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芹沢忍
2021年9月2日 21:29
貴女は覚えているかしら。あの女学校時代の事を。私と貴女の秘密を。 私が貴女を見つめる。 貴女は何時も気付いた。 見ているだけの私に声を掛けてくれたのは貴女。とても嬉しかったのに邪険にしてしまったわ。 でも、貴女は知っていたのでしょう。私が照れていた事を。そうでなければ、あの時、私を攫わなかったでしょうに。 秋に行う灯火祭。 後夜祭で灯る焔。 揺らぐ火に騒ぐ。 浮き立つ気