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今月のせとかわVol.2 シーグラスを探しに

瀬戸内に住みながら、瀬戸内を知る。知らないのはもったいない。

大きな刺激や人生を変えるすごいことが毎日あるわけじゃない。でも、自分たちの手の届くところにあるモノやコトを知ることが、楽しい暮らしに繋がっていくはず。

そんな想いで見つけた、私たちが共有したい「今月のせとかわ」をご紹介します。

瀬戸内の暮らしを楽しむ、とは。

瀬戸内かわいい部のまみこです。

私は高校卒業後、東京と長野でしばらく住み、昨年の秋、19年ぶりに家族と香川にUターン移住してきました。

あの頃は何もない、つまらないと思っていた香川の暮らし。そんな想いで離れた地元に戻るのはちょっと怖さもありました。

いつもテレビで見るのは、都会のオシャレで美味しそうなごはん屋さん、カラフルなアイスクリーム、楽しそうなイベント、素敵な宿泊施設・・・そこに行きたくてもいけない、ここにはないというあきらめだけが積み重なって、「つまらない場所」と決めつけていたんだと思います。

Uターン移住をして一年。気がついたのは、あの頃は自分のいる場所で、自分から探しに行こうとしていなかったということでした。

だから私にとって、瀬戸内の暮らしを楽しむというのは、自ら探しに行くこと。それを取り入れること。

今回、今月のせとかわを担当するにあたり、子どもの頃から知っているけれど触れていなかったことに手を伸ばしてみることにしました。

瀬戸内海で宝石探し

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ビーチコーミングって知っていますか?

それは、海岸で海の漂流物を拾うこと。拾った物で何かを作ったり、お家に飾ってみたり、標本にしたりします。見つけられるものって海岸によって違うんですって。

海水浴以外のシーズンでも瀬戸内海を楽しむ方法を共有できたら、拾ったシーグラスをせとかわ風にアレンジして暮らしに取り込めたら、とビーチコーミングをすることにしました。

今回集めたかったのはシーグラス。

シーグラスとは
ガラス片が長い年月をかけての波に揉まれて角やツヤがなくなり、くもりガラスのようになったもの。海によってまん丸だったり、ちょっと角ばってたりと形もさまざま。その綺麗な姿から海の宝石と呼ばれています。

香川では津田の松原海水浴場でたくさん拾えるということを、実は昔から風の噂で聞いていました。

瀬戸内のちょっと素敵な遊び

まだ夏の暑さや香りも残る、9月の初め。同じく瀬戸内かわいい部の運営メンバーであり、フォトグラファーの鈴木ヘレンさんとともに、朝もはよから津田の松原海水浴場へ向かいます。

大人だけで、海の宝石を拾いに行くなんて、ワクワクが止まりません。

夏になると家族で必ずくるこの海岸。小さな頃から何度も来ているこの場所が、一緒に行く人や目的が変わると知らない場所に来たかのよう。

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実は、初めてのシーグラス探し。最初は目を凝らしても何も見えず、本当にあるのかしら?と半信半疑。

気がつくと目のシーグラスセンサーが発動して、すぐに見つけられるようになります。(どこにあるかわかりますか?)

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30分足らずで見つけたシーグラス。

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ただのガラスが何年何十年、もしかしたら何百年もかけて角が丸くなり、少しざらっとした触りごこちのいい綺麗な小石に。海水で濡れると透明感が出てキャンディーのようで美味しそう。

どこか遠い国の知らない誰かが捨てたガラスが形を変えてここにある。なんとも不思議な気持ちです。どこからきたのだろう?元々は何だったのだろう?色んな想いを巡らせながら拾い集めます。一粒一粒、広い砂浜の中から見つけるたびに小さな感動がある。そう思えるのはちょっと大人になった証かしら?

そんなシーグラス集めは、お子さまはもちろん大人にもおすすめのちょっと素敵な遊びです。

瀬戸内海をお持ち帰り

津田の松原海水浴場で見つけたシーグラスは、ほとんどが白と青。それはまるでおだやかでやさしい、瀬戸内海カラーのよう。

まずは持ってきた瓶につめてみることに。ちょっとだけ底に砂を入れて、

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集めたシーグラスを、グラデーションになるように詰めていきます。「こんなワークショップできたらいいね」なんておしゃべりしながら。

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砂とシーグラスを詰めた瓶に、準備しておいたハーバリウム用のオイルを注いでみます。(用意周到)

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あー素敵。口から出るのはその言葉ばかり。人は素敵なモノを目の前にすると語彙力を失うことがわかりました。

瓶をちょっと空にかざしてみたり、砂浜に置いてみたり。いつまでも眺めていたい、小さな瀬戸内海の出来上がり。

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自分たちで拾い集めたシーグラスは、お家の中で小さなお引っ越しをしながらその景色を楽しませてくれています。

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食事をしながら、片付けものをしながら、掃除機をかけながら、ふと顔をあげると目に留まるこの景色。

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シーグラすを眺めがら思い出すのは、ちょっと曇っていたけれど、それが綺麗にうつったミルキーブルーの瀬戸内海。そしてシーグラスを集めながらおしゃべりしたこと。

手のひらにおさまるコンパクトなサイズだけど、瀬戸内海とともに、あの日の思い出も一緒にお持ち帰りができるのは嬉しい誤算でした。

Photo by 鈴木ヘレン
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瀬戸内海が当たり前にある暮らし。日常生活を送りながら瀬戸内海を思い出したり、そこに何か思いをはせたり、ましてや感謝をすることだってほとんどないかもしれません。

でも、今回「ただただ夢中になって拾い集めること」をしたことで、縛られない時間を作ること、それを自分自身に許してあげることの大切さを教えてもらった気がします。

やることは山ほどある毎日。ちょっとくらい朝ご飯の食器洗いや部屋の掃除機がけをサボっても良いじゃない、こんな素敵な1日が送れるのなら。瀬戸内海、ありがとうと思った初秋でした。

さて、これから私たちは瀬戸内に住みながら何を見つけにいくのかな。次回もお楽しみに。

おしまい。

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