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5月号特集「都会の未来、田舎の未来」(前後編、ラジオ)

更新が大変遅くなってしまい、申し訳ございません……。次回の記事も並行して進めております。がんばります。また、次回の更新より、編集体制に大幅な変更があります。その旨、本日夜にアップする記事最下部のラジオ内でも語っています。聴いてみてください。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。(瀬下)

ボトムアップの都市デザイン

瀬下:四月号では、コロナ禍においてデザインになにが可能かを問うアンケート企画をやりました。今月は、コロナのことを念頭に置きつつ、都会と田舎、都市と地方の関係について考えられたらと思っています。よろしくお願いします。

時事的な話題から入りたいと思います。今回の日本のコロナ対策では、店舗の休業や県を跨いだ移動について「自粛」を「要請する」っていうかなり奇妙な言い方をしましたよね。トップダウンで禁止するのではなく、ボトムアップな自粛(を、トップが求める……)。ある意味、都市がボトムアップにつくられ、動いてきたことの証左かなと思ったのですが。

太田:おもしろいですね。都市や建築の文脈でも、2010年代中盤に「10+1 website」を中心にタクティカル・アーバニズムという概念が輸入されるようになり、市民によるボトムアップ型の都市実践や社会実験が取り沙汰されるようになっています。

タクティカル・アーバニズムのような動きに対し、いち早く編集を加え、大規模にまとめあげた事例が「Uneven Growth」でした。これは2014年にニューヨークのMoMAで開催された展覧会です。テーマとしては、ラゴスやムンバイなどをフィールドにした事例を集め、世界人口の増加と都市ビジョンを考えようという趣旨のものでした。

瀬下:これ、面白いですよね。各都市の住居から物流、環境問題、交通システムに至るまで、そこに住む人が抱える課題や都市のビジョンが紹介されています。ホームページを見るだけでも楽しい。

太田:「Uneven Growth」の頃には未チェックだったのですが、それと似たかたちでボトムアップの都市実践をまとめたオランダ発の書籍『Pop-Up City: City-Making in a Fluid World』(BIS Publishers, 2014)を紹介したいと思います。フードトラックや都市農業はもちろん、公共空間に持ち込んでその場をラップトップのためのオフィスに変えてしまうキットであるとか、AirBnB/Uberみたく個々人の手料理をマッチングさせるサービスだとか、いろいろなものが載っています。

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