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ピンとポン

体を動かすのが嫌いなわけではない。むしろ、好きな方だと思うけれど、いわゆるスポーツテスト、みたいなものが昔からものすごく苦手だった。

ヨーイドン! でタイムを計る何メートル走、とか幅跳びとかもそうだし、もっと反復横跳びとか前屈とか運動神経に入るもの(確か体育の時間にやるスポーツテストみたいなものとこの手の運動神経そのものを計るものって別だった気がするけれど違ったかなあ)も嫌だった。

なんでこれをやらされているんだろう、という気になったのだ。

それに記録も良くなかった。

スポーツテストでは特にボールを投げる類のものがからきしダメで(肩が弱いということなのだろう)どんなに力いっぱい投げても級外だった。なのでいくら他のもので頑張っても成績が残らない。それでよく先生とかが、ギリギリおまけしてくれたりした。

だけど、もともとスポーツを見るのは好きだったし、授業で球技とかはすごく楽しみにしていた。

中でも卓球は部活でやっていたわけではないけれど密かに得意、と思っていたくらいで、ことあるごとに友達と渋谷に卓球しに行ったり、大学の時とか夏休みに実家に帰った時に地元の体育館を借りたりして、友達と遊んだりしたほどだ。

とはいえ、卓球って部活でやってた、という人が現れるともうこれ絶対に格が違う! となってしまう。あれほど経験者とそうじゃない人の差がはっきりと出るものもないんじゃないだろうか。

何かピンポイントに負けず嫌いなので、どうしても元卓球部に勝ちたくて、大人になってから卓球教室に通おうか、とかなり真剣に調べたこともあるくらいだ。テレビで、プロではない趣味でやっている人たちの大会とかもあることを知った。

昨日、全日本卓球選手権の決勝戦を初めて生放送でまるまる見たのだけれど、一日経っても感動が続いている。コロナ対策で無観客(試合後、少しだけ手を振ったりしていたけれど、多分関係者とか取材陣だろうと思う)であった分、選手たちに集中して見ることができ、しかも男女ともにフルゲームの大接戦! 見はじめたら止まらない、まるで書き込まれたストーリーのような展開だった。

スポーツを応援したい、という気持ちも高まっている中、どちらも応援したい、どちらも頑張って! とこれも感染対策で試合中に大声を出すのが制限されているらしい選手の代わりに、テレビに向かって声援を送った。

これも男女ともに、印象的な逆転劇だった試合を見終わると、やっぱりこの状況が落ち着いたら習いに行きたい、と熱い気持ちになったりした。



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