お・た・の・し・み

『寂しくなったら、まずはお電話を』

『悲しくなったら、ワタシの元へ』

『苦しくなったら、相談センター』

『口惜しくなったら、下記の窓口へ』

『腹が立つなら、コチラまで』

『もしも、あなたが死にたくなったら』

『スタッフが直ちに』

『そちらへ向かいます』

↑これらは
この国の自殺防止法のために作られた
キャンペーン・ポスターに書いてある
キャッチ・コピー(標語)の一例

ネガティヴな感情が
消化できないことは
現代人の心を確実に蝕み
やがて
自分で生命さえも落としてしまう

その生命の選択をさせぬよう
今日も相談センターの電話は
朝から鳴りっぱなしの状態

いのちの電話の相談員には
実際には
アルバイトやボランティアの人も
結構いるらしい
年齢も様々、色々

おそらくは
自分自身も一度は企てたり
実行したが未遂に終わった経験がある
そんな人なのかもしれない

ボクのはなしを少しすると
毎日のように思ったりはするよ
死にたいとか、消えたいとか
実際にそれを叶えた人が
まわりの友達にも
何人かいたりして

日常的な事実よね、自殺って
この国、今の日本では
何万人では足らないくらいの
生命はたったの四時間程度で
綺麗に掃除されてしまう

クビを吊るひと
地下鉄に飛び込むひと
ビルから飛び降りるひと
ナイフで自分を刺すひと
他人に殺させるひと
毒を飲むひと
舌を噛むひと
動物を利用するひと

死ぬにしても
その方法
やり方・バリエーションは
なかなか豊富に存在する

完全自殺マニュアルを
たった1回読めば

いつだって
ボクらは
死ねるし、消えられた

自爆するための装置
(背中のボタンを押すだけで)
まるで漫画のように

ホントは
死にたいわけじゃなくても
君は死んでいく
ボクの目の前から消えていく
そういう時代

ボクが憧れる国
フィンランドやスウェーデンでは
自殺対策はどうなっているのかな?

人々の幸福感と自殺の関係性は?
その噂の信憑性とは

別に
死にたくなるなら
死ねばいいと
ボクは思うよ
ホントに消えれるなら
消えてしまったらいい

あなたが自由になれるなら
心の底から
苦しみから解き放たれるなら
つらい、しんどい、くるしい
生きづらいと
言いながら、呟きながら
不幸なままで生活するよりは

他人なんだもん、ボクらは
君の痛みはよくわからない
完全なる理解はありえない
お金を払えば、同情や慰めは買えても
心や精神が満たされることはない
そのままの方法を選択するなら
たぶん、永遠に、君は孤独だ

自分が納得できるような
たいした答えも持たないままに
明日も、未来もやってくる
大人になりさえすれば
ラクになれるというのも
誰かの作った
神話だったのかもしれない

大好きな歌にこんな歌詞がある

『僕は死ぬように生きていたくはない』

中村一義のキャノンボールという歌
実際、彼も昔、死にたくなったらしい

結論を言えば
彼は今も生きていて
シンガーソングライター(SSW)として
歌い続けている

それがどういうことか?
なにを意味するのか?

それがボクにもわかれば
理解して、腑に落ちたら
ラクになれる気がするんだ

もっと、果てしないくらいに
幸せを感じて
ただ、生きている
いま、呼吸している

ボクは
まだ死にたくはないし
こんなに楽しいのに

神様どうか
ボクを勝手に殺さないでって

自分の人生のピリオドは
まだまだ先の物語として
ボクは取っておきたいから

『ホントの楽しみは』

『見てのおたのしみ』

箱を開けちゃうまでの

死ぬのは
最後の、とっておきの

『お・た・の・し・み』

大丈夫だよ
そんなに
慌てなくても

コレだけは
確実に
君にもいつか
やってくる
必ず彼は訪れる

ある意味、誰かさんとも平等に

君には気づかれぬよう

その足音を殺したままで

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