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管理費・修繕積立金ってどんなお金?

これからずっと住み続けたい街が見つかった時、自分の人生を考えた時、売買物件という選択肢があることに気付きます。初めて ”家を買う” ときの疑問や不安を少しでも取り除くお手伝いのひとつとして、売買にまつわるコラムを始めました。この連載では「リノベーション物件を購入する!」という想定で、せたがやクラソンのさいとうが売買のことを話していきます。

はじめに:せたがやクラソンの売買


マイホームの購入にあたってとても大事なお金のこと。前回までは、主に購入以前のお金のことについてお話してきました。

おさらいはこちらから👇


今回は購入後のランニングコストである「管理費」と「修繕積立金」についてお話します。

毎月支払う金額は住宅ローンの返済だけではありません。マンションの入居者は、所有している部屋の面積などに応じて、管理費や修繕積立金を毎月負担することになります。

1.管理費
管理費とは、マンション共用部の光熱費や軽微な修繕、植栽の伐採などの維持管理の費用に加え、区分所有者全員で構成される「管理組合」の活動資金のために収める費用です。

管理組合の活動は、区分所有者のルールブックであるマンション管理規約の策定から改定、共用部分の清掃・設備点検などのメンテナンスから修繕積立金の管理まで多岐にわたり、マンション全体の住環境と資産価値を守るために必要な活動をする組織です。

2.修繕積立金
外壁塗装、屋上防水、エレベーターの設置・交換など、マンションの共用部の大規模修繕をするために積み立てておくお金です。大規模修繕を実施する際には、修繕積立金を取り崩して支出します。

3.その他(専用使用料など)
上記とは別に、専用庭やルーフバルコニーが住戸に付帯されている場合、また駐車場を利用する場合などは、それらの使用料が専用使用料として毎月発生します。

また、物件購入時に販売価格は値下げの交渉が可能ですが、これらはマンションの管理組合によって金額が定められており売主も介入できないため、値下げの交渉ができません。


管理費の負担額は求めるライフスタイル次第

「管理費」についてもう少し詳しく説明します。管理費はマンションによってばらつきがあり、一体どのように決められているのだろう?と思う方もいますよね。例を挙げてみます。

〈Aマンション〉
総戸数:20戸
管理費:17,000円
主な設備:エレベーター、宅配ボックス、オートロック、管理人巡回

〈マンションB〉
総戸数戸:48戸
管理費:20,000円
主な設備:エレベーター2基、宅配ボックス、オートロック、管理人常駐、ゲストルーム、ラウンジ、機械式駐車場

〈Cレジデンス〉
総戸数:150戸
管理費:12,000円
主な設備:エレベーター2基、宅配ボックス、オートロック、管理人常駐、フィットネススタジオ、キッズルーム

例として3つのマンションをあげてみました。
それぞれを比較してみると…


〈Aマンション〉
ほか2棟と比較すると「設備」は特段充実しているわけではないですが、総戸数が20戸と少ないです。この20戸でマンション全体の維持費を分配する必要があるので、毎月支払う管理費が高くなる傾向にあります。

〈マンションB〉
ほかと比べると多くも少なくもない総戸数ですが、設備が特に充実していることや、設備の中でも管理コストが高額な機械式駐車場があり、管理費は3棟の中で最も高額に。

〈Cレジデンス〉
設備は充実していますが、150戸とビッグコミュニティのため、一戸あたりの負担が少なく済んでいます。


このように、管理費は主に共用部設備の規模に対して、総戸数の割合で決定されます!

ちなみに、珍しい共用部設備として図書館、ジム、温泉、パーティールーム、最新のマンションでは女子会ルームなどが付いているマンションもあります。かつて集会室だったスペースをコワーキングスペースに切り替えたりたりするなど、マンションによっても様々です。お子様がいる場合はキッズルーム、ふたり暮らしや共働きの場合はWi-Fi付きのワークスペースなどがあると便利かもしれませんね。アウトドアやスポーツが趣味で、大きい荷物が多くクローゼットのみでは収まらないという方には、トランクルームが備わっているマンションもおすすめです。

ただ、こういった設備がついているとお得に感じますが、しっかり維持費が発生し、管理費がそこに充当されています。大事なポイントは、ご自身のライフスタイルに合わせて暮らしを豊かにする設備が付いたマンションを選ぶこと。

自分にとってその設備が本当に必要か、過大な支払いになっていないか意識しつつ、物件選びをしていくのがいいでしょう。

修繕積立金は足りているのか!?

修繕積立金に着目して物件を選ぶためのポイントを見ると『修繕積立金が計画的に積立されているか』ということが重要になります。修繕積立金は、約12~15年に1度のサイクルで行われる大規模修繕工事に備えて積み立てられています。

管理組合は、通常管理業務のプロである「マンション管理会社」に管理を委託し、資金の管理を始めとした管理組合の業務を代行します。

マンション管理会社が発行する「重要事項調査報告書」には、実際に積み立てられている修繕積立金の総額や、大規模修繕工事の予定の有無、過去の修繕履歴などが記載されています。購入前に不動産会社に取得してもらい状況を確認しましょう。もし過去の積み立てが計画的に行われていない場合に、購入後に修繕積立金の急な値上げや一時金の徴収などが発生する可能性もあります。

国土交通省が公開している「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、大規模修繕工事の一戸あたりの工事費用は「75~125万円」が全体の半数以上を占めています。

まずは目安として一戸当たり100万円として考え、総戸数から逆算し十分な修繕積立金が積み立てられているか購入前に確認してみましょう。

滞納者の有無を確認!

原則としては全住戸が支払わなければならない管理費・修繕積立金ですが、これらを滞納をしている住戸がある場合があります。もちろん多少の滞納というのは少なからず常にあるものですので、滞納があるから問題という訳ではないのですが、解決されていない滞納がある場合は要注意です。

滞納によって管理組合の経営が逼迫されている場合や、モンスター入居者がいる可能性なども示唆されます。先述の「重要事項調査報告書」から総滞納額も確認できます。滞納金額があまりに多い場合などは、管理組合がどんな対応を取っているのか不動産会社にチェックしてもらうと良いでしょう。


今回は管理費と修繕積立金のお話を中心にしてきましたが、どちらも『安ければ安いほどいい!』という費用ではありません。管理費はその使われ方、修繕積立金は積立のされ方、それぞれが適正に行われているかが大事です。

不動産流通機構REINSの2021年度マーケットデータによると、東京23区内で成約した中古マンションの管理費と修繕積立金の合計の平均額は「24,551円」。まずはその金額を基準に考えておくと良いと思います。

マンションに住んでいる限りは支払い続けなければならない費用ですので、その性質をしっかり理解し、物件選びの段階から検討していきましょう!

せたがやクラソン さいとう


せたがやクラソン
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