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子どもが問題行動を起こしたら…④[全10話]

みなさんこんにちは。
学習塾SET.Labの加藤です。
このコラムは、「一生懸命勉強をがんばる『前』に知っておきたいこと」全10回の企画です(^^♪

▼第1話はこちら▼

もし、お子さんが学校で問題を起こして、先生から電話がかかってきたらどうしますか?
ちょっと慌ててしまいますよね。

おうちの中では「これから気をつけろよ」とか「あっちも悪いよね」という話になりつつ、なんか心配。
もやもやするところがあると思います。

今回は私の友人、Sさんの小学校時代のお話です。


Sさんは、自分ではあまりはっきりと覚えてはいないようですが、小学校では問題児と思われていたそうです。
そういうイメージを持たれたことで、実際は自分がやっていないことも自分のせいにされることがしばしば。
学校の先生からもおうちに電話があったそうです。

そんな時、Sさんのお母さんは一貫して、


「今のままでいいんじゃない。自分が嫌だと思うことがあったら、その場で自分で言いなさい。」


としか言わなかったそうです。

大人になったSさんは、
「そういう母親だったから自然と落ち着いて、ひねくれずに済んだ」
と思うそうです。

親として、子どもの教育に責任があるのは確かにそうですが、だからといって、子どものすべてを親がコントロールすることはできません。
その子にはその子の世界がありますから、その時、その場で自分で考えて、やっていくしかありません。


自分の状況を受け止める、大人の助言を聞き入れるかどうかは本人が決めること。
そして、自分が決めたことで返ってくる結果を引き受けるのもまた子ども自身なのです。


Sさんは、
「『こうじゃないと』とか『普通なら』といった、親からの声掛けが無かった分、自分で考えることができて気が楽だった。」
と感じていたそうです。


また、Sさんはゲーム好きだったり、物を分解してまた直すということに面白さを感じる時期がありました。

親御さんはゲームに関心が無かったようですし、色々なものが分解され、それらが元に戻らなくて困っていたようですが、決して止めなかったそうです。
そして、Sさんが作ったものは、必ず見てくれて、ほめてくれたそうです。

Sさんは、その後、自分の道を貫いて電子工学の専門に進みました。

振り返ると、

「自分の好きにさせてもらった分、無駄なことも多かったと思うが、だからこそその中で学んだこともあったし、何より楽しくて自分でどんどん進められた。」

と感じているそうです。

子どもの好きにさせるというのは、実際難しいことも多いと思いますが、自分からやりたがったことからは学ぶものが多いのもまた事実です。
それは知識が増えることだけ、技術力が高まるだけの話ではありません。


調べる力、
仮説を立てる力、
準備する力、
行動力、
誰かと一緒にやるなら段取りの計画する力、
コミュニケーションの力
も必要です。


こういった、教材だけでは身につかない力を、私たちは『自己教育力』と呼んでいます。

この『自己教育力』が高い子どもは、様々な場面で自分の力を十分に発揮し、目標を達成したり、困難を乗り越えていくことができます。


Sさんの親御さんは意図的ではなかったかもしれませんが、Sさんの様子を見て、そうしてあげることがいいのだと感じてくださったのでしょう。



Sさんは親御さんの接し方に感謝しています。
しかし、だからといって、親御さんは自信満々で子育てをしていたわけではなかったようです。

「母親らしいことをしてあげられなくてごめんね」
と言われたことがあるそうです。


子どもに感謝されているとわかったとしても、その子育てが良かったかどうかなんて決められないものなんですね。
子育て最中なら、なおさら今の子育てが良いのか悪いのかなんて、考えなくてもいいのかもしれません。


親は子どもの人生を代わってあげることはできませんが、その分、子ども自身に、辛いこと大変なことを乗り越え、喜びや学びに変えるだけの力が備わっているはずです。
むしろ、親子で過ごす時間を楽しみ、子どもから学び、親であることを面白がるくらいがちょうどいいのかもしれません。

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