見出し画像

最近読んで面白かった本

お部屋の模様替えに伴い、本棚の整理を始めたものの「あーこれ面白かったよなぁ」と作業を中断して読んでしまうので整理が進みません。

そんなSETAが、最近、読んで面白かった本をいくつか紹介しようと思います。

わたしの独断と偏見で選んでおりますので、失敗しても怒らない心の広い方は、ぜひ参考にしてください。笑

まず、第4位!
#祝祭と予感 #恩田陸

この本は、大ベストセラー「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ小説!「蜜蜂と遠雷」はピアノのコンクールに挑む天才ピアニストたちの物語。原作にとにかくハマって映画もしっかり観に行きました。そのスピンオフ小説ということで、すぐさまゲット。「蜜蜂と遠雷」を読んだ方も読んでない方も楽しめる物語の展開に加えて、登場人物の人間描写、風景描写の素晴らしさ。ちゃんと最後に、「もっと先も読みたい!」と思わせる終わり方になっていて、スピンオフのさらにスピンオフを個人的には期待しています!

第3位!
#生命式 #村田紗耶香

文学史上、最も危険な短編集…という見出しにある通りかなり刺激度高めの短編集。バイオレンスというか、グロテスクな描写が多いので苦手な方は厳しいかと思いますが、この本がすごいな!と思ったのは、ありえない物語なはずなのに、どこか理にかなっていて「もしかしたら、未来の世界ではありうるかも…」と思わされる点。それが、読者の恐怖を掻き立てて、よりスリリングな文章に感じる。あらすじを話すとその驚きが半減してしまうので言えませんが、個人的には新しいタイプのスリル本でした。

第2位!
#巡礼の家 #天童荒太

道後にひっそりと佇む旅館「さぎのや」。そこは、傷つき、帰る場所を見失った人たちがもう一度生きる力を取り戻すまで羽を休める場所。辛い経験から過去を受け入れられない女の子が主人公となり、「さぎのや」での日々を描くほっこり系の物語です。ほっこり系で個人的によくあるのは「良いエピソードでしょ感」を感じると急激に冷めてしまう現象……ですが、この本は「優しさ」が押し付けがましくなくて、心地がいいんです!誰もが一度は傷つくし、その度に誰かに助けられた経験があると思います。その思い出が蘇って、自分も誰かにとってこの「さぎのや」のようになりたいと思えた素敵なほっこり本でした。

第1位!
#チョンキンマンションのボスは知っている #小川さやか

これは、衝撃でした。知人に勧められて購入したのですが、開くと経済の本だと知り「あちゃー、こりゃ守備範囲外だ…」と嘆いたのですがなんのその!めちゃくちゃ面白かったのです!香港で、逞しくビジネスをするタンザニア人たちの生活を取材と言う形でまとめた実録本なのですが、そのサバイバル力と愛の深さが素晴らしい!「誰のことも信用していないからうまくいく」、「"ついで"で、人助け」、「シェアリング経済を支えるネットワーク」など、どれもこれも彼らの生命力に満ち溢れていて、尊敬を通り越して憧れてしまいました。中でも特に心に響いたのは、「○○を助けたら、○○が恩を返ししてくれる」のではなく「○○を助けたら、○○じゃなくとも誰かが助けてくれる」という考えた方………思わずちょっと口の中が酸っぱくなりました。経済学に詳しい方は、また違った視点で読めるのかなと思うのですが、私は人間学として学ばされた一冊です。香港のチョンキンマンション……いつか行ってみたい、そしてチョンキンマンションのボスに私も会ってみたい、そう思える登場人物の愛くるしいキャラにも注目です!

以上、最近読んで良いな!と思った本をまとめました。ベスト5でもなくベスト3でもなく、ベスト4……中途半端な数になってしまいましたが、ぜひ読んでいただきたい素晴らしい4冊です。今後も良本が溜まってきたときに、読書感想を上げていこうと思いますので、よろしくお願いします。

SETA