将来についてモヤモヤしている時に、知り合いから同業種の集まりがあると聞いて行ってみたんです。場所は健康ランドで、そこで元気にMCをやっていたのが宮武でした。
宮宇地:名刺交換させてもらった時に「宮宇地くん、この後お風呂いかん?」と誘われまして……。初対面で裸の付き合いはちょっと戸惑って断ったんですが(笑)、それが実は新しい事業(ヒトトコ)をやりたいから一緒にやらないか、というお話で。いろんな意味でドキドキしました。(笑)
サニー:植松さんも健康ランド繋がり?
植松:いえ(笑)、私はもともと宮武さんとは大学が同じで。
サニー:ん……!それは、8年ひきこもりをした宮武さんが年齢詐称をして通っていた、あの大学!(前回の宮武さんインタビュー記事参照)
植松:それです。(笑)大学卒業後、しばらくしてイベントなどで再会しました。もともと介護の相談員やっていたのですが、将来にちょっと悩みが出ていた時に誘われてヒトトコに入ったというのが経緯です。
髙橋:私、エピソードめっちゃ薄いんですけどいいですか。(笑)
サニー:大喜利大会じゃないので大丈夫!(笑)
髙橋:前職は10年ほど教育系の企業で教室運営や人事をしていました。コロナをきっかけに、自分の今後の人生や働き方を見直そうと思って、キャリアコンサルタントの資格を取ったんです。その資格を活かせる仕事を探しているときに、宮武さんとヒトトコの存在にたどり着きました。いわば正規ルートです。(笑)
ヒトトコってどんなところ?
サニー:ヒトトコさんの主な仕事内容を教えてください!
宮宇地:ヒトトコでは、障がいのある方を対象とした就労移行支援サービスを行っています。もともとひきこもりや不登校の支援をおこなっていました。その中でも発達障がいがあり、働きたくても働けない方が多く存在していることが分かったんです。そういった社会と接点を持つことが難しい方に対して就職支援をしていく事業です。
サニー:ちなみに、利用者さんがヒトトコさんを見つけるきっかけは?
宮宇地:実は自分でネットで探して来られるパターンが一番多いんです。もちろん、親御さんからの連絡もあります。
サニー:自分からアクションというのが意外サニ……。
宮宇地:なぜヒトトコにくるのかと言うと、ココにくる方はコミュニケーションでつまづいて、人間関係の問題から働けなくなってしまった方が多いんです。それには先ほどもお伝えしたように、発達障がいが隠れていることもあり、今や10人に一人が該当すると言われています。
サニー:コミュニケーションを苦手としている方が、自ら連絡をくれるのはすごいことですよね。
宮宇地:そうですね!そしてそういう方々を社会に繋いでいく役割をヒトトコは担っていて、障がい枠のある企業にお繋ぎしてます。
植松:しかも就職先の仕事内容も実は事務系がどんどん増えてきていて。働き方が多様化している大手と言われているところで就職している人がほとんどなんです。
宮宇地:ちなみにヒトトコは就職がゴールではなくて、そこからがスタートとしています。利用者さんが就職したあともアフターフォローをしていて、企業に定期的に僕らが行くんです。
髙橋:企業と利用者さんの間にヒトトコが入って、コミュニケーションをはじめとするサポートを行なっています。これまでは半年間でしたが、昨年から就労定着支援として3年間することになりました。
サニー:それはすごい安心感!
宮宇地:これは本当に世間に求められているサービスだと思っています。
大変なこと以上にあるのは、大きなやりがい。
サニー:「正直、これが大変!」ということがあれば教えてほしいサニ。
宮宇地:今ヒトトコのリーダーをやらせてもらっているのですが、マネジメントというものが初めてで。あ、ゲームの中ではあるんですけどね。そっちでは50人くらいまとめているんですよ。(笑)
でも現実は色々と一筋縄ではいかない。ここにいる植松や髙橋をはじめ、いろんな方に支えられながらやっています。日々勉強ですね。
植松:私は大変というより、毎日が驚きの連続です。「あ、そんなパターンもあるんや」と驚くことが多い。私も周りの皆さんに支えてもらいながらやっている感覚です。
髙橋:私の場合は、まだヒトトコでの社歴が浅くて、いかに利用者さんに信用してもらえるかを課題としています。
その中で心がけていることは、肯定も否定もしないこと。ありのままを受け入れる。その積み重ねの毎日です。
サニー:逆に、やりがいや嬉しかったことを教えてほしいサニ!
宮宇地:仕事をしたいけどできなかった人が、ヒトトコに来たから就職まで繋がったという達成感や感謝をされることは、大きなやりがいになっています。利用者さんには、ここをステップだと思って就職してほしい。それこそ障がい枠もステップにして今こんな役職ついてますよ、といった報告が聞けたら最高ですね。
植松:私も同じですね。生き生きと働いている姿を見れることはとても嬉しいです。そして、アフターフォローで会いに行った時にいい顔をして、「今日はこんなことをした」と報告してくれた時にやりがいを感じますね。
でもホンネとしては……ヒトトコという場所は大切なのですが、ヒトトコがなくなってもいいような社会になって、どんな人も生きやすくなれば、こんな喜ばしいことはありません。
髙橋:就職は人生の大きな分岐点だと思うんです。そのものすごい大きな決断のタイミングに立ち会えるのもすごいし、悩みに寄り添って一番より良い選択を一緒に決めていける。その役割をもらえること自体、良い仕事だなって思っています。
そして自分には選択肢がいっぱいあることを知って出ていってほしいですね。障がいをお持ちだと、親御さんに道を決められてきた人も多いし、そもそも人よりうまくできないことがあるから「コレがダメだったら死ぬしかない」そうやって極端に考えている人が多いんです。
でも、人生にはものすごいたくさんの選択肢があって、何度も選び直せる。それを自分自身で選び取っていく力をつけていってもらえたら嬉しいですね。
就労移行支援を、当たり前の世の中に。
ーこれから叶えたいことがあったら教えてほしいサニ。
髙橋:学校で、教科の勉強と同じくらいキャリアを考える時間があればいいな、って思います。香川県って教育と福祉が遅れていて。通信制の高校に通わすのを恥ずかしいという親御さんも多いんです。でも都会では当たり前の選択肢。同じように就労移行支援も知名度がまだまだ低いですよね。
宮宇地:実は髙橋が言ったように、就労移行支援は福祉サービスの中ではあまり知られていないものなんです。利用者さんからも、友達に言えないとか後ろめたさがあるという話も聞きます。
髙橋:高校生とかが社会人になる時に、「働く」という選択肢として同じくらい当たり前に「就労移行支援」を検討してもらえるようになってもらえたら。もっと胸を張って、「ここに通ってます」と言えるような場所になったらいいなと思っています。なんなら進路選択の一つに入れてほしい!
サニー:それこそ先生方にも知ってもらいたいなぁ。
宮宇地:就労移行支援は東京や大阪では当たり前のサービスなんですよ。リクナビなんかと同じ位置付けにそろそろなるんじゃないかというくらいに。
サニー:それなら大学生だって新卒にこだわる必要ないサニ……。
宮宇地:そうなんです。新卒で就職する手前で就労移行支援に通いたい、そんな人もいますよね。
宮宇地:それに、人によっては、親が子どもに過度に期待をしてレールを敷いてしまう。実はそれに苦しんでいる子たちは大勢いると思うんです。そういう部分も解決していくためには、やはり「自ら選択すること」が本当に大切になってくるんですよね。
サニー:親が敷いたレールを外れてしまうと、その子自身で起き上がれない。本人には見えていない道が実はたくさんあって、それに気づかせてあげるだけでも就労移行支援サービスというのは、すごい役割なんやなぁ。
宮宇地:そうですね。もっと言えば、いろんな選択肢を選びながら生きていくことを周囲も暖かく見守ってあげられる社会になってほしいですね。
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ヒトトコさんに関わることで、諦めてた人生を諦めなくてよくなる人がいる。大変なお仕事だと思うけど、香川にこんなところがあるんだよ、こんな大人がいるんだよ、ということをもっと知ってほしい!と改めて感じた今回の座談会。
電話での相談も気軽にしてほしいとのことなので、困った時には連絡してみてほしいサニ!
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